ユニティー(ティッカー:$U)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.75 | -$0.67 | × |
売上高 | $460.4M (YoY -8%) | $487.2M | × |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $422.5M ($420M~$425M) | $443.2M | × |
ガイダンス 通年売上高 | $1.78B ($1.76B~$1.80B) | $1.81B | × |
業績ハイライト
概要
- 第1四半期の業績は期待通りで、戦略的収益は2%増、Createの戦略的収益は17%増、コアサブスクリプションは13%増
- EBITDAは前年比5,000万ドル増加し、純利益は前年比で約1億ドル改善するなど、収益性拡大に向けて順調に進捗
- 大規模で複雑なコストとポートフォリオのリセットを完了し、今後の強化につながる
今後の見通し
- ポートフォリオとコストの改善に注力し、持続的な顧客価値の創出と株主リターンの向上を目指す
- Createは下半期もサブスクリプションの伸びが続く見込み
- Growは下半期にモデル改善によるパフォーマンス向上とデータ活用の強化で加速する見通し
- CreateとGrowの統合により、顧客へのサービス向上を図る
質疑応答ハイライト
Growセグメントの成長ドライバー
- モデルの改善とデータ活用により、下半期にGrowセグメントの成長を加速させる計画
- データエンジニアリングとデータサイエンスの部門を統合し、十分に活用されていなかったデータを使ってモデルをトレーニング
- iOSとAndroid向けに複数の分析を導入し、MMPからのデータを活用
- モデルの調整とA/Bテストを繰り返し、大幅な改善が見られたものから全データでトレーニングを行い、展開する予定
- 8〜9の主要施策のうち、6〜7ですでに良好な初期結果が得られている
株式数の増加について
- リストラに伴う変更により、発行済み株式数が若干増加したが、1%未満の増加
- 具体的な数字は再度確認する
モデル改善によるリターン向上について
- 一部の大口顧客との間でテスト結果が非常に良好で、LevelPlayへのシフトが進んでいる
- AppLovinとのギャップは大幅に縮小していると考えられる
- ROASで完全に追いつくかは不明だが、顧客からのフィードバックは極めて前向きで、シェアのシフトが見られる
- 展開時にもこの傾向は続くと予想される
- 顧客は1社に依存することを望まず、Unityに追いつくことを期待し、辛抱強く待っている
PlusからProへの移行について
- 顧客の一部はEnterpriseまで移行しており、Unityにとっても顧客にとってもメリットがある
- 18ヶ月前の値上げの効果も相まって、業績に好影響を与えている
Industries分野でのCapgeminiとのパートナーシップについて
- 4月30日に締結したばかりであり、まだ具体的な成果は見られないが、SIパートナーとの協業により事業が加速すると期待
- カスタムアプリケーションの提供により、Industries分野でのユースケースが拡大すると予想
下半期の成長加速について
- 改善による収益への影響はまだ出ていないが、A/Bテストの結果は良好
- 高度な機械学習モデルとインフラの洗練化、およびデータ活用の強化により、恩恵が見込まれる
カスタマーとの会話について
- 固定化された収益源の分配ではなく、ゲーム会社の収益性向上にフォーカスした前向きな会話を行っている
- 没入感の高いゲーム開発、開発速度と費用の改善、収益化の加速など、顧客の成功につながる取り組みを議論
- 開発から収益化までを網羅するUnityの強みを活かし、業界全体の収益性向上を目指す
顧客とのデータ共有について
- 夏にCoreStatsという製品を立ち上げ予定
- 具体的な会話はまだ行っていないが、顧客の収益性向上のためにデータを活用する方法を協働して探る
- 広告支出の改善や収益化の強化など、データ活用による恩恵を顧客と共有することを目指す
ランタイム料金と導入について
- ランタイムを持続可能なものにするために収益源が必要だが、直接的な使用料か間接的な広告収入かは重要ではない
- LevelPlayを使用している場合、ランタイム料金は発生しない
CoreStatsについて
- Createに含まれるサービスで、顧客がゲームにおけるユーザーエンゲージメントを理解するのに役立つ
- クラッシュデータからエンゲージメントの各種指標まで提供
- 広告面でも価値のあるデータとなる可能性がある
- 別途料金を取るものではなく、Unityとデータを共有する顧客へのメリットとして提供
CreateとGrow両方を使う顧客の動向
- 1月に組織を再編成し、顧客との新しい関わり方を始めたばかり
- ポジティブなフィードバックは得ているが、行動の変化にはもう少し時間がかかる
- Unity 6だけでなく、時間をかけて浸透させていく
EBITDAと投資機会の評価について
- データとデータサイエンティストへの投資を重視
- クラウド消費によるデータ強化にも注力し、Grow事業の改善を図る
- リストラによるコスト削減と戦略的ポートフォリオの効果がEBITDAに表れている
- 自社株買いと借入金の大幅削減を実施。市場動向を見ながら、資本配分を検討していく
ランタイム料金に対する顧客の反応について
- 冷静に顧客と話し合い、既存の契約内容や実際のコストを説明することで、当初の過剰反応から現実的な見方に変化
- ゲームの種類や収益化の方法によって、ランタイム料金の影響は異なることを理解
- ランタイムへの投資とパフォーマンス向上による価値について議論することで、前向きな会話につながっている
- 状況を悪化させるのではなく、協力して取り組む方法を模索する雰囲気になってきた
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