アップスタート(ティッカー:$UPST)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.31 | -$0.39 | 〇 |
売上高 | $128M (YoY +24.3%) | $124.8M | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $125M | $143.3M | 〇 |
業績ハイライト
2024年第1四半期の業績ハイライト
- 手数料収入は前年同期比18%増、前四半期比10%減の1億3,800万ドル
- 純利息収入はマイナス1,000万ドル
- 純収入は前年同期比24%増の1億2,800万ドル
- 第1四半期のプラットフォーム上のローン取引量は約119,000件で、前年同期比42%増、前四半期比8%減
- 平均ローンサイズは9,500ドルで前年同期の12,200ドルから減少
- 貢献利益率は59%で前四半期から4ポイント低下
- 営業費用は前年同期比17%減、前四半期比4%増の1億9,500万ドル
- GAAPベースの純損失は6,500万ドル、調整後EBITDAはマイナス2,000万ドル
プロダクトアップデートとファンディング状況
- 自動担保付きパーソナルローンを7州でパイロット開始
- Recognized Customer Personalization (RCP) を発表し、30の銀行・信用組合パートナーが導入
- 第1四半期の無担保ローンの90%が完全自動化 – 過去最高を記録
- オートリテールでは103のディーラーと提携(前年同期は39)
- HELOCは19州とワシントンD.C.で提供開始(人口の33%をカバー)
- HELOCの即時審査率は36%
- 初のHELOCファンディング契約を締結
- 小口ローンの融資額が前四半期比80%増加
- 今後12ヶ月で約27億ドルのファンディングを見込む
質疑応答ハイライト
2024年後半の業績見通し
- 主にモデルの改善と精度向上によって、月間ベースでの成長を見込んでいる
- マクロ環境は中立を想定。改善があればさらなる追い風になる
- 新型コロナ後の景気刺激策の影響が徐々に解消され、以前の環境に戻りつつある
- コンバージョン率の向上が成長の主要因になると予想
- 新商品の貢献は2024年中は限定的で、2025年に期待
信用力の高い層の与信悪化について
- FICOスコア700以上の層で足元与信が悪化
- 600未満の層は改善傾向
- プライム層のデフォルト率は低~中の一桁台から5割以上悪化
- APRを数百ベーシスポイント引き上げたが、需要の価格弾力性から承認率・ボリュームは低下
- プライム層の与信が頭打ちになり、サブプライム層が回復基調になれば、マクロ全体ではニュートラルになると想定
貸出ポートフォリオの方針
- コア・パーソナルローンのバランスシート上のエクスポージャーは減らす方針
- 自動車ローンなどR&D目的のローンも減らしたい
- ただし、プラットフォームの成長とキャピタルマーケットの需要次第
- 足元機関投資家の需要が高まっており、自社保有よりも機関投資家に融資を供給したい
コミットメントラインの更新
- 27億ドルのファンディング見通しには、契約更新による増枠は織り込んでいない
- 1年間の取引で双方の学びを反映し、更新時に一部条件を調整するのは自然
- ただし大幅な変更ではなく、ビジネスモデルの経済性を大きく変えるものではない
費用構造の管理方針
- 第1四半期末以降に一部コスト削減を実施済み。下期の数字に反映される
- コスト削減だけでEBITDA黒字化は難しいため、ある程度の成長も見込んでいる
- 想定通りの成長が実現しなければ、さらなるコスト見直しを検討
コメント