リフト(ティッカー:$LYFT)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.01 | -$0.02 | 〇 |
売上高 | $1.46B (YoY +13.5%) | $1.45B | 〇 |
業績ハイライト
売上・成長実績(Q1 2025)
Lyftは2025年第1四半期において、過去最高のQ1業績を記録。以下の主要指標において記録を更新:
指標 | 実績 | 備考 |
---|---|---|
Gross Bookings | 6四半期連続で2桁成長 | 前年同期比で2桁増加 |
Adjusted EBITDA | Q1として過去最高 | 成長と収益性の両立を達成 |
フリーキャッシュフロー | Q1として過去最高 | 過去12ヶ月で10億ドルに迫るキャッシュ創出 |
- 顧客ベースの拡大:アクティブライド数とドライバー稼働時間もQ1で過去最高。
- 地域・モード・ユースケース全体で成長。
- ドライバーとライダーの両者を顧客と定義し、両者に注力。
ガイダンスと資本政策
- 自社株買いプログラムを7億5000万ドルに増額。
- 財務の健全性を維持しつつ、成長投資の余地も確保。
戦略的拡大とM&A
項目 | 内容 |
---|---|
Lyft Silver(新サービス) | 高齢者向けのモビリティサービスにより、新しい顧客層を開拓 |
FREENOW買収(欧州進出) | 欧州9カ国に展開するタクシーマーケットプレイスを買収 |
カナダでの成長 | 年間で2倍成長、Q1でも+50%成長。ケベック州への進出も開始。 |
- CEOコメント:「我々の顧客へのこだわりとオペレーションの卓越性が成功の鍵。持続的成長に自信がある」
質疑応答ハイライト
価格戦略と保険コストに関する質問(RBC:Brad Erickson)
Q1:価格環境の変化は?
- Erin Brewer(CFO):価格は引き続き前年同期比では小幅上昇しているが、前四半期比では低下。
- David Risher(CEO):戦略は変わらず、「競争力と信頼性」が軸。価格ロック(Price Lock)などで安定性を提供。
Q2:保険コストの今後は?
- 引き続き保険プログラムを改善中。
- **「Smooth Cruiser Score」**などのドライバー評価指標も導入し、リスク軽減に取り組む。
- 10月1日更新の保険契約は、6ヶ月サイクルの継続で変更なし。
他社の「低価格戦略」や国際展開について(Wells Fargo:Ken Gawrelski)
Q:米国内の低価格競争についてどう見ているか?
- 価格競争よりもイノベーションとUX(ユーザー体験)で差別化を重視。
- Silver、Price Lock、ドライバー向け収益保証などによる差別化を強調。
Q:欧州やカナダでの国際展開戦略は?
- カナダでは前年比+100%成長、さらにケベック州へ展開開始。
- 欧州展開はFREENOW買収が中心。まずは9カ国での展開に注力し、追加展開は当面予定なし。
自動運転車(AV)戦略について(Goldman Sachs、Deutsche Bank)
Q:May Mobilityとの提携の進捗とAVによる供給・価格・頻度への影響は?
- アトランタで2025年夏に商用化開始予定。
- テキサスでの計画も進行中(Mobileye、Marubeniとも提携)。
- 長期的にはコスト構造改善や新しい需要層の開拓に寄与と想定。
Q:Waymoとトヨタの個人所有AVに関する見解は?
- 長期的には「個人がAVを所有し、Lyftで稼働させる世界」を想定。
- AVの本格普及は10年スパンの構造変化。短期的には差別化価値が高い。
FREENOW買収とビジネスモデルの違いについて(MoffettNathanson)
Q:タクシーモデル主体のFREENOWは、今後もその比率維持か?
- 欧州におけるタクシーは「プレミアムモード」扱い(例:ロンドンブラックキャブ)。
- 顧客ニーズと法規制に応じて、国ごとにタクシー主体戦略を継続。
Q:価格変動の減少が、利用頻度や定額制導入に与える影響は?
- Commute(通勤利用)はすでに最大のユースケース(全体の約1/3)。
- Price Lockや会員制プログラムがユーザーに好評で、会員のリテンション率75%超え。
米国タクシー統合とAV競合の影響(Bernstein)
Q1:米国内のタクシー統合戦略(例:St. Louis)は成長ドライバーとなるか?
- 成長加速の可能性あり。ただし具体的な展開都市やスピードは未公表。
- FREENOWのノウハウを活用し、全米の多様なサプライに対応。
Q2:UberのAV提携がLyftにとって有利に働くか?
- 独占的契約ではないため、パートナー各社は複数プラットフォームに提供可能。
- LyftはFlexDriveを通じた独自の車両管理ノウハウを保有しており、差別化要素に。
広告事業(Lyft Media)の進捗(UBS)
Q:目的地ベース広告(スポンサーライド等)や広告収益の進捗は?
- 年間ランレート1億ドル($100M)到達に向けて順調に進捗。
- Wait & Save中の動画広告ユニット(縦型全画面)を新たに導入。
- 「目的地誘導型広告(Sponsored Rides)」はパイロット段階だが好感触。
単価下落とDelta提携終了の影響(J.P. Morgan、Fox Advisors)
Q:単価下落(-3%)の要因は?
- カナダや中規模米都市(例:インディアナポリス、シャーロット)での急成長によるミックス効果。
- LuxやBlackといった高単価モードは依然好調(16%成長)。
Q:Delta提携解消(4月7日)による影響は?
- Q2から段階的に影響が出る見込み。
- 影響想定値:ライド数で-1%、Gross Bookingsで-2%程度。
Q:消費マインド低下や景気減速への耐性は?
- 通勤や医療(非緊急医療輸送)など日常化した需要があり、需要は安定的。
- 供給側もドライバーは短期間で参入可能で、マクロ的にも経済安定化要因になり得る。
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