スーパーマイクロコンピューター(ティッカー:$SMCI)の2026年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $0.35 | $0.39 | × |
| 売上高 | $5.02B (YoY -15.5%) | $5.80B | × |
| ガイダンス 2026Q2EPS | $0.50 ($0.46~$0.54) | $0.62 | × |
| ガイダンス 2026Q2売上高 | $10.5B ($10.0B~$11.0B) | $7.93B | 〇 |
| ガイダンス 通年売上高 | $36.0B | $32.19B | 〇 |
業績ハイライト
売上高・利益・ガイダンス
| 指標 | 実績 (Q1 FY2026) | 前年同期比 | 前四半期比 | ガイダンス (Q2 FY2026) | 通期見通し (FY2026) |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | $5.0B | ▼15% | ▼13% | $10.0B〜$11.0B | $36B以上(上方修正) |
| 非GAAP粗利益率 | 9.5% | – | ▼0.1pt | ▼300bps(約6.5%見込み) | 未開示 |
| 非GAAP営業利益率 | 5.4% | – | ▲0.1pt | – | – |
| 非GAAP EPS | $0.35 | – | ▼ | $0.46〜$0.54 | – |
| 営業キャッシュフロー | ▲$918M | – | ▼(前Q: +$864M) | – | – |
| フリーキャッシュフロー | ▲$950M | – | – | CapEx見通し: $60M〜$80M | – |
❗ ネガティブ: Q1売上はガイダンス($6B〜$7B)を大幅に下回る。営業キャッシュフローがマイナスに転じ、大量の在庫($5.7B)を積み増し。
✅ ポジティブ: Q2以降は過去最大の案件($13B受注)を含め、売上高は倍増予想($10.5B)。通期売上見通しも**$36B以上**に上方修正(前回ガイダンス:$33B以上)。
地域別売上構成・セグメント別分析
| 地域 | 売上構成 (Q1) | 前年同期比 | 前四半期比 |
|---|---|---|---|
| 米国 | 37% | ▼57% | ▼16% |
| アジア | 46% | ▲143% | ▼4% |
| 欧州 | 14% | ▲11% | ▼16% |
| その他 | 3% | ▲56% | ▼48% |
❗ ネガティブ: 米国の売上急減(前年比▲57%)、四半期ベースでも減速。
✅ ポジティブ: アジアの急成長(前年比+143%)、米国顧客によるアジアデータセンター開設が背景。
製品・セグメント別売上構成
| セグメント | 売上高 | 売上構成比 (Q1) | 前四半期比 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| エンタープライズチャネル | $1.5B | 31% | ▼25% | ▼51% |
| OEM/大型データセンター | $3.4B | 68% | ▼6% | ▲25% |
| 5G/Telco/Edge/IoT | 残り1% | – | – | – |
✅ ポジティブ: データセンター/OEM向けの構成比増加、AI需要に牽引される。
AI関連のトレンドと技術展開
- AI GPUプラットフォームがQ1売上の75%以上を占める
- GB300シリーズが$13B以上のバックオーダーを抱える
- 同社32年の歴史で最大の契約を含む
- B300、B200、RTX Pro 6000、V200MVNO4、AMD MI350/355X等を出荷中
- NVIDIA “Volta Lubin” や AMD “Helios” 向けに2026年対応を計画
- エッジAI、産業特化型AI(agentic AI)、推論用途、LLM訓練に注力
データセンターソリューション(DCBBS)
- DCBBS = Data Center Building Block Solutions
- ラック構成、熱交換器、UPS、ソフトウェア、オンサイト導入支援などを含む包括ソリューション
- 製品ライフサイクル短縮(18〜24ヶ月 → 12ヶ月)
- 一部顧客に対し出荷開始。今後多数の導入案件が控える
- 利益率20%以上の事業として成長期待
- 「AIファクトリー」としてのデータセンター設計に不可欠な柱
生産能力とグローバル展開
- 月間6,000ラックの生産体制(内3,000は液冷対応)
- 年間$100B相当の処理能力まで拡張可能
- 主要拠点: 米国(シリコンバレー)、台湾、マレーシア、オランダ、中東(新設予定)
- 北米の新工場も建設中
- 働き手・設備投資が一時的にコスト増に
質疑応答ハイライト
Q1. 収益ガイダンス上方修正の背景は?
Q: 売上見通し上方修正($36B以上)の主因は、チップの供給改善か、市場シェア拡大か?
A(Charles Liang): 両方あるが、特にNVIDIAからの割当増加が大きい。Blackwell製品の需要に応えるべく、大量出荷が12月期から本格化。
Q2. DCBBSの影響と収益性について
Q: DCBBSはいつから業績に本格的に寄与する?顧客の反応と競合状況は?
A(Liang): 一部顧客への出荷は始まっており、20%以上の高利益率事業。導入のメリット(迅速な立ち上げ、効率性、低TCO)が評価されており、今後の成長ドライバー。
Q3. Q1受注の詳細と主要顧客
Q: $13Bの受注はどのような顧客から?構成比は?
A(Weigand): 明言はできないが、「世界有数の顧客」からの大型案件。Q1には10%以上の売上貢献顧客が2社存在。
Q4. 粗利益率の見通しと改善余地
Q: Q2の粗利益率は前四半期比300bps減。今後改善するのか?
A(Weigand): 12月期は大規模案件による初期コスト(設計費、エンジニア派遣、加速出荷対応など)が影響。しかし、以後は規模の経済と効率化で改善を見込む。
Q5. 在庫とキャッシュフローの悪化について
Q: Q1で営業CFがマイナス(▲$918M)になった理由と今後の資金調達見通しは?
A(Weigand):
- 在庫積み増しと売上後ろ倒しが要因。
- ARファシリティ(売掛債権売却)を$1.8B分導入済。必要に応じ他の資金調達も視野。
Q6. バリュエーションに見合う利益成長の実現可能性は?
Q: 売上は増加しているが、**ゼロに近い増分利益(contribution margin)**になっているのでは?
A(Weigand): 大規模案件で一時的に利益が抑制されているが、製品成熟・プロセス最適化が進めば利益は改善。過去のトレンド通り、収益性向上と市場シェア拡大の両立を図る。

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