センチメント指標⑤:X(旧ツイッター)の活用

センチメント指標

「恐怖で買って、強欲で売る」という格言があるように、市場センチメントと株価は密接な関係があります。ここでは私が毎回チェックしている市場センチメント指標についてまとめます。第5回目はX(旧ツイッター)の活用をテーマとします。

結論

  • 投資初心者の行動は相場転換の重要シグナル
  • 逆指標リストを作成し、タイムラインを監視せよ

なぜツイッターなのか?

靴磨きの少年の話にあるように、一般大衆のセンチメントは相場の転換点を見極めるのに非常に有効な視点であることが、歴史からも証明されています。

SNSの中でも、ツイッターには”株クラスター”と呼ばれる個人投資家たちのコミュニティーが存在しており、個人投資家たちが株インフルエンサーたちのコピートレードをしようと群がっています。

もちろん彼らの中には有益な情報を自ら発信している方々も多々いますが、彼らのフォロワーたちは感想や妄想を垂れ流しているだけのただの一般人です。(インフルエンサー自体もそんなレベルの人達ばかりな気がしますが…)

注目すべきはインフルエンサー達ではなく、大部分の一般人で、その中でも投資初心者たちは重要な相場転換のシグナルを発信してくれます。

注目すべきシグナル

初心者たちが発する以下のようなシグナルに注目することが有効です。

  1. 含み益自慢
    タイムラインが投資初心者の含み益自慢で溢れ始めたら、それは相場の天井を示している可能性があります。基本的に金融リテラシーの低い投資初心者は、周囲の人々が儲かり始めるまで株式投資に興味を示しません。彼らが本格的に参入してくるタイミングでは、既に市場がピークに達している可能性が高いです。
  2. タイムラインの静けさ
    タイムラインが静まり返っていたら、それは下落相場の底を示している可能性があります。これは、市場が本格的な下落になったとき、多くの個人投資家たちは含み損に耐えられず相場から退場してしまうため、タイムラインも静かになるからです。損切りや含み損に関するツイートを喜んで行う人はおらず、ほとんどの場合静かに消えていきます。このような状況になれば、売り圧力がなくなるため、市場は底を打って上昇に転じる可能性が高いです。
  3. フォロワー同士の励まし合い
    タイムラインの中でフォロワー同士が励まし合ったり、”ガチホ”や”握力”といった言葉が出ていないか注目してください。彼らは自分自身の明確な投資指針を持っていないので、含み損を抱えた時に不安を感じ、他の個人投資家と共感することで安心感を得ようとします。しかし、これは初心者が陥りがちなトラップで、含み損を抱えた買いポジションは将来の売り圧力でしかありません。その共感者が多ければ多いほど下落相場は続きます。株式市場において、多数派はなのです。

実際どのように使えばよいのか?

投資初心者を見つけ、逆指標として使ってください。具体的には、以下のような手順となります。

  1. 有名株インフルエンサーのフォロワーを確認する
    初心者が好きそうな情報を発信している人がベストです。”〇〇だけ買っておけばオッケー”、”〇〇必勝法”など、見るからに怪しい内容を発信している人がいれば最高です
  2. そのフォロワーの中から、人の意見に流されやすそうな初心者をリストアップする
    ※特に、レバレッジETFを買っている、仕手株(特に日本の小型株)をつついている、怪しい情報商材を買っているなど、おいしい話に騙されやすそうな初心者は優先的に確認しておく
  3. リスト機能で1つにまとめ、定期的にモニタリングする
    私は感謝の意を込めて、お客様リストと命名しています。上記で触れたようなシグナルに注目してください。

まとめ

X(旧ツイッター)は、市場センチメントの変化を捉えるための非常に有効なツールです。特に、投資初心者の行動や反応は、市場の転換点を見極めるための重要なシグナルを提供してくれます。彼らの行動を逆指標として活用していきましょう。

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