トレードデスク(ティッカー:$TTD)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $0.45 | $0.41 | 〇 |
| 売上高 | $739.43M (YoY +17.7%) | $719.34M | 〇 |
| ガイダンス 2025Q4売上高 | $840M | $831M | 〇 |
業績ハイライト
売上・成長率
| 指標 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | $739百万 | +18%(政治広告除き+22%) |
| ガイダンス(Q4予想) | $840百万以上 | +18.5%(政治広告除き) |
| 調整後EBITDA | $317百万 | EBITDAマージン:43% |
| Q4調整後EBITDAガイダンス | $375百万 | ー |
✅ ポジティブポイント
- 政治広告除外ベースで22%成長と、強い成長トレンドを維持
- CTV(Connected TV)が全体を上回る成長率を継続し、全体の約50%を構成
- リテールメディア、国際展開、JBP(Joint Business Plan)案件が牽引力に
⚠️ 注意点
- 北米売上比率が87%と依然として高く、海外比率(13%)は伸び余地あり
チャンネル別売上構成比
| チャンネル | 比率(Q3) |
|---|---|
| CTV/Video | 約50%(成長続く) |
| モバイル | 約30%(低位) |
| ディスプレイ広告 | 約10%前後(低位) |
| オーディオ | 約5%(急成長チャネル) |
Spotifyなどとの連携によってオーディオ領域でも着実な成長を実現。
地域別売上構成比
| 地域 | 比率(Q3) | 備考 |
|---|---|---|
| 北米 | 87% | 成長継続も成熟市場 |
| 国際(EMEA/APAC) | 13% | 高成長、今後の重点領域 |
その他財務指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 営業費用(非GAAP) | $457百万(前年比+17%) |
| 調整後純利益 | $221百万 |
| 希薄化後EPS(非GAAP) | $0.45 |
| フリーキャッシュフロー | $155百万 |
| 現金・短期投資 | $1.4B |
| 自社株買い | Q3で$310百万、累計$2B(2023年以降) |
経営陣コメント(業績見通し・ガイダンス)
- Alex Kayyal(CFO):
- 「利益とキャッシュフローを両立しつつ、長期の持続可能な成長を目指す」
- 「AIと国際展開が当社のフライホイールをさらに加速させる」
- Jeff Green(CEO):
- 「オープンインターネットのシェアを長期的に勝ち取るための布石は着々と整っている」
- 「UID2、Kokai、OpenPathなどの革新により、オープン市場での優位性は圧倒的」
質疑応答ハイライト
競争環境:Amazon・Googleとの関係性
Q: Amazonを競合と見ているか?
A(Jeff Green):
- 「Amazonの広告収入の約90〜95%は自社のスポンサーリスティング」
- 「Amazon DSPは主にPrime Video向けで、オープンインターネットへの貢献は極小」
- 「我々の競争領域は“オープンインターネット”、AmazonやGoogleは“自社在庫の最大化”」
- 「将来、彼らのDSPはオープンインターネットを買うプラットフォームではなく、自社広告配信のためのツールに収斂すると予想」
✅ TTDのポジショニングの明確化
❌ 競争がゼロとは言えないが、方向性・注力分野が異なる点を強調
価格競争に対する懸念(DSPを無料化する競合)
Q: AmazonやGoogleがDSPを無料化するリスクについて?
A(Jeff Green):
- 「無料化はかえって“価値”の議論を喚起し、当社に有利」
- 「安価なDSPは、真に中立なバイサイドプラットフォームではない」
- 「本当の透明性と信頼性が重要。価格でなく価値に焦点を当てる」
組織改革・体制強化について
Q: 今年行った組織改革の成果と課題は?
A(Jeff Green):
- 新COO(Vivek)、CFO(Alex)、CRO(Anders)を含む経営陣の刷新
- JBPの拡大:180超のライブ案件、パイプラインに更に数百あり
- 内部のKPI制度の厳格化、営業体制の再編(特に国際・マルチエージェンシー対応)
- 引き続きツール・教育面での投資が必要
2026年に向けた業界環境と戦略
Q: 2026年の業界環境・TTDの立ち位置は?
A(Jeff Green):
- 「一部ブランドでは依然としてコスト圧力(CPG、リテール)」
- 「一方で、金融・医療・保険等ではデータドリブン広告への投資が拡大」
- 「CMOはROIに対して厳格な評価を求められ、ウォールドガーデンの限界が露呈」
- 「当社のバイサイド重視・透明性・AI強化が選ばれる理由」
ジェネレーティブAIによる影響
Q: GenAIの影響で広告在庫が減る?
A(Jeff Green):
- 「1秒間に2,000万以上の広告インプレッションを評価しており、在庫減の影響は限定的」
- 「供給過多の市場ではむしろ健全化」
- 「AIによる検索広告の新たな在庫創出も期待(新たなCTV的広告機会に近い)」
Google反トラスト訴訟の影響
Q: Googleの反トラスト訴訟についてどう見るか?
A(Jeff Green):
- 「訴訟結果に関係なく、Googleはオープンインターネットから距離を置く方向に進むだろう」
- 「今後も彼らはYouTubeなど自社在庫重視の広告事業にシフト」
- 「TTDはその間隙を突いて、買い手にとっての中立な選択肢として価値を提供」
プロダクトのインパクト(次の1~2年)
Q: 今後12~18ヶ月で最もインパクトのある製品は?
A(Jeff Green):
- ✅ Kokai:導入顧客の85%以上がデフォルトに設定、CTR +94%、CPA改善
- ✅ Deal Desk:事前予測・AIによる価格評価で“新しい先物市場”を形成
- ✅ Audience Unlimited:第三者データのバンドル利用によるコスト削減とパフォーマンス向上
- ✅ Trading Modes:ユーザー選択型の取引体験とエージェンティックAIの導入促進

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