決算:ULTA 2025Q2

決算

アルタ・ビューティー(ティッカー:$ULTA)の2025年度第2四半期決算についてまとめます

finviz dynamic chart for ULTA

決算概要

アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。

結果予想判定
EPS$5.78$5.04
売上高$2.8B
(YoY +7.7%)
$2.67B
ガイダンス
2025通年EPS
$24.08
($23.85~$24.30)
$22.96
ガイダンス
2025通年売上高
$12.05B
($12.0B~$12.1B)
$11.72B

業績ハイライト

売上・利益・成長率

指標2025年第2四半期実績前年同期比コメント
売上高(Net Sales)$2.8B+9.3%予想を上回る売上。全カテゴリ・チャネルで成長
営業利益(Operating Profit)$345M+4.8%営業利益率12.4%(前年:12.9%)
EPS(希薄化後)$5.78+9.1%税効果により$0.03増
既存店売上(Comp Sales)+6.7%N/A取引数 +3.7%、客単価 +2.9%
eコマース売上非開示(2桁成長)+Low Double Digits店舗との連携強化、注文の50%が店舗配送
粗利益率(Gross Margin)39.2%+90bps縮小(Shrink)改善とマージン向上
SG&A費用増加($7Mの一時費用含)+15%人件費・インセンティブ増による営業費用率上昇(+130bps)

ポジティブ要素✅

  • 全カテゴリでの成長(特にフレグランスが2桁成長)
  • ロイヤリティ会員数が4%増加し4,580万人に
  • 在庫縮小(Shrink)改善が全地域・全カテゴリで進捗
  • プロモーションの最適化により粗利益率改善
  • eコマース機能強化(Split CartやReplenish & Saveなど)

ネガティブ要素⚠️

  • 営業利益率は前年同期比で50bps低下
  • SG&Aの増加(特にインセンティブ、医療費、戦略投資)
  • サプライチェーン固定費が収益を圧迫

カテゴリ別成長

カテゴリ成長率コメント
フレグランス2桁成長母の日・父の日販促、新ブランド(DrakeのSimermisk)やSmith & Noiseが牽引
スキンケア・ウェルネスHigh Single DigitSaltair、Peach & Lily等が貢献、K-Beauty拡大、TouchlandやSol de Janeiroも好調
メイクアップMid Single DigitMACがHigh Single Digit成長、ガラススキンなどのトレンドが奏功
ヘアケアMid Single DigitCécredやShark、Conairなどの新ブランドが貢献
サービスLow Single Digitカットとカラーが牽引、ワークショップ(例:父娘デー)でエンゲージメント強化

ガイダンス(2025通期見通し)

指標新ガイダンス前回ガイダンスコメント
売上高$12.0B~$12.1B$11.7B~$11.8BSpace NK買収と上半期好調により上方修正
既存店売上成長率(通期)+2.5%~+3.5%+1%~+2%下期は「フラット〜Low Single Digit」を見込む
営業利益率(通期)11.9%~12.0%12.1%~12.3%SG&Aの増加が利益率に影響
営業利益率(下期)10.7%~10.9%投資の前倒し、Shrink改善効果の鈍化を考慮
EPS$23.85~$24.30$22.50~$23.00増配・自社株買い(468Mドル、残り2.2B)も寄与
SG&A成長率(通期)+13%~+14%約+10%Space NK関連、一部広告費・人件費増による

経営陣のコメント(一部抜粋)

「全社的にUlta Beauty Unleash戦略に対する理解と実行が進んでおり、明確な役割認識がシナジーを生んでいます」— CEO, Kecia Steelman
「Shrink(商品ロス)は全カテゴリ・全地域で改善しました」— CFO, Chris Lialios
「ウェルネス市場は4100億ドル規模で、将来的にはUlta Beautyにとって10億ドルのビジネスになる可能性があります」
「ターゲットとのパートナーシップ終了(2026年8月)は長期的に見れば新たな成長機会」


質疑応答ハイライト

Ulta Beauty Unleash戦略の持続性と成長性について

Q(Telsey Advisory Group):
戦略的施策が奏功し6.7%成長となったが、この成長の持続性と、後半のガイダンスとのギャップの背景は?

A(CEO):

  • 戦略が全社で浸透しつつある
  • H2は前年比で高い比較対象があるため慎重な姿勢
  • 成長の持続性は高いが、マクロ経済の不透明さは継続

減少するShrinkと営業利益率の将来性

Q(Evercore):
Shrink改善の恩恵は今後も続くのか?営業利益率は中長期的に改善可能?

A(CFO):

  • Q2のShrinkは好影響だったが、H2では前年の恩恵が剥落
  • 投資タイミングや人件費増を考慮し、H2は営業利益率が圧迫される見通し

プロモーション環境と今後の価格戦略

Q(Barclays):
プロモーション環境は落ち着いてきたのか?Ultaとしての方針は?

A(CEO):

  • 不要なプロモーションの削減に成功し、粗利益改善
  • 今後も戦略的なプロモーションに絞る方針
  • 市場環境が安定していれば、プロモーションは「理性的」に保たれる見込み

Wellness事業の拡大について

Q(Barclays):
ウェルネス分野の進捗と今後の展望は?

A(CEO):

  • 370店舗に拡大、50店舗でさらに大型展開予定
  • SKU数:約700、ブランド数:150以上
  • 長期的には$1B市場を狙う
  • 「補完的で収益性のある成長」にフォーカス

競争環境とシェア回復戦略

Q(Morgan Stanley、Guggenheim):
競合によるシェア喪失後の回復状況と、戦略的な対応は?

A(CEO):

  • 競合出店のペースは鈍化し、回復が進行中
  • ロイヤルティプログラムとパーソナライズ施策で再獲得を狙う
  • Targetからの撤退後も既存チャネル強化で補填可能

Space NK買収と国際展開の戦略

Q(Canaccord、TD Cowen):
なぜ自社展開でなく、Space NKを買収?マーケットプレイス戦略との関係は?

A(CEO):

Marketplace(Q3開始予定)は招待制で差別化。会員ポイント適用も可能

キャピタル・ライトな手段で英国参入

高級感・ハイタッチな体験を持つブランド運営が魅力

買収で得た知見は米国ビジネスにも還元予定

コメント

Ads Blocker Image Powered by Code Help Pro

広告ブロックを検出しました

ブラウザの拡張機能を使用して広告をブロックしていることが検出されました。 ブラウザの広告ブロッカー等の機能を無効にするか、kgs-invest.comドメインをホワイトリストに追加し、「更新」をクリックしてください。
タイトルとURLをコピーしました