ウェルズファーゴ(ティッカー:$WFC)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.33 | $1.28 | 〇 |
売上高 | $20.69B (YoY +0.8%) | $20.23B | 〇 |
業績ハイライト
収益
- 手数料ベースの収益が前年同期比で大幅に増加
- 投資顧問、トレーディング活動、投資銀行業務で特に強い成長
- これらの成長が純金利収益の予想通りの減少を相殺
信用パフォーマンス
- 第2四半期の信用パフォーマンスは予想通り
- 消費者ローンポートフォリオは労働市場の堅調さと賃金上昇の恩恵を受ける
- 商業用不動産オフィス物件での損失が継続
効率性
- 効率化施策の実行により、16四半期連続で従業員数が減少
- 非金利費用は前年同期比2%増加、主に営業損失の増加と収益関連報酬の増加による
資本・流動性
- CET1比率は11%で規制上の最低基準を大きく上回る
- 第2四半期に61億ドルの自社株買いを実施
- 第3四半期の普通株配当を14%増配する見込み
質疑応答ハイライト
預金コストと純金利収益の見通し
- 預金コストの上昇ペースは鈍化しているが、ウェルス&インベストメントマネジメント部門でスイープ預金の金利を引き上げ
- 2024年通期の純金利収益は前年比約9%減少の見込み
- 純金利収益は年末にかけて底打ちすると予想
資本政策
- CET1比率11%前後を維持する方針
- バーゼルIIIの最終化を見極めるまで、自社株買いのペースを抑制
- 引き続き自社株買いを継続する余地はある
費用見通しの上方修正
- 2024年通期の非金利費用見通しを約540億ドルに上方修正
- 主な要因は:
- 株式市場のパフォーマンス改善に伴う収益連動報酬の増加
- 予想を上回る営業損失と顧客救済関連費用
- FDICの特別賦課金
クレジットカード事業の成長
- 新規口座開設が好調で、支出も増加
- 信用基準は緩和していない(最低FICOスコア660を維持)
- 損失率の上昇は想定内で、ポートフォリオの成熟によるもの
- 第3四半期にはクレジットカードの損失率が低下する見込み
AIの活用
- 従来型AIを様々な分野で既に活用(マーケティング、与信判断など)
- 生成AIは短期的には効率化に注力
- コールセンターでの活用例:
- 顧客の質問に自動回答
- 通話内容の自動分析と根本原因の特定
ウェルス&インベストメントマネジメント部門
- アドバイザーの定着率が改善
- 手数料収入は季節性や市場環境により変動
- 長期的にはアドバイザリー資産の比率上昇が望ましい傾向
- 今後の収益性向上には以下が重要:
- アドバイザリー資産の生産性と成長の継続
- 顧客基盤への銀行・貸付商品の浸透度向上
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