ウェルズファーゴ(ティッカー:$WFC)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.33 | $1.28 | 〇 |
売上高 | $20.69B (YoY +0.8%) | $20.23B | 〇 |
業績ハイライト
第3四半期の主な財務結果
- 純利益51億ドル、希薄化後EPS 1.42ドル
- ROE 11.7%、ROTCE 13.9%
- 前四半期比で利益、EPS、ROE、ROTCEとも上昇
収益の変化
- 手数料ベースの収益が年初来16%成長し、金利収入の減少を相殺
- 純金利収入は前四半期比2%減少
- 非金利収入は前年同期比12%増加
経費と効率性
- 経費は前四半期および前年同期比で減少
- 人員数は4年連続で四半期ごとに減少、2020年第3四半期比20%減
信用の質
- 純貸倒損失は前四半期比8ベーシスポイント減少し、平均貸出金の0.49%に
- 商業用不動産オフィスポートフォリオの損失は第3四半期に減少したが、市場環境は引き続き弱い
資本と株主還元
- CET1比率は11.3%で、規制上の最低所要水準を大きく上回る
- 第3四半期に35億ドルの自社株買いを実施
- 年初来の自社株買いは156億ドルで、前年同期比60%以上増加
質疑応答ハイライト
純金利収入(NII)の見通し
- 第4四半期のNIIは第3四半期とほぼ同水準と予想
- 2024年通期のNIIは2023年比約9%減少の見込み
- NII低下の主な要因:
- 預金ミックスの変化
- 金利低下に伴う預金価格の調整
- 貸出需要の弱さ
- NII上昇のための条件:
- 金利低下の継続
- 経済の不確実性の解消
- 顧客の借入意欲の回復
経費の見通し
- 2024年通期の非金利費用は約540億ドルと予想(前回の見通しから変更なし)
- 効率化の取り組みを継続しつつ、リスク・規制対応や将来への投資も実施
- 人件費の内訳:
- 効率化による削減効果
- ウェルス・アンド・インベストメント・マネジメント部門での収益連動型報酬の増加
資産上限規制解除後の成長機会
- ホールセール預金の受け入れ拡大
- マーケット事業での顧客向けファイナンス能力の強化
- その他の事業部門での通常の成長機会追求
- 資産上限規制解除に伴う即時的な大幅変更は予想していない
アンチマネーロンダリング(AML)・KYC対応
- OCCとの正式合意を受け、必要な対応を実施中
- 現時点では540億ドルの経費見通しを超える重大な追加費用は想定していない
- 同意命令で求められる作業の多くは既に着手済み
商業用不動産オフィスポートフォリオの状況
- 全体的な状況は改善していないが、会社の予想の範囲内で推移
- 影響を受ける物件数が増加し、比較的良好な物件にも波及の兆し
- 新築・改装済み物件は好調、古いオフィスビルは全米で一貫して苦戦
- 貸倒引当金のカバレッジ比率は適切と認識
- 問題の解決には長期間を要する見込み
預金行動と金利低下の影響
- 金利引き下げ後の3週間では顧客行動に大きな変化なし
- 高利回り商品への資金シフトは過去1年ほどで減速
- 各事業部門で預金残高の安定化が見られる
- 預金価格設定は商品・顧客ごとに関係性を考慮して決定
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