ファイザー(ティッカー:$PFE)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.82 | $0.51 | 〇 |
売上高 | $14.9B (YoY -19.5%) | $13.92B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $2.25 ($2.15~$2.35) | $2.21 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $60.0B ($58.5B~$61.5B) | $59.94B | 〇 |
業績ハイライト
2024年第1四半期の業績ハイライト
- 売上高は149億ドル、前年同期比で19%の事業ベースの減少
- COVID関連製品を除くと、事業ベースで11%の売上高成長
- 調整後の希薄化後EPS(1株当たり利益)は0.82ドルで、予想を上回る
- オンコロジー事業の売上高は前年同期比で19%の事業ベースの成長
- キャッシュフロー創出と収益性の改善に注力
主要な進捗と見通し
- RSウイルスワクチンAbrysvoの18〜59歳への適応拡大の可能性
- 血友病遺伝子治療Hemgenixが米国FDAの承認を取得
- 鎌状赤血球症治療薬Oxbrytaの第3相試験を開始
- ザイティガとイブランスの特許期間延長の見通し
- 費用管理と事業の基盤強化により、2024年の業績見通しを上方修正
資本配分とバランスシートの管理
- 四半期配当として24億ドルを株主に還元
- 社内研究開発に25億ドルを投資
- レバレッジ比率の目標値3.25倍の達成に向けて、負債の返済を実施中
- Haleon社の株式を一部売却し、35億ドルを資金化
質疑応答ハイライト
RSウイルスワクチンAbrysvoの売上と競合の見通し
- 第1四半期の売上は季節性の影響を受けて前期比で減少したが、計画通りの進捗
- 小売薬局チャネルでの契約を進めており、非小売チャネルでの強みを発揮
- 18〜59歳への適応拡大と2シーズン目のデータにより、秋冬シーズンでのポジションは良好
- 欧州や日本などでも承認を取得し、各国の予防接種プログラムへの組み入れを進めている
- 乳児のRSウイルス感染による入院の50%は生後3ヶ月以内に発生しており、母体免疫によりアドレス可能
Part Dの制度変更による2025年への影響見通し
- ワクチンのコストシェアリングが無くなることはプラスの影響
- 自己負担上限額の変更は処方量の増加に寄与する可能性
- プランと製薬会社、政府、患者間でのコスト分担の変更の影響は不透明
- 現時点では制度変更の影響額は未公表だが、引き続き注視する
ザイティガとイブランスの特許期間延長の見通し
- ザイティガとイブランスは現在、米国で2023年末まで特許期間があるが、2028年12月まで延長申請中
- 追加的な特許期間の延長申請の可能性もあるが、いずれも2028年12月までの延長
- 欧州主要国では2026年11月まで特許期間があり、日本では2026年までだが、心筋症については2029年3月まで再審査期間がある
Seagen社との統合によるシナジー創出の見通し
- 研究開発と営業部門でのシームレスな統合により、シナジー効果は早期に発現の兆し
- パドセブの販売データは力強く、302試験の結果を受けてさらなる成長を見込む
- シージェン社由来の新薬候補の第3相試験を開始するなど、パイプラインも着実に進捗
- がん領域のリーダーを目指す戦略の下、シージェン社の買収を梃子に患者価値の最大化を図る
ニューメクタとオキスブルチニブの進捗
- ニューメクタは新規患者数が前期比33%増加し、需要は堅調に推移
- 診断率は30〜50%まで上昇しているものの、依然として機会は大きい
- 市場シェアは49%でクラス内でリードしており、新規処方シェアも前期比で上昇
- オキスブルチニブは重点成長領域からは外れたが、第3相試験を着実に進めており楽観的
- 次世代のCDK4阻害剤として有望視しており、複数の適応症で開発を加速する方針
肥満症治療薬の開発方針
- 代謝領域は従来からの強みの1つであり、肥満症は大きな機会と捉えている
- 現在3つの治療薬を臨床試験中であり、さらに複数のプロジェクトが前臨床段階にある
- 新規作用機序の治療薬にも取り組んでおり、既存薬と併せて肥満症領域でのプレゼンス拡大を目指す
- ダヌグリプロンのデータを待っており、その結果次第で開発方針を決定する
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