C3.ai(ティッカー:$AI)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $-0.13 | $-0.28 | 〇 |
売上高 | $78.4M (YoY +18%) | $76.16M | 〇 |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $84M ($82M~$86M) | $83.9M | 〇 |
ガイダンス 2024通年売上高 | $308M ($306M~$310M) | $305.5M | 〇 |
業績ハイライト
業績
- 第3四半期の総収益は7,840万ドルで、前年同期比18%増加し、ガイダンスレンジの上限を上回った
- サブスクリプション収益は7,040万ドルで、総収益の90%を占め、前年同期比23%増加した
- 非GAAPベースの営業損失は2,580万ドルで、ガイダンスレンジの4,000万ドル〜4,600万ドルを上回った
- 四半期末時点の現金、現金同等物および投資残高は7億2,330万ドル
顧客の動向
- 商業部門では、Boston Scientific、Pantaleon、Booz Allen、Southwire、Carpenter Technology、Florida Crystals、Santa Ana Agriculture、Cerveceria Guatemala、AbbVie、T-Mobile、Bloom Energy、Ball Corporation、DLA Piper、Carlisle Companies、Holcimなどと新規契約を締結
- 州および地方自治体は、当四半期の予約高の29%を占めた
- 米国連邦政府の事業は引き続き大幅な伸びを示しており、第3四半期の収益は前年同期比100%以上増加し、予約高は85%増加
Generative AIの動向
- Generative AIの顧客アクティビティは、4四半期前に同製品を市場に投入して以来、急速に拡大
- 第3四半期には、幅広い業界にわたって17件のGenerative AIアプリケーションパイロットを獲得
- C3 Generative AIソリューションの新機能には、オムニモーダルデータサポート、表や画像に対する高度な解析・埋め込み機能、複雑なマルチステップワークフローの計画・実行、多言語サポート、高度な数学ツールの自動呼び出しなどがある
質疑応答ハイライト
顧客の生産性向上に関するメトリクスとGenerative AIがもたらす価値
- 顧客の生産性向上に関する具体例として、Michelleは20億ドルの経済的利益を得ていると言及し、米国空軍は予知保全アプリケーションにより航空機の可動性が25%向上したと述べている
- Generative AIの適用範囲は非常に広く、Workday、ServiceNow、SAP、Salesforceの上で動作させたり、弁護士の契約書作成、RSO(米空軍の大規模AIアプリケーション)でのユーザーインターフェース改善など、様々な用途が考えられる
他社との差別化、パイロット後の顧客のライセンス選択が収益に与える影響
- C3 AIのGenerative AIソリューションは、決定論的な回答生成、トレーサビリティ、ハルシネーションの回避、オムニモーダルデータ対応、LLMに依存しないアーキテクチャなどの点で差別化されている
- パイロット後、顧客の多くが月額従量課金ではなく複数年の契約を選択しているが、10四半期にわたる総収入への影響はニュートラル
データ主権とオンプレミスデータセンター回帰の可能性
- データ主権はAzureやAWSなどのクラウドプロバイダーによって対応可能で、C3 AIにとって大きな問題にはなっていない
- Goldman SachsやBank of Americaなどで、GPUを備えたスーパーコンピュータを社内に設置するオンプレミスデータセンターへの回帰の兆しがみられる
- オンプレミスデータセンター展開の制約となるのはGPUの入手性ではなく電力の確保の問題
セールスフォースの規模とランプアップ、AIガバナンスが売上サイクルに与える影響
- セールスフォースの採用は計画通りではないものの積極的に継続しており、新人営業が一人前になるまでに1.5〜2四半期程度を要する
- 完全にランプアップした営業は、少なくとも四半期に1件のパイロットを獲得することが期待されている
- 売上サイクルの長さは約3.5ヶ月で、前四半期から変化はない
NVIDIAの成長がソフトウェア層に与える影響、海外事業の状況
- NVIDIAなどが構築しているインフラは、ゲームではなくエンタープライズAIアプリケーションを実行するために利用される
- EMEAでのパフォーマンスは前四半期に大幅に低下したが、組織変更により営業活動や顧客エンゲージメントのレベルが劇的に改善
- 南米でも事業が好調に推移している
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