スターバックス(ティッカー:$SUBX)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $0.50 | $0.65 | × |
| 売上高 | $9.46B (YoY +4.0%) | $9.31B | 〇 |
業績ハイライト
四半期業績概要
| 項目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 95億ドル | +3% |
| EPS | $0.50 | ▲45% |
| 営業利益率 | 10.1% | ▲650bps |
| グローバル既存店売上 | ▲2% | – |
| グローバル純新規出店 | +308店舗 | +4%(前年比) |
- 北米では米国既存店売上▲2%、カナダは2期連続のプラス成長。
- 国際事業は初めて四半期売上20億ドル超。中国は3四半期連続の増収・既存店売上プラス転換(取引数+6%)。
- EPS減少は人件費増(Green Apronサービス)とLeadership Experience 2025投資が主因。
経営陣コメント(CEO Brian Niccol)
- 「Back to Starbucks」計画に基づき、オペレーション基盤の再構築と店舗文化改革を加速。
- Green Apron Serviceの全米展開を予定より前倒しで開始、サービス品質の標準化と効率化を狙う。
- モバイル注文・ドライブスルーのスピード改善(ドライブスルー平均3分20秒)。
- コーヒーハウス改装(1店舗あたり15万ドル投資)を2026年末までに1,000店舗規模で実施。
- モバイルオーダー専用店舗は2026年に撤退予定。
ガイダンス・見通し
- 2025年通期公式ガイダンスは未開示だが、Q4も米国既存店売上の不透明感を強調。
- 2026年に向けて
- Green Apronサービスの全面展開
- Rewardsプログラム刷新
- プロテインコールドフォームや新ダークローストなど商品革新
- 新型店舗プロトタイプ(建設コスト30%削減)導入
- 2026年Q2に投資家向け説明会開催予定。
質疑応答ハイライト
Q1. 億の労働投資とコスト削減のバランス
Q(Baird): $5億の労働投資に対して、どの程度コスト削減でオフセット可能か?
A(CFO Smith):
- Green Apronサービスは基盤投資で必須。
- P&L全体(原価、OPEX、G&A)で効率化を進める。
- 正確なオフセット額は未公表だが、2026-28年にかけて持続的な効率改善を実施。
Q2. マージン回復の道筋
Q(Evercore): 2019年の営業利益率(全社17%、米州20%超)まで戻せるか?
A(Smith):
- 2019年水準は良いベンチマーク。
- まずトップライン成長を優先、そこから健全なコスト構造を整備。
- 2026年投資家向け説明会で長期収益計画を提示予定。
Q3. Green Apronサービスの展開スピードと投資内容
Q(Morgan Stanley): 全面展開のスケジュールと投資額の内訳は?
A(Niccol):
- 8月中旬から全米展開開始、順次全店舗に導入。
- アシスタントマネージャー配置も含め、社内昇進機会を拡大。
Q4. 取引数改善の要因とマーケティング効果
Q(BofA): 取引数改善はオペレーションかマーケティングの効果か?
A(Niccol):
- オペレーション改善(5 Key Moments、スピード目標設定)とマーケティング双方が寄与。
- 非リワード会員の取引数がパンデミック後初めて前年比プラスに転じた。
Q5. Rewardsプログラムの再設計
Q(Deutsche Bank): 新Rewardsプログラムの改善点は?
A(Niccol):
- 現状は一律割引プログラム化している。
- 新プログラムでは利用頻度に応じた認知・特典を強化。
Q6. 商品革新とオペレーション効率の両立
Q(J.P. Morgan): 多様な新商品の導入でスピード・精度が落ちないか?
A(Niccol):
- 4分以内提供を必須条件としてイノベーションを開発。
- 「Starting 5」アプローチでバリスタと共同開発し、現場で実行可能なプロセスにする。
Q7. 中国戦略的パートナーの狙い
Q(Stifel): 中国でパートナーを探す目的は?
A(Niccol):
- 資本ではなく、現地運営ノウハウとブランド成長を共に担えるパートナーが目的。
- 既に20社以上が関心表明、持分は維持予定。
Q8. 価格戦略とバリュー認識
Q(Citi): 新商品の価格設計と将来の値上げ方針は?
A(Niccol):
- ブランド価値を重視したプレミアム体験を維持。
- 値上げは最後の手段として最小限に実施。

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