決算:UNH 2025Q1

決算

ユナイテッドヘルス(ティッカー:$UNH)の2025年度第1四半期決算についてまとめます

finviz dynamic chart for UNH

決算概要

アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。

結果予想判定
EPS$7.20$7.29
売上高$109.58B
(YoY +9.8B)
$111.60B
ガイダンス
通年EPS
$26.25
($26.00~$26.50)
$29.74×

業績ハイライト

連結業績概要(2025年第1四半期)

項目数値前年比 / コメント
調整後EPS見通し(通期)$26.00〜$26.50🔴 下方修正(従来見通しからの減額)
連結売上高見通し(通期)$4,500億〜$4,550億🟢 据え置き
メディカルケアレシオ(通期)87.5% ± 50bps🔴 悪化(高齢者の利用増加が要因)

CEOコメント: 「当四半期の全体的な業績は“異常”で“受け入れがたい”結果であった。」


セグメント別業績

UnitedHealthcare

項目数値コメント
Medicare Advantage会員増加数+80万人(見通し)🟢 継続的成長を維持
営業利益見通し(通期)$160億〜$165億🔴 利用増加による利益圧迫
医療利用トレンド2024年比 約2倍🔴 予想を大幅に上回る増加
(主に医師・外来)

Tim Noel(UHC幹部)より: 「特にグループMA(公務員引退者等)で予想以上の予防医療・外来・専門医利用の増加が顕著」


Optum Health

項目数値コメント
売上見通し(通期)$1,060億〜$1,070億🔴 影響あり
営業利益見通し(通期)$62億〜$64億🔴 患者プロファイルの変化とCMSリスクモデルの影響
新たな価値基盤ケア患者数(見通し)+65万人🟢 成長継続
2025年末までの合計VBC患者数約540万人

問題点:

  • 保険プラン撤退による“未エンゲージ”患者の流入
  • V28(新リスクモデル)における運用不備
  • 新規高リスク患者の評価が不適切で補償額が過小に

OptumRx(薬剤給付管理)

項目数値コメント
売上高(Q1)$350億🟢 +14% 成長
処方数増加率+3%🟢 高い顧客維持率
主な改善策80種の薬剤に対する事前承認廃止、薬局へのコストベース支払い導入

質疑応答ハイライト

Medicare Advantageの利用トレンドとMLR(医療費比率)

Q(Wolfe Research): 2025年の利用トレンドとMLRへの影響は?

A(Tim Noel, UHC):

  • 2025年は2024年と同様のトレンドを想定していたが、Q1時点で予想の2倍のケア活動を確認
  • 利用増加は全年齢層ではなく高齢者(特にグループMA)に集中
  • 医療サービス単価は予想通りで、ユニット利用数が主因
  • この傾向は通年および2026年にも継続する前提で価格設計を再調整

Optum Healthでの影響と価値基盤ケアの今後

Q(Nephron Research): Optum Healthでは自己管理可能なのに、なぜ予想外のコストが発生したのか?

A(Dr. Amar Desai, Optum Health):

  • 保険プラン撤退によりエンゲージされていない高リスク患者が一気に流入
  • CMSのV28リスクモデル移行への対応が予想以上に複雑かつ非効率的
  • 特に新規患者の初期評価が不十分で収入が過少
  • 対応策として、EMR統合、在宅・退院後ケア拡大、早期関与強化を実施中。

補足(Heather Cianfrocco, UHG):

  • 「価値基盤ケア」は今も臨床成果・コスト削減で優位性あり。
  • 今期は新規高リスク患者の影響が顕著だが、翌年以降に貢献
  • 長期的には高い定着率・持続的成長が見込まれる。

成長の持続性と2026年の展望

Q(JPMorgan, Lisa Gill): 2026年以降、従来のEPS成長率(13〜16%)に戻れるか?

A(Andrew Witty):

  • 今回のトレンド悪化は、過去数年の価格抑制策による“2次的影響”
  • 2026年のレート通知で初めてコスト上昇が反映され、改善の兆しあり
  • 「計画撤退」や「グループプレミアム増加」などの影響を今後は予測に織り込むことで是正可能

MedicaidとPBM(薬剤給付管理)政策

Q(Morgan Stanley, Erin Wright): PBM改革やMedicaidレートへの対応は?

A(Patrick Conway, OptumRx):

  • リベート100%還元・事前承認削減・薬局へのコストベース支払いの3点で業界を牽引。
  • アーカンソー州のPBM制限法案には「患者アクセスへの深刻な影響」が懸念。

A(Krista Nelson, Medicaid事業):

  • 現在も32州と良好な協議継続中
  • レートは段階的に改善しつつあるが、依然として患者ニーズを満たすには不十分

医療費抑制と政策への見解

Q(Jefferies, David Windley): 医療コスト削減のための“継続的な資金カット”に対するUHGの立場は?

A(Andrew Witty):

  • 価格削減のターゲットが“最もイノベーティブな領域”に集中しており、非効率的
  • MAおよび価値基盤ケアのほうが従来型よりもコストが低く、成果が良い
  • 政策的には**「価格カット」ではなく「全体的なシステム改革」で解決すべき**。

コメント

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