台湾セミコンダクター(ティッカー:$TSM)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $2.92 | $2.60 | 〇 |
| 売上高 | $33.1B (YoY +40.8%) | $31.5B | 〇 |
| ガイダンス 2025Q4売上高 | $32.8B ($32.2B~$33.4B) | $32.7B | 〇 |
✅ 業績ハイライト
📊 売上・利益・成長率サマリー
| 指標 | 数値 | 前四半期比 | 前年同期比 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(USD) | 331億ドル | +10.1% | – | 第3四半期ガイダンスを上回る実績 |
| 売上高(NTD) | 非開示(換算は約1兆NTD前後) | +6.0% | – | 為替差損の影響を受けつつも増収 |
| EPS(1株当たり利益) | TWD 17.44 | – | +39% | 利益率の改善により大幅な増益 |
| ROE(株主資本利益率) | 37.8% | – | – | 高水準維持 |
| 営業利益率 | 50.6% | +1.0pt | – | 利益率回復が続く |
| 粗利益率 | 59.5% | +0.9pt | – | コスト改善と設備稼働率上昇が寄与 |
🧪 テクノロジーミックス別売上比率(ウエハー収入ベース)
| プロセスノード | 売上構成比 |
|---|---|
| 3nm | 23% |
| 5nm | 37% |
| 7nm | 14% |
| 7nm以下合計 | 74%(先端技術) |
補足:先端プロセス比率が高く、構造的な強みを継続。
🖥 プラットフォーム別売上構成比
| プラットフォーム | 売上構成比 | QoQ成長率 | コメント |
|---|---|---|---|
| HPC(高性能コンピューティング) | 57% | 0% | AI関連需要が引き続き堅調 |
| スマートフォン | 30% | +19% | 季節要因+新製品立ち上げが寄与 |
| IoT | 5% | +20% | 回復傾向 |
| 自動車 | 5% | +18% | 安定成長 |
| DCE(デジタル消費機器) | 1% | -20% | 継続的な需要低迷 |
💰 バランスシート・キャッシュフロー
| 指標 | 数値 | コメント |
|---|---|---|
| 現金および有価証券(NTD) | 2.8兆NTD(約900億ドル) | 強固な財務体質 |
| 営業キャッシュフロー | 4270億NTD | 安定的なキャッシュ創出 |
| 設備投資(CapEx) | 2870億NTD(約97億ドル) | AI関連投資継続 |
| 配当金支払 | 1170億NTD | 株主還元の継続 |
| 在庫日数 | 74日(-2日) | N3/N5の出荷が寄与 |
| 売掛債権回転日数 | 25日(+2日) | 回収状況は安定 |
🔮 第4四半期ガイダンス(2025年Q4)
| 指標 | ガイダンス | QoQ | YoY | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 322億〜334億ドル | 約▲1%(中央値) | +22% | 高水準維持 |
| 粗利益率 | 59〜61% | +0.5pt(中央値) | – | 為替追い風とコスト改善 |
| 営業利益率 | 49〜51% | – | – | 高収益性維持 |
| USD/TWD想定為替 | 30.6 | – | – | 想定より為替が有利に働いている |
🏭 設備投資見通し(2025年通期)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| CapExガイダンス | 400〜420億ドル(前回:380〜420億ドル) |
| 用途内訳 | ・70%:先端プロセス(3nm, 2nmなど) ・10〜20%:特殊技術 ・10〜20%:先端パッケージ・テスト・マスク等 |
| 経営陣コメント | 「高水準の投資=将来の成長機会の拡大と確信」 |
🗣 質疑応答ハイライト
🎯 AI需要・成長率に関する見解(JPMorgan, Gokul氏)
Q:AIアクセラレータの成長率(mid-40% CAGR)に修正余地は?
A(C.C. Wei):
- 「3ヶ月前よりも強い需要を実感している」
- 成長率はmid-40%以上になる可能性あり
- 「数字は”insane(狂ってる)”レベル。2026年初に改めてアップデート予定」
Q:CapExは需要に対して十分か?
A(Jen-Chau Huang):
- 「需要があれば投資を惜しまない」
- 「収益成長 > CapEx成長を維持する戦略」
- 今後もこの傾向を継続予定
🧠 CoWoS・AI比率に関する質問
Q:CoWoS容量の2026年見通し?AI収益の構成比は30%に近づく?
A(C.C. Wei):
- CoWoSは「依然として供給不足」、継続的に拡張中
- 2026年の容量は来年発表予定
- 「前工程・後工程ともに非常にタイト」
- AI比率は未開示も、増加傾向にあることを示唆
🇨🇳 中国AI需要と規制リスク(Morgan Stanley)
Q:中国のGPU需要制限がCAGRに影響?
A(C.C. Wei):
- 「制限はあるが、AI全体の成長には影響なし」
- 「中国以外でも需要が急増しており、顧客の成長に自信」
📉 2026年の粗利益率見通し(UBS)
Q:2nm立ち上げによる粗利率への影響?
A(Jen-Chau Huang):
- 「2nmの構造的収益性は3nmより高い」
- 2026年:2nmはマージン希薄化要因だが、3nmが平均に収束してくる
- 海外工場の影響(2〜3ptの希薄化)は継続
- 為替も重要要因(1%の変動で約40bp粗利率に影響)
🔄 予測手法の進化(UBS)
Q:AI需要の予測困難性にどう対応?
A(C.C. Wei):
- 「顧客の顧客(アプリ企業など)とも対話し、需要を深く把握」
- 以前よりも構造的で多層的なプランニング体制を構築中
🔌 AIとトークン需要(Goldman Sachs)
Q:AIインフラ成長 vs トークン数の爆発的成長の整合性は?
A(C.C. Wei):
- トークン数の成長は指数関数的
- 「TSMCと顧客の技術革新により1チップあたりの処理効率が向上しており、供給能力と整合」
- 成長のギャップは技術進化で吸収可能
🇺🇸 米国の先端パッケージ拡張(Citi)
Q:米国での先端パッケージ(CoWoS)拡張の進捗は?
A(C.C. Wei):
- TSMC自身の工場に加え、「OSATパートナーと協働でアリゾナに工場建設中」
- 顧客の要望に応じ、前倒しでサポートを進める方針
💵 2026年の売上成長ドライバー(Citi)
Q:成長はASP主導?それとも出荷数量?
A(C.C. Wei):
- 「すべてが貢献(価格、数量、技術移行)」
- 特にN3の稼働は最適化継続中、N2は新規拡張
⚡ AIインフラとTSMCの売上(TD Cowen)
Q:1ギガワットあたりのTSMC売上貢献は?
A(C.C. Wei):
- 明確な数値は非開示も、1GWあたり「500億ドルの投資が必要」と顧客談
- 構成チップが多いため単純換算困難とコメント
🧱 Foundry 2.0戦略(Macquarie)
Q:競争環境の中でFoundry 2.0の意義は?
A(C.C. Wei):
- 「システム全体のパフォーマンス最適化にフォーカス」
- CoWoSなど後工程含めたEnd-to-Endの提供が顧客の競争力強化に直結
- 「競合=顧客でもある。最先端では協業中」


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