サービスナウ(ティッカー:$NOW)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
- 決算概要
- 業績ハイライト
- 質疑応答ハイライト
- エージェンティックAIと導入支援(Goldman Sachs Kash Rangan)
- AI ACV進捗と販売組織の変化(Jefferies Samad Samana)
- 政府案件とQ4見通し(Jefferies追記)
- 需要動向・AIトークン消費(Wolfe Research)
- Now Assistの消費動向と業種別傾向(Citi)
- AI Control Towerの展開ステージ(AllianceBernstein)
- Now Assistの価格モデルとロールアウト(BofA)
- 業種別ワークフローと深耕(Evercore)
- Moveworks買収と期待(William Blair)
- Security & Risk事業とマージン見通し(BMO)
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $4.82 | $4.27 | 〇 |
| 売上高 | $3.41B (YoY +21.8%) | $3.36B | 〇 |
業績ハイライト
売上・成長率
| 指標 | 実績 (Q3 2025) | 前年同期比 | ガイダンス差分 |
|---|---|---|---|
| サブスクリプション売上 | $3.299B | +20.5%(恒常為替ベース) | ガイダンス上限より+100bps |
| RPO(残存パフォーマンス義務) | $24.3B | +23%(恒常為替) | — |
| cRPO(当期分RPO) | $11.35B | +20.5%(恒常為替) | ガイダンスを+250bps上回る |
| 更新率 | 97%(大規模政府顧客除外で98%) | — | — |
| $5M超顧客数 | 553社 | — | — |
| $50M超顧客数 | 前年比20%以上増加 | — | — |
産業別成長率(net new ACVベース)
| 業種 | 成長率 |
|---|---|
| 運輸・物流 | +90%以上 |
| 小売・ホスピタリティ・教育 | +50%以上 |
| エネルギー・ユーティリティ | 健全な需要継続 |
| 政府(主に米国連邦) | +30%以上 |
収益性・キャッシュフロー
| 指標 | 実績 (Q3 2025) | 前年同期比 | ガイダンス差分 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率(Non-GAAP) | 33.5% | — | ガイダンスより+300bps |
| フリーキャッシュフロー率 | 17.5% | +50bps | — |
| キャッシュ&投資残高 | $9.7B | — | — |
| 自社株買い | 644,000株(前四半期比+70%) | — | — |
| 残存買戻し承認枠 | $2B | — | — |
主要ディールとプロダクト別状況
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| $1M超の新規ACV契約数 | 103件(内3件は$20M超) |
| AI関連(Now Assist)$1M超契約 | 12件(内1件は$10M超) |
| Now Assistの年間ACV見込み | $500M超(目標より前倒し) |
| AI製品の2026年目標 | $1B超のACV達成見通し |
| Security & Risk関連 | $1B ACVを突破(5つ目の1Bカテゴリ) |
| Pro/Pro+製品のアタッチ率 | 増加傾向(明言あり) |
| CRM(CPQ含む) | 売上拡大の牽引要素、複数の$1M超案件あり |
| Technology Workflows | $1M超契約50件、内6件は$5M超 |
業績見通し(ガイダンス)
通期 2025年(上方修正)
| 指標 | 新ガイダンス | 前回からの変化 |
|---|---|---|
| サブスクリプション売上 | $12.835B〜$12.845B(+20.5%) | +$55M(中央値) |
| 営業利益率(Non-GAAP) | 31.0% | +50bps |
| フリーキャッシュフロー率 | 34.0% | +200bps |
| サブスクリプション粗利益率 | 83.5%(維持) | — |
| 希薄化後発行済株数 | 2.1億株 | — |
Q4 2025
| 指標 | ガイダンス | 備考 |
|---|---|---|
| サブスクリプション売上 | $3.42B〜$3.43B | +19.5%(恒常為替17.5〜18%) |
| cRPO成長率 | +23%(恒常為替19%) | — |
| 営業利益率 | 30% | — |
| 発行済株式数(GAAPベース) | 2.1億株 | — |
※注意点:
米国政府のシャットダウンの影響によるQ4の公共部門取引の遅延リスクをガイダンスに織り込み済み。
質疑応答ハイライト
エージェンティックAIと導入支援(Goldman Sachs Kash Rangan)
Q: エージェンティックAIの導入にはSIや前方展開エンジニアが鍵では?
