オラクル(ティッカー:$ORCL)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.39 | $1.33 | 〇 |
売上高 | $13.3B (YoY +6.8%) | $13.24B | 〇 |
業績ハイライト
第1四半期の業績概要
- 総収益は133億ドルで、前年同期比8%増
- クラウド収益(SaaSとIaaS)は56億ドルで、22%増
- IaaS収益は22億ドルで、46%増
- 戦略的バックオフィスSaaSアプリケーションの年間収益は82億ドルで、18%増
- インフラストラクチャクラウドサービスの年間収益は86億ドルで、OCI消費収益は56%増
- クラウドデータベースサービスは23%増で、年間収益は21億ドル
利益と資金
- 営業利益は14%増
- 営業マージンは43%
- 非GAAPベースのEPSは1.39ドルで、17%増(米ドルベース)
- 営業キャッシュフローは74億ドル、フリーキャッシュフローは51億ドル
その他のハイライト
- 残存履行義務(RPO)は990億ドルで、52%増
- クラウドRPOは80%以上増加し、総RPOの約4分の3を占める
- 85のクラウドリージョンが稼働中、さらに77のリージョンを計画中
質疑応答ハイライト
マージンと利益に関する質問
- OCI(Oracle Cloud Infrastructure)の成長が継続し、データベースビジネスも拡大中
- クラウドのグロスマージンが上昇傾向にある
- 自律型データベースの導入により、効率性が向上し、セキュリティも強化
- SaaSビジネスも高マージンを維持し、さらに改善
- 全体的なマージンと利益率は、規模の拡大とともに向上する見込み
AI訓練とインファレンスの市場動向
- AI訓練フェーズは長期的に継続する見込み
- フロンティアモデルの開発には今後4-5年で約1000億ドルの投資が必要
- 特殊化されたAIモデル(医療診断など)の需要も増加
- インフラ投資は大規模化し、ギガワット規模のデータセンターも計画中
データベース移行とクラウド戦略
- AWS、Microsoft Azure、Google Cloudとのパートナーシップにより、Oracleデータベースの利用が容易に
- パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方でOracleデータベースを提供
- プライベートクラウドの需要も高く、多くの企業が採用する見込み
- データセンターの自動化により、効率的な展開と管理が可能に
アプリケーションにおけるAIの活用
- 医療分野でのAI活用が進展(画像診断、電子健康記録の要約、医師の業務支援など)
- AIは個別の製品ではなく、アプリケーション全体に組み込まれる形で提供
- ユーザーインターフェースの改善やセキュリティ強化にもAIが活用される
セキュリティ強化とOCIの競争力
- これらの技術革新がOCIの大規模契約獲得に寄与
- パスワードに代わる生体認証システムの導入
- Zero Trust Packet Routingなどの新技術によるネットワークセキュリティの強化
- 自動化によるヒューマンエラーの排除
- AIを活用したコード生成によるセキュリティ脆弱性の減少
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