「恐怖で買って、強欲で売る」という格言があるように、市場センチメントと株価は密接な関係があります。ここでは私が毎回チェックしている市場センチメント指標についてまとめます。第3回目はNAAIM Exposure Indexをテーマとします。
結論
- 機関投資家のリスク選好度を確認する手段として有効
- 順張りを基本戦略とする
- 個人投資家と方向性が一致し始めた場合は利食いや逆張りを検討する
NAAIM Exposure Indexとは何か
NAAIM(National Association of Active Investment Managers)は、全米アクティブ投資家協会の略語で、NAAIM Exposure Indexはその会員、すなわち機関投資家たちの株式エクスポージャー(持ち高)を報告した数値です。具体的には、毎週水曜日に市場が閉じた時点での、彼らの全体的な株式へのエクスポージャーを示す数値を提供してもらい、それらの数値を集計し平均を取ることで算出されます。
構成要素
具体的には、NAAIMの会員メンバーたちから、以下の5つの範囲で回答を受け取ります:
- -200%:レバレッジショート
- -100%:フルショート
- 0%:100%キャッシュまたはヘッジによりニュートラル
- +100%:フルロング
- +200%: レバレッジロング
これらの回答は平均化されてNAAIM会員全体の平均的なロングまたはショートポジションを示します。
NAAIM Exposure Indexと株価の相関について
一般に以下のように解釈されます。
指標の解釈
- +50%以下(悲観的): 機関投資家たちは市場に対して悲観的であり、リスクを回避する傾向にあることを示します。市場が下落するか、大きな変動が予想される場合にこの範囲の数値が観察されることがあります。
- +50%~100%(中立から楽観的): 機関投資家たちの市場見通しが分かれている状態で、市場の動きが不透明または潜在的な成長を示唆していることを意味します。リスクを取りつつも、保守的なポジションを維持している可能性があります。
- +100%以上(楽観的): 機関投資家たちは市場に強い自信を持っており、積極的に市場に投資している状態を示します。市場が好調で、上昇トレンドにあると判断される場合にこのような数値が見られます。
投資戦略
一般論
株式投資の判断材料として使用する際、一般的には以下のようなイメージで使われます。
- 0〜50%: 株の購入機会を探るよりも、慎重なポジション取りや利益確定を考える
- 50〜100%: 選択的に購入するか、または一部のポジションを維持しつつリスク管理を強化する
- 100〜150%: 市場の強気な動きに合わせて株を購入するが、市場の過熱感を注意深く監視する
- 150%以上: 利益確定やリスク管理の観点からポジションの調整を検討する
私の戦略
NAAIM指数は機関投資家のリスク選好度を示す指標という点で、重要度は高いです。「靴磨きの少年」の話にあるように、最後に株を売買するのは最も金融リテラシーの低い個人投資家(特に投資を始めたばかりの一般人など)であるため、彼らが動き出す前にトレンドに逆らうのは馬鹿げています。よって、一般論にあるように、機関投資家に順張りというのが基本戦略となるでしょう。
一方で、個人投資家の方向性が一致した場合は注意が必要です。そのような状況になった場合、真っ先に動き出すのは機関投資家です。個人は強気、機関は弱気といったポジショニングになった場合、逆張りを検討するか、素早く機関投資家に追随し、相場の転換点を見落とさないようにしましょう。
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