A(McDermott): POC(Proof of Concept)や「おもちゃ的なAI」は淘汰されつつある。ServiceNowは実稼働まで数週間で到達可能。Nemotronを活用した低コスト・高性能AIスタックを構築済。
補足(Zavery):
100以上の事前構築されたエージェンティックワークフローを提供。特別なSIに頼らずとも即展開可能。FDモデル(前方展開AI専門エンジニア)を強化。
AI ACV進捗と販売組織の変化(Jefferies Samad Samana)
Q: Now Assistが$500M ACVに到達。販売が広範化してきている?
A(McDermott): 完全にYes。Pro/Pro+の販売が標準化され、社内でもAIを活用した学習と実践を徹底。カスタマーの55倍のアシスト利用増加は将来の収益の土台。
補足(Zavery): 全社員がAIブラックベルト認定を目指し、インフラとして社内導入を推進。
政府案件とQ4見通し(Jefferies追記)
Q: Q4での政府取引のリスクとは?
A(Gina): Q3はNet New ACVで+30%超の成長。Q4は政府シャットダウンの影響によるタイミングズレを考慮してガイダンスを調整。
需要動向・AIトークン消費(Wolfe Research)
Q: AIの消費・ブッキングのリニアリティは?
A(McDermott): 需要は「過去最高レベル」。Forumへの参加過多(例:日本では6,000人収容の会場に6,500人殺到)などブランドの突き抜け感が顕著。
Q: Renewal Cohortに関して?
A(Gina): Q3でQ4の更新を前倒し処理し、Q4の成長足場に。Plus製品のアタッチ率も上昇中。
Now Assistの消費動向と業種別傾向(Citi)
Q: 消費増加の要因と業種別での傾向?
A(Zavery): エージェンティックワークフローの利用により消費が10倍〜12倍に跳ね上がる。Incident管理やカスタマーサービス系に適用が拡大。
補足(McDermott):
- Lenovo:ケース解決35%高速化、顧客満足100%
- Bell:3M件のサポートコール削減
- Griffith Univ:87%のセルフサービス率向上
Q: $500Mの内訳は?
A(Gina): ほぼ全てサブスクリプションベース。消費(トークン)分は今後2026年に向けて収益に貢献。
AI Control Towerの展開ステージ(AllianceBernstein)
Q: AI Control Towerは成熟顧客向けか初期導入段階でも採用されるか?
A(Zavery): 導入初期段階から高い関心。既にControl Tower利用顧客数はQ/Qで4倍に拡大。
補足(McDermott):
- AstraZenecaは全社導入し、製品開発スピードを加速
- 特に欧州・アジアでは「倫理性・コンプライアンス・セキュリティ」が差別化要因に。
Now Assistの価格モデルとロールアウト(BofA)
Q: ハイブリッド型(定額+従量)モデルの反応は?
A(Zavery): 非常に好評で、予測可能性と柔軟性の両立が支持されている。モデル変更が導入促進に貢献。
業種別ワークフローと深耕(Evercore)
Q: 垂直統合ワークフローは重要?
A(McDermott): CEOは業界知識と目的に沿った具体的なソリューションを強く求める。業界別カバレッジ体制も整備済。
補足(Zavery): 業界別データモデル、テンプレート、事前構築済のエージェンティックフローを提供中(例:Ulta Beauty、製造業、金融など)
Moveworks買収と期待(William Blair)
Q: Moveworks買収状況と期待値は?
A(Gina): Q4末までの完了を見込む。現在の成功は自社AIのみで達成しており、Moveworks統合で更に加速予定。
Security & Risk事業とマージン見通し(BMO)
Q: セキュリティ事業はAIの恩恵を受けて加速しているか?
A(Zavery): はい。AI導入によりセキュリティ・リスクマネジメント需要が大幅に増加。AI Control Towerがドライバー。
Q: 2026年のマージン目標(+100bps営業利益率)は維持される?
A(Gