トースト(ティッカー:$TOST)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.09 | $0.07 | 〇 |
売上高 | $1.34B (YoY +24.4%) | $1.34B | 〇 |
業績ハイライト
売上・利益・成長率
指標 | 数値 | 前年同期比(YoY) | コメント |
---|---|---|---|
年間経常収益(ARR) | 非開示(成長率のみ) | +31% | サブスクリプション+フィンテック両方で成長 |
フィンテック+サブスクリプション粗利益 | 成長率:+37% | 「Recurring Gross Profit Streams」 | |
調整後EBITDA | $133百万 | マージン:32%(+13pt YoY) | 収益性大幅改善 |
GAAP営業利益 | $43百万 | 黒字継続 | |
フリーキャッシュフロー(FCF) | $69百万 | Q1特有の季節性あり(ボーナス等) |
顧客拠点数と成長
指標 | 数値 | YoY | コメント |
---|---|---|---|
累計顧客拠点数 | 約140,000拠点 | +25% | Q1に6,000以上の純増を達成 |
サブスクリプションARR成長 | +32% | 堅調な拠点増加+SaaS ARPU成長(+5%) | |
総決済額(GPV) | $42B | +22% | 1拠点あたりは-3% YoY |
Net Take Rate | 59bps(決済分:48bps) | +3bps YoY | 最適化と価格改定の影響 |
Toast Capital粗利益 | $47百万 | デフォルト率は想定内、引き続き健全 |
ガイダンス(見通し)
区分 | 指標 | ガイダンス内容 | YoY |
---|---|---|---|
Q2 | フィンテック+サブスクリプション粗利益成長 | +26%〜29% | |
調整後EBITDA | $130〜$140百万 | ||
通期(2025年) | フィンテック+サブスクリプション粗利益成長 | +26%(ミッドポイント) | |
調整後EBITDA | $550百万(マージン:31%) | +5pt YoY(2024比) |
経営陣コメント要約
- CEO Aman Narang:
- Q1は「期待を上回る出だし」、6,000以上の純増拠点獲得。
- Applebee’s、Topgolfの獲得で大規模・複雑業態への対応力を実証。
- AIとデータを活用したプロダクト差別化に注力(suchef, Toast IQなど)。
- 新規市場(国際展開、リテール、エンタープライズ)も成長ドライバーへ育成中。
- CFO Elena Gomez:
- 調整後EBITDAマージン32%で中期目標(30〜35%)を前倒し達成。
- 支出管理を継続しつつも、成長分野に対しては投資継続。
- トレンドは安定しており、マクロ環境に応じた柔軟な対応力も準備済み。
質疑応答ハイライト
Applebee’s獲得とエンタープライズ戦略(UBS, Wells Fargo)
Q:エンタープライズ顧客(Applebee’sなど)の投資回収期間は?
A(Elena Gomez):
- Applebee’sはToast史上最大規模のロケーション数(1,500超)。
- 投資回収期間(payback period)は案件ごとに評価。ARPUが大きく、回収期間は中小顧客と同等かそれ以上に優秀。
- エンタープライズ顧客はチャーン率が低いためLTV/CAC比率も良好。
Q:Applebee’s導入理由?
A(Aman Narang):
- ハンドヘルドによる注文・決済の効率化、KDS(キッチンディスプレイ)、エンタープライズ管理ツールなど全方位対応。
- 自社開発システムからToastへの置換が起きており、他の大手チェーンとの商談も加速中。
AIソリューション(suchef・Toast IQ)について(William Blair, Morgan Stanley)
Q:AI導入の進捗とマネタイズの方向性は?
A(Aman Narang):
- suchef=飲食店向けの”Copilot”(チャットUIで分析・設定管理・インサイト提供)。
- Toast IQ=全製品に組み込まれるAIエンジン、既に広告・アップセル・在庫管理で効果。
- まだ初期段階、まずは顧客インパクトを重視、マネタイズは今後段階的に検討。
マクロ環境の影響・新規事業形成(Wolfe Research, Bernstein)
Q:景気悪化リスクに備えたコスト対応?
A(Elena Gomez):
- COVID期を含む過去の対応経験あり。収益に直結しない領域での迅速な支出削減が可能。
- 今のところ消費・営業動向は安定。シナリオごとの準備は整えている。
Q:ハードウェアへの関税の影響は?
A(Elena Gomez):
- 中国依存の軽減などサプライチェーン改革により、追加コストは管理可能な水準。
- 顧客への価格転嫁はバランスを見て慎重に検討。
Toast Capital(融資事業)に関する質疑(Mizuho, Jefferies)
Q:Toast Capitalのデフォルト率は上がっていない?
A(Elena Gomez):
- デフォルト率は想定範囲内で安定。信用力に変調なし。
- オリジネーション(貸付件数)も堅調に拡大中。
Q:Toast CapitalのNet Take Rate上昇要因は?
A(Elena Gomez):
- 価格調整+コスト最適化+製品サーチャージによる複合的な効果。
- 特定の1つの施策ではなく、継続的な改善活動によるもの。
国際展開・新規セグメント(William Blair, Redburn)
Q:国際展開の共通性は?口コミは効いているか?
A(Aman Narang):
- 国際でも「高GPVの業態」にフォーカス、初期導入結果は良好。
- 米国と同様に口コミやネットワーク効果はこれから構築段階。
Q:TopGolfなど新業態進出の意義は?
A(Aman Narang):
- 「飲食+エンタメ+リテール」業態の一体型施設で全体をToastで運用。
- こうした新たな業態(ワイナリー、クラブ等)もターゲットTAMに含め拡張中。
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