Vertiv(ティッカー:$VRT)の2023年第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.56 | $0.53 | 〇 |
売上高 | $1.87B (YoY +13%) | $1.88B | × |
ガイダンス 2024Q1EPS | $0.34 ($0.32~$0.36) | $0.37 | × |
ガイダンス 2024Q1売上高 | $1.60B ($1.575B~$1.625B) | $1.62B | × |
ガイダンス 2024通年EPS | $2.23 ($2.20~$2.26) | $2.24 | × |
ガイダンス 2024通年売上高 | $7.585B ($7.515B~$7.655B) | $7.54B | 〇 |
業績ハイライト
業績概要
- 第4四半期の売上高は前年同期比12%の有機的成長、通期では21%の有機的成長を達成
- 第4四半期の調整後営業利益は3億3,000万ドル、調整後営業利益率は17.7%と大幅に改善
- 通期の調整後フリーキャッシュフローは7億7,800万ドルで、前年比10億ドル以上改善
- 第4四半期の受注は前年同期比23%、前四半期比18%増加。通期の book-to-bill は1.3倍と非常に強い
2024年ガイダンス
- 通期の有機的売上高成長率は9%〜11%を見込む(11月時点の8%〜10%から上方修正)
- 通期の調整後営業利益は13億ドルの見通し(11月時点の12億5,000万ドルから上方修正)
- 通期の調整後EPS予想は2.23ドル(前年比約25%増)
- 通期の調整後フリーキャッシュフローは8億〜8億5,000万ドルを予想(調整後FCF変換率は94%)
事業環境
- クラウド/ハイパースケールは AI導入の兆候が顕著で、引き続き成長をけん引
- エンタープライズでは、顧客が自社のビジネス向けにAI導入計画の策定を開始
- アジア太平洋地域は中国市場が引き続き軟調だが、インドを含むその他のアジアでは大規模な投資が進行中
質疑応答ハイライト
2024年の価格設定について
- 2024年も価格決定における良好な環境が続くと考えているが、価格上昇率は鈍化する見込み
- インフレ率が異なる環境下にあるため当然のことながら、需給バランスから見て事業環境は引き続き良好
- 原材料や輸送コストによるインフレ圧力はあるものの、労務費を含む全てのインフレ要因を価格に転嫁し、価格とコストのバランスをプラスに保つ方針
北米事業の見通し
- 北米の事業は好調で、パイプラインは非常に心強い
- 第1四半期のガイダンスがハイシングルディジット成長に留まっているのは、前年同期の数字が特に高かったため
- 北米事業の勢いは継続すると確信している
サプライチェーンと需要見通し
- 現時点ではサプライチェーンのボトルネックは見られない
- 長い納期を要求する大型案件が制約要因となっているが、これは業界全体に見られる自然なサイクル
- 業界は電力の確保、許認可等の課題に取り組む必要がある
- 今後12〜18ヶ月の需要見通しは非常に良好で、引き合いも力強い
AI関連の需要見通し
- AI関連の需要がバックログや引き合いにどの程度寄与しているのかを正確に示すのは困難
- AI関連に特化した製品の売上高や、AI関連と見られる引き合いの伸びは、想定される市場の成長率と合致するか、やや上回る程度
- 大半のポートフォリオはAIにもそれ以外にも使えるため、区別は難しい
- ダイレクト方式の液冷がメインだが、液浸冷却にも一定の需要はある
液冷事業の規模感
- 液冷事業は今後、サーマルソリューション全体の15〜20%を占めるまでに成長すると見込んでいる
- 現在の液冷の生産能力は低い水準からのスタートだが、業界の成長ペースを上回る供給能力の確保を目指す
- スライド12の45倍という数字から液冷事業の規模を類推するのは時期尚早
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