セールスフォース(ティッカー:$CRM)の2026年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $2.91 | $2.78 | 〇 |
| 売上高 | $10.24B (YoY +9.8%) | $10.14B | 〇 |
| ガイダンス 2026Q3EPS | $2.85 ($2.84~$2.86) | $2.85 | 〇 |
| ガイダンス 2026Q3売上高 | $10.275B ($10.24B~$10.29B) | $10.28B | × |
| ガイダンス 通年EPS | $11.35 ($11.33~$11.37) | $11.29 | 〇 |
| ガイダンス 通年売上高 | $41.2B ($41.1B~$41.3B) | $41.24B | × |
📊 業績ハイライト
📈 売上・利益・成長率
| 指標 | 数値 | 前年同期比 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 総売上高 | $10.25B | +10%(為替調整後+9%) | ガイダンス超過。ライセンス売上とプロフェッショナルサービスが寄与 |
| サブスクリプション & サポート売上 | 非公開 | +9%(為替調整後) | 安定的な成長維持 |
| 非GAAP営業利益率 | 34.3% | +0.6pt | 過去10四半期連続で改善 |
| GAAP営業利益率 | 21.2%(通期見通し) | +3.7pt(QoQ) | 構造改革費用を含む |
| 営業キャッシュフロー | $15B(通期見通し) | +12〜13%(YoY) | 前四半期から大幅に上方修正 |
| フリーキャッシュフロー成長率 | +12〜13% | – | CapEx比率は売上の2%以下見込み |
| CRPO(残存履行義務) | $29.4B | +11%(為替調整後+10%) | ガイダンス超過。大型案件、SMB、”Create & Close”が好調 |
| AI & Data Cloud ARR | $1.2B | +120% | 非常に高い成長率を維持 |
| Data Cloud顧客数 | 非開示 | +140% | 500社以上のFortune 500企業が導入 |
| Data Cloudの「Zero-copy Integration」利用 | 非開示 | +326% | 利用拡大が顕著 |
📊 ガイダンス(FY2026 通期・Q3)
| 指標 | FY2026通期見通し | Q3見通し |
|---|---|---|
| 売上高 | $41.1B~$41.3B(YoY +8.5〜9%) | $10.24B~$10.29B(YoY +8〜9%) |
| 非GAAP営業利益率 | 34.1%(+10bps上方修正) | 非開示 |
| GAAP営業利益率 | 21.2% | 非開示 |
| サブスクリプション成長率 | +9%(為替調整後) | 非開示 |
| 営業キャッシュフロー成長率 | +12〜13%(上方修正) | 非開示 |
| CRPO成長率(Q3) | +10%以上(為替調整後9%以上) | – |
| 為替影響 | +$300M(通期) | +$300M(Q3) |
📌 経営陣のコメントと戦略的ポイント
🟢 ポジティブ
- Agent ForceとData Cloudが事業の成長エンジンとして急速に拡大。新規導入と既存顧客による拡張が顕著(新規契約の40%以上が既存顧客から)。
- 営業効率・コスト削減の実績:自社のサポート部門で約1.5M件のエージェント対応、77%の解決率。
- Dreamforce(10月開催)で新製品多数発表予定:Agent Force v4、SlackベースのITSM、Marketing Cloud Next、Tableau Nextなど。
- Data CloudがAI精度を支える「AI Foundation」として位置付けられる:MuleSoftや今後買収予定のInformaticaと統合へ。
🔴 ネガティブ
- マーケティングおよびコマース分野は低調。
- 日本と英国市場においては制約あり。
- AGI過剰期待とSaaS終焉論への反論に時間を割くなど、市場に対する防衛姿勢が目立つ。
🛠️ M&Aおよび資本政策
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 買収 | Converge AI、Bluebirds、Y、Regrello(契約締結)など |
| Informatica | FY26 Q4またはFY27初頭に買収完了予定。ガイダンスには未反映 |
| 株主還元 | Q2に$2.6Bを買戻しと配当に使用(累計$27B) |
| 新規株式買戻し承認 | $20Bの買戻し枠を新たに承認 |
💬 質疑応答ハイライト
🎯 Q: SaaSの将来性とAIネイティブアプリとの競合について(GS – Kash Rangan)
A(Benioff):
- SaaSは終焉ではなく、AIによって「拡張」されている。
- エージェントと人間が共存することで、SaaSの価値は増大。
- Salesforceのサポートは年間150万件をAIが対応、CSATも人間と同等。
- DIYでLLM導入を試みた企業の94%が失敗(MIT調査)→プラットフォーム戦略の優位性を強調。
🎯 Q: パイロットから本番稼働への移行(MS – Keith Weiss)
A(Srini):
- 顧客のUI要件、プロンプト設計の課題、オブザーバビリティの要求に応え、製品を改善。
- “Agent Force Command Center”でエージェントのパフォーマンスを可視化。
A(Miguel):
- DIRECTV:2ヶ月でパイロットから本稼働。Flex Credit活用。
- Falabella:NPS+10pt、コール数25%減。3ヶ月で契約3倍に。
- エージェント+データ+アプリが一体化した唯一のプラットフォームと強調。
🎯 Q: 大型買戻しの意図(Jefferies – Brent Thill)
A(Benioff):
- キャッシュフロー(FY26:$15B)を「三位一体」で活用:買戻し+配当+戦略的M&A。
- Regrello買収の例:DellとMercedesの導入により注目→9ヶ月かけて買収決定。
A(Washington):
- M&Aは慎重かつ機会主義的に実行。
- Informaticaも予定通り進行中。
🎯 Q: 中堅・SMB市場の拡大可能性(Evercore – Kirk Materne)
A(Benioff):
- SMB(従業員200人以下)~中堅企業(〜2000人)市場はAIによって超能力化された起業家を生む。
- CIOを持たない中堅企業はSalesforceを「スーパーSI」として依存。
- Slack-first戦略を通じて、すべての製品をSlackから開始可能に。
A(Miguel):
- Mid/SMBは最も早く成長。
- 営業人員を前年比+20%で拡大。ローエンドは立ち上がりも早い。
- Flex Creditと短サイクル型(Create & Close)の案件が急増。
🎯 Q: サポート人員40%削減の背景と業界の遅れ(JPMorgan – Mark Murphy)
A(Benioff):
- AIによるサポート削減と顧客満足向上は実証済。
- 「恐れ」や「誤情報」が他社の変革を妨げている。
- Agentic Enterpriseは組織構造の再設計まで含む変革。
- “Customer 0″としての実践が価値の証明。
🎯 Q: 営業体制拡充と成長への自信(Barclays – Raimo Lenschow)
A(Benioff & Miguel):
- FY27以降も視野に入れた営業投資を実行中。
- Agent ForceやData Cloudの導入企業が再購入(リフィル)を短期間に複数回実行。
- 「数千、いずれは数十億のエージェントが企業内で稼働」と強調。

コメント