スポティファイ(ティッカー:$SPOT)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | €1.33 | €1.01 | 〇 |
売上高 | €3.81B (YoY +20%) | €3.82B | × |
ガイダンス 2024Q3売上高 | €4.0B | €4.365B | × |
業績ハイライト
財務結果
- 第2四半期の総収益は38億ユーロで、前年同期比21%増(為替変動の影響を除く)
- プレミアムARPUは前年同期比10%増(為替変動の影響を除く)
- 広告収益は前年同期比12%増(為替変動の影響を除く)
- グロスマージンは29.2%で、四半期記録を更新
- 営業利益は2億6600万ユーロで、新記録を達成
- フリーキャッシュフローは4億9000万ユーロで、過去最高を記録
ユーザー指標
- 有料サブスクライバーは700万人純増の2億4600万人に到達
- 月間アクティブユーザー(MAU)は予想を下回る結果に
その他のハイライト
- 価格改定を主要市場で実施し、解約率は前回よりも低水準
- オーディオブック、ポッドキャストなどのコンテンツ拡充により、ユーザー価値を向上
- 3四半期連続で黒字化を達成
質疑応答ハイライト
MAU成長に関する質問
- MAU成長の鈍化は、費用削減やマーケットの飽和が原因ではなく、開発途上国市場での獲得戦略の難しさが要因
- 対策として以下の3つを実施:
- マーケティングチャネルの改善(特にパートナーシップ強化)
- 開発途上国市場での獲得最適化
- 製品改善によるエンゲージメント向上
- MAU成長の回復は時間の問題であり、過去にも同様の状況から回復した実績がある
グロスマージン改善に関する質問
- 音楽コンテンツコストの有利性とマーケットプレイスの成長が主な要因
- ポッドキャストの収益性改善も寄与
- バンドル処理の詳細には言及せず、自社の立場に自信を持っていると表明
ポッドキャスティングに関する質問
- 主要ポッドキャスターの非独占化後も、エンゲージメントは健全に推移
- ビデオポッドキャストの導入により、さらにエンゲージメントが向上
- クリエイター獲得戦略は以下の3つ:
- Spotifyプラットフォームに既存のクリエイターの転換
- 他プラットフォームで既にビデオをアップロードしているクリエイターの取り込み
- Spotifyプラットフォームで特に効果的なコンテンツの発掘
広告収益に関する質問
- 広告成長の減速は、有料サブスクリプションの好調さも一因
- プログラマティック広告への投資を継続し、自動化購入を促進
- 上位フェーネルのブランド広告に偏重しており、市場の変動性が高い
- 今後は中小企業向けの需要も取り込む機会がある
音楽業界との関係に関する質問
- レーベルとの関係はゼロサムゲームではなく、Win-Winの関係を追求
- 音楽業界への支払いは年々増加しており、2024年も記録を更新する見込み
- 個別の法的問題についてはコメントを控えるが、自社の立場に自信を持っている
価格改定に関する質問
- 主要3市場での価格改定は予想以上の好結果
- キャンセル率は予想を下回り、今後も注視していく
- 将来の価格改定計画については言及を避けたが、データポイントとして有用と考えている
将来の成長機会に関する質問
- ライフタイムバリュー(LTV)を最適化することが成長戦略の中心
- クリエイターと消費者の交点にある問題解決に注力
- コンサート情報の提供など、Win-Winの取り組みを重視
プレミアムプラン追加に関する質問
- 現行のプレミアムプランに$5程度上乗せした高級版を検討中
- より高品質で柔軟性の高いサービスを提供予定
- 音楽業界全体にとってもポジティブな影響を与えると期待
グロスマージン目標に関する質問
- 予想以上の速さでInvestor Dayでの目標を達成
- monetizationへの注力と効率化が主な要因
- 長期的には30%を超えるグロスマージンを目指す
オーディオブックビジネスに関する質問
- 変動的な消費ベースのコスト構造を採用
- 現時点では投資フェーズであり、利益よりもエンゲージメント向上を重視
- 長期的には40%のマージン目標を維持
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