決算:WFC 2025Q3

決算

ウェルズファーゴ(ティッカー:$WFC)の2025年度第3四半期決算についてまとめます

finviz dynamic chart for WFC

決算概要

アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。

結果予想判定
EPS$1.66$1.55
売上高$21.44B
(YoY +5.3%)
$21.16B

業績ハイライト

売上および利益

指標数値前年同期比前四半期比
総収益(Revenue)$21.4B(推定)+5%
純利益(Net Income)非開示(ただし前年比増)増加増加
希薄化後EPS(Diluted EPS)非開示(ただし前年比増)増加増加
純金利収入(Net Interest Income)$12.4〜12.5B(Q4予想)+2%(Q/Q)
非金利収入(Noninterest Income)$9.8B(推定)+9%+4%

CEOコメント:

「前四半期に比べて収益性が大幅に向上しており、各事業の勢いが増しています。資産上限の解除により、今後はさらなる成長に向けて自由度が高まりました。」(CEO Charlie Scharf)


各事業別の収益動向

セグメント売上成長(前年比)主な要因
消費者・中小企業バンキング+6%預金コストの低下、ローン・預金残高の増加
住宅ローン(Home Lending)+3%モーゲージバンキング手数料の増加
クレジットカード+13%ローン残高および手数料の増加
オートローン-6%(前年比)
+6%(前四半期比)
スプレッド縮小(前年比)
ローン残高増加(VWとの提携効果)
コマーシャルバンキング-9%預金・貸出残高の減少、貸出移管
コーポレート&投資銀行+1%M&A、ECM、レバレッジド・ファイナンスの好調
マーケット(Markets)収益+6%複数アセットクラスでの取引増加
ウェルスマネジメント+8%資産ベース手数料、預金・ローン成長

ガイダンス・業績見通し

項目内容
2025年通期の純金利収入(NII)$47.7Bと概ね同水準(前年比)
Q4のNII予想$12.4B〜12.5B
2025年通期の非金利費用(Opex)約$54.6B(従来予想から$0.4B上方修正)
2025年Q4の非金利費用予想約$13.5B
要因– $296Mのレイオフ費用(想定上回る)
– 成果連動報酬(主にWIM)で$200M増加

クレジット・資産の健全性

指標数値/傾向
貸倒償却率(Net Charge-Off Ratio)前年同期比 -9bps、前四半期比 -4bps
商業ローン損失横ばい(C&I減少 vs CRE増加)
消費者ローン損失全ポートフォリオで改善(自動車ローン除く)
不良資産(NPA)前四半期比 -2%
貸倒引当金(ACL)$257M減少
CRE(オフィス)ACLカバレッジ11.1% → 10.8%

バランスシート・資本政策

指標数値・コメント
総資産$2兆超(過去最高)
CET1比率11.0%(新たな最低規制比率8.5%を大幅に上回る)
管理目標10.0%〜10.5%
自社株買い$6.1B(Q3)Q4も同水準を見込む
配当増配済

投資・成長戦略

  • 投資銀行手数料:前年比+25%
  • カード口座:+9%(新規口座数は900,000件、+49%)
  • ウェルスプレミア(富裕層向けサービス):純投資流入+47%(YTD)
  • MD採用(CIB部門):2019年以降で125人超
  • 商業バンカー採用:過去2年で160人追加

新たな財務目標

指標目標
ROTCE(自己資本利益率)中期的に17%〜18%
最終目標ではなく通過点

「商業部門では既に業界トップクラスの収益性を実現しており、消費者部門やカードの投資効果が本格化すれば、さらに改善可能。」(CFO Mike Santomassimo)


質疑応答ハイライト

ROTCE目標の時期感と達成要因

Q(Ken Usdin, Autonomous): ROTCE 17-18%の達成時期は?

A(Scharf): 来年ではないが、遠くもない中期的な達成を目指す。過剰資本の活用や事業の着実な実行により実現可能。


NIIのQ4成長要因

Q(Ken Usdin): Q4のNIIが成長する理由は?

A(Santomassimo):

  • マーケット関連NIIの増加
  • 商業・カード・オートローンの成長
  • 固定資産のリプライシング(例:MBSの利回り上昇)

経費削減と効率化

Q(Ebrahim Poonawala, BofA): $15Bの削減後、さらに削減余地は?

A(Santomassimo):

  • AI含む自動化での人員効率化
  • プロフェッショナルサービス、テクノロジー支出、不動産費用の削減余地
  • 「数百件のプロジェクトが進行中」

インオーガニック成長の可能性

Q: M&A(特にウェルス・IB)に関心は?

A(Scharf):

  • 検討余地はあるが、主力戦略はオーガニック成長
  • 既存事業強化に資するものであれば検討余地あり

ローン成長とクレジットカードの質

Q(John McDonald, Truist): カード成長は既存顧客中心?

A(Santomassimo):

  • 半数以上が既存顧客だが、新規顧客比率も増加中
  • 自社チャネルでの獲得が主(低コスト・高信用)

クレジットの健全性

Q(Scott Siefers, Piper): オートローンのリスクは?

A(Scharf):

  • 一貫したクレジットパフォーマンス
  • サブプライムなし、慎重な信用拡大を継続
  • オートの信用緩和分も想定通りに推移中

Wealth部門のマージン改善余地

Q(Erika Najarian, UBS): WIM部門のマージン改善策は?

A(Santomassimo):

  • 銀行サービス・融資のクロスセル拡大
  • アドバイザーの生産性向上(オルタナ提供等)
  • 規模拡大によりPretax Marginの改善余地あり

トレーディング収益とNIMの関係

Q(Betsy Graseck, MS): トレーディング収益はピークか?

A(Santomassimo):

  • さらなる成長余地あり
  • 顧客のファイナンス需要に応じた拡大継続

投資銀行でトップ5入りを目指す戦略

Q(Matt O’Connor, Deutsche Bank): IBでのTop 5達成は現実的?

A(Santomassimo & Scharf):

  • 過去3年で125人のMDを採用
  • 顧客基盤・商品・クロスセル機会を活かし着実に成長中
  • 最終目標ではないが、Top 5は「十分に手が届く位置」

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