「恐怖で買って、強欲で売る」という格言があるように、市場センチメントと株価は密接な関係があります。ここでは私が毎回チェックしている市場センチメント指標についてまとめます。第2回目はFear & Greed Indexをテーマとします。
結論
- VIXよりも広い範囲をカバーしているという点で有効
- 根拠のない先回りはNG
- 段階的にエントリーするか、バイクラ or セリクラを待つ
Fear & Greed Indexとは何か
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
CNN’s Fear & Greed Index is a way to gauge stock market movements and whether stocks are fairly priced. The index uses s...
「Fear & Greed Index(恐怖と欲望指数)」は、市場の感情を測定するために使用される指標の一つです。この指数は、投資家の感情が株式市場に与える影響を示すもので、主に「恐怖」と「欲望」の二つの極端な感情状態を表します。これはCNN Moneyによって開発されたもので、さまざまな市場データから算出されます。
構成要素
計算式は公開されていませんが、以下7つの要素を同じ重み付けにして算出していると言われています。
- 市場ボラティリティ(VIX):VIX指数の現在値と過去の平均値
- 市場運用率:株式市場の上昇または下降の割合。
- 株価強度:NYSEで取引される株式の52週高値に達する割合。
- 株価幅:株式市場の上昇幅と下落幅。
- 安全資産への投資:株式と比較して低リスクと見なされる資産(例:国債)への投資量
- ジャンク債券の需要:ジャンク債券のスプレッド
- 市場の動きに対する投資家の行動:プットオプションとコールオプションの比率
Fear & Greed Indexと株価の相関について
Fear & Greed Indexは、市場の感情が株価に与える影響を示す一つの方法です。市場センチメントを0から100のスケールで示しますが、このスコアを通常は5つの異なるレベルに分類して解釈します。
指標の解釈
- Extreme Fear(0-24): 市場参加者が非常に不安または恐怖を感じている状態を示します。これは、株式市場が大幅に下落する可能性がある時、または既に大きな下落が発生している時に見られます。投資家はリスクを避け、安全な資産へと資金を移動させる傾向があります。このレベルは、過小評価された投資機会が存在する可能性が高い時期とも考えられます。
- Fear(25-44): 市場参加者が慎重または恐怖を感じている状態ですが、極端な恐怖ほどではありません。市場の不確実性や潜在的なリスクに対する懸念が高まっています。投資家はより防御的な投資戦略を取りがちで、株式市場の成長に対する信頼が低下しています。
- Neutral(45-54): 市場のセンチメントが平衡状態にあることを示します。投資家は楽観的でも悲観的でもなく、市場に対する一般的な見方はバランスが取れています。この状態では、市場は方向性を見いだそうとしている可能性があり、大きな動きには至っていないことが多いです。
- Greed(55-74): 市場参加者が楽観的で、リスクを取る意欲が高まっている状態です。株式市場に対する信頼が高く、投資家は成長機会を追求しています。このレベルでは、市場が過熱している可能性があり、価格が実際の価値を上回っている場合があります。
- Extreme Greed(75-100): 市場が非常に楽観的で、貪欲な状態にあることを示します。投資家は過剰なリスクを取り、株式価格が過大評価されている可能性が高いにも関わらず、さらなる市場の上昇を期待しています。このレベルはしばしば市場のトップやバブルの前触れと見なされ、将来的な市場の修正や下落のリスクが高まっています。
投資戦略
一般論
株式投資の判断材料として使用する際、一般的には以下のようなイメージで使われます。
- 恐怖時の戦略(買い):指数が恐怖を示しているとき(低いスコア)、市場が過度に悲観的になっている可能性があります。この時期には株価が低下している可能性が高いため、割安となった質の高い株式を購入するチャンスと見なすことができます。
- 欲望時の戦略(売り):指数が欲望を示しているとき(高いスコア)、市場が過度に楽観的になっている可能性があります。この時期には株価が高騰している可能性が高いため、高値で保有株を売却する良い機会となるかもしれません。
私の戦略
VIX単体よりも広い範囲をカバーしているという点で、より重視して見ています。一方で、本格的なブル相場やベア相場では、センチメントが傾いた状態が数か月にもわたることがあるので、やはりこれも根拠のない先回りはNGです。段階的にポジションを取るか、センチメントが極端に振り切れてから(セリング or バイイング クライマックス)を確認してからのエントリーが好ましいと考えます。
- 恐怖センチメントに振り切れたら(10↓)、フルポジでリスク資産を買う
- 極度の恐怖センチメント(25↓)になり始めたら、段階的にリスク資産を買う
- 中立センチメント(45-54)では、何もしない
- 極度の強欲センチメント(75↑)になり始めたら、短期ポジの利食いを検討し始める
- 強欲センチメントに振り切れたら(90↑)、短期ポジを利食いし、指数ショートも検討する
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