ピンタレスト(ティッカー:$PINS)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.20 | $0.13 | 〇 |
売上高 | $740M (YoY +22.8%) | $700M | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $842.5M ($835M~$850M) | $827M | 〇 |
業績ハイライト
ユーザー数と収益が大幅に伸びる
- 月間アクティブユーザー数(MAU)が5億1,800万人に到達し、過去最高を記録(前年同期比12%増)
- 第1四半期の売上高は7億4,000万ドルで前年同期比23%増加し、2021年以来の高い成長率
- 第1四半期の調整後EBITDAは1億1,300万ドル(15%のマージン)で、前年同期から1,100ベーシスポイントの大幅な改善
AIやキュレーションの改善がユーザー成長を加速
- AIの活用により、コンテンツのパーソナライズとレコメンデーションを改善
- コラージュ機能などのキュレーションツールの拡充で、ユーザーのエンゲージメントが向上
- ショッパブルコンテンツの統合により、ユーザーがPinterest上でアクションを起こしやすい環境を整備
- 包括的なデザインで多様性を尊重する方針が若年層に好評で、Z世代が最大かつ最速で成長中のユーザー層に
広告主向け新機能の導入で収益が加速
- ダイレクトリンク、API for conversions、クリーンルームなどの導入で広告主のROIが大幅に改善
- 97%のロワーファネル収益がダイレクトリンクを採用、API for conversionsは売上の40%をカバー
- 自動入札やターゲティングの改善など、広告キャンペーンの自動化ツールの導入も進む
- 第三者の広告需要のテスト的な導入も第1四半期の成長に寄与
2024年第2四半期の見通し
- 売上高は8億3,500万ドル~8億5,000万ドル(前年同期比18~20%増)を見込む
- ダイレクトリンクの価値を引き出すこと、第三者の広告需要の拡大などが成長のドライバーに
- R&Dへの投資により、非GAAPベースの営業費用は前年同期比11~15%増加の見込み
質疑応答ハイライト
第1四半期の業績が予想を上回った理由
- 月間アクティブユーザー数と1人あたりのエンゲージメントの成長が加速し、過去最高の製品市場適合度を達成
- ショッピング広告やダイレクトリンクによるロワーファネルでの強みにより、広告主から予算をシフトされつつある
- 第三者の広告パートナーシップも第1四半期の成長に寄与し始めている
中長期の競争優位性
- ユーザーにとって他のソーシャルメディアとは異なるユニークな価値を提供している
- 大規模な人的キュレーションから得られる独自のシグナルをAIで活用することで、他社にはない優位性を発揮できる
- 広告主に対しても、初期段階の発見から購入まで、ソーシャルメディアと検索の中間に位置する独特の価値を提供
- コラージュのようなAIを活用した新機能で、ユーザーから多様で詳細なシグナルを収集する好循環が生まれている
ロワーファネルでの進捗と今後の見通し
- ダイレクトリンクは既にロワーファネル収益の97%に採用され、API for conversionsは売上の40%をカバー
- 大手で洗練された広告主から予算がシフトし始めており、パフォーマンス予算での存在感も高まっている
- 中小の広告主への浸透にはまだ時間を要するが、プライバシーに配慮した計測の導入が進めばさらなる拡大の余地がある
- ダイナミッククリエイティブ最適化やROAS入札など、自動化ツールの拡充も今後の成長を後押しする
第三者の広告パートナーシップの進捗と今後の展開
- 現在の提携先はAmazon Adsと一部地域でのGoogle Ads
- 既存パートナーとの連携を深め、提携地域を拡大していく
- 今後も、オークションのギャップを埋め、ユーザーにとっての関連性とショッパビリティを高める観点から、パートナー拡大を検討
- 現時点での収益貢献度は限定的だが、今後の成長の土台になると考えている
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