Pinterest(ティッカー:$PINS)の2023年第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.53 (YoY +82.8%) | $0.51 | 〇 |
売上高 | $981M (YoY +11.8%) | $990M | × |
ガイダンス 2024Q1売上高 | $697.5M ($690~$705M) | $702.36M | × |
業績ハイライト
ユーザー数と利用状況が大幅に改善
- グローバルのMAUが4億9800万人に到達し、前年同期比11%増加。2021年Q1以来の最高の伸び率を記録
- 四半期ごとにすべての地域でMAUが増加
- ユーザーエンゲージメントが深化。直近のユーザーコホートは過去のコホートより大幅にエンゲージメント率が高い
広告収入が加速、需要も高まる
- 第4四半期の売上高は9億8100万ドルで12%増加し、2023年下半期は2桁成長を継続
- 小売業界からの需要が特に強く、ショッピング広告フォーマットが好調
- 下部ファネルの広告ソリューションの採用が進み、大口の広告主がPinterestにパフォーマンス予算をシフト
運用効率化と規律あるコスト管理で利益率が大幅改善
- 売上高と利用状況が伸びる一方で、営業費用は前年比で減少
- 第4四半期の調整後EBITDAは3億6500万ドルで過去最高を記録。EBITDAマージンは前年同期から1400ベーシスポイント拡大の37%に
- 2023年通期の調整後EBITDAマージンは22%で、660ベーシスポイントの改善。当初目標の200ベーシスポイントを大幅に上回る
質疑応答ハイライト
広告市場の見通しとPinterestの優位性
- 広告市場全体は安定~改善傾向にある。パフォーマンス重視の流れの中でPinterestは優位
- 大手広告主がPinterestにパフォーマンス予算を割り当て始めている。広告主へのクリック数が前年比2倍に
- 食品・飲料カテゴリーの落ち込みはQ4に若干のマイナス影響。Q1も継続の見込みだが大きな影響はない
Google提携の意義と国際展開
- 米国外のARPUが大幅に低い状況で、3rdパーティ提携やリセラー等も活用し改善を図る
- Google提携は未モネタイズ・低モネタイズ市場のARPU向上に寄与する見込み
- Amazon提携は引き続き順調に進捗。一部の海外市場でも展開の可能性
Q1ガイダンスの背景とドライバー
- 下部ファネル広告プロダクトの導入が進み、パフォーマンスが改善。大手広告主の支出拡大が続く
- Direct Link活用で広告主へのクリック数が倍増。効果は2024年以降に本格化する見込み
- 3rdパーティ広告需要も新たな成長ドライバーに。Q1から売上貢復旧に貢献し始める
- イースターのタイミングやうるう日の影響は小さい。主因は小売の力強さと3rdパーティ需要
MAU加速の背景とユーザーエンゲージメント
- Z世代が最大かつ最速で成長するデモグラフィックに。Pinterest をポジティブな場と評価
- 米国・カナダは成熟市場だが、エンゲージメントの深化が進む。海外はモネタイズの余地大
- MAUの伸びに加え、モバイルアプリのMAUやインプレッション総数の伸びがさらに加速
- 新規ユーザーの獲得とともに、既存ユーザーの利用頻度向上の両面で改善が進む
インプレッション急増とマネタイズの展望
- パフォーマンス改善によって広告主への価値は増大。マネタイズにはタイムラグがつきもの
- 広告主がROI改善を自社の指標で確認し予算配分に反映させるまでにはさらに時間がかかる
- プライバシーに配慮した測定ソリューションの導入を進め、パフォーマンスの可視化を促進
- APIでコンバージョン測定できる広告主は30%成長。ツール活用を進めマネタイズ拡大を目指す
レコメンデーションとパーソナライゼーションの進化
- ユーザーキュレーションを通じた一意のシグナルがPinterestのAIモデルを強化
- 大規模言語モデルへの移行で、レコメンデーションの関連性が約10%改善
- ユーザーのキュレーションとレコメンデーションの好循環が加速し、エンゲージメント向上へ
- ショッピング機能の強化で、ユーザーの商業的意図の発現とアクション増加を推進
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