アバクロンビー&フィッチ(ティッカー:$ANF)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $3.57 | $3.56 | 〇 |
売上高 | $1.58B (YoY +9.1%) | $1.57B | 〇 |
ガイダンス 2025Q1EPS | $1.35 ($1.25~$1.45) | $1.98 | × |
ガイダンス 2025Q1売上高 | $1.07B ($1.06B~$1.07B) | $1.08B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $10.90 ($10.40~$11.40) | $11.45 | × |
ガイダンス 通年売上高 | $5.15B ($5.10B~$5.20B) | $5.28B | × |
業績ハイライト
第4四半期業績(2024年度)
指標 | 数値 | 前年同期比 |
---|---|---|
売上高 | $15.8億 | +9%(為替・53週影響除外後+14%) |
営業利益 | $2.56億 | +15% |
営業利益率 | 16.2% | 前年15.3%から90bps改善 |
1株当たり利益(EPS) | $3.57 | +20% |
在庫(コストベース) | +22% | ユニット数+6%、その他16%は物流費・カテゴリーミックス要因 |
- ホリデーシーズンの好調な売上 により、当初予想を上回る成長
- アメリカ大陸市場が牽引(+11%)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)は+2%、APAC(アジア太平洋)は**▲4%(為替・店舗閉鎖影響)**
- Hollisterが大幅成長(売上+16%、既存店売上+24%)
- Abercrombieも売上+2%、既存店売上+5%で16四半期連続の成長
通期業績(2024年度)
指標 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | $49.5億(過去最高) | +16% |
営業利益 | $7.41億(過去最高) | +53% |
営業利益率 | 15.0% | 前年11.3%から370bps改善 |
1株当たり利益(EPS) | $10.69 | +72% |
フリーキャッシュフロー | $5.27億 | +43% |
- 全地域で2桁成長(アメリカ+17%、EMEA+12%、APAC+9%)
- グロスマージン64.2%(前年62.9%)へ改善(割引率低減が寄与)
- 営業利益率が大幅拡大(コスト効率化による200bpsのレバレッジ)
- キャッシュフローを活用し、全負債を完済 & 自社株買いを実施(3%の発行株式を取得)
業績見通し(2025年度)
指標 | 2025年見通し |
---|---|
売上成長率 | +3%~+5% |
営業利益率 | 14%~15%(前年並み) |
EPS | $10.40~$11.40 |
株主還元 | 四半期ごとに$1億の自社株買い実施予定(新規$13億の買い戻し枠設定) |
- 第1四半期売上成長率4%~6% を見込む
- 上期は物流コスト増が利益を圧迫するが、下期は改善予定
- デジタル成長を強化し、全チャネルで顧客体験を向上
質疑応答ハイライト
Q1. 現在の消費動向とブランド別の成長戦略について
- Fran Horowitz(CEO):「2ブランドとも成長継続を目指す。Hollisterの勢いは非常に強く、Abercrombieも春物の動きが好調」
- Scott Lipesky(COO):「欧州と中国市場の投資が成果を上げており、グローバル成長機会を引き続き追求」
Q2. 価格戦略とプロモーション
- Robert Ball(CFO):「価格は適正な水準を維持。割引を抑えながら、顧客に適正な価値を提供」
- 1月のプロモーションは例年通り。AUR(平均単価)も前年から成長を維持
Q3. 物流コスト(フレート)の影響
- 2024年第4四半期はフレートコスト上昇が圧迫要因
- 2025年上期は引き続きコスト高だが、下期には改善を見込む
- 特にRed Sea問題や港湾ストライキの影響が和らぐと期待
Q4. 自社株買いと資本配分
- 2025年は「毎四半期$1億の自社株買いを目標」**(合計$4億以上の還元を予定)
- 無借金経営を維持し、強固な財務基盤を活用
Q5. 実店舗戦略
- 2025年に100の新店舗展開(60店新規開店、40店リモデル)
- 店舗の4ウォール営業利益率は約30%と非常に高収益
- Abercrombieの出店数を増やし、ブランド拡大を加速
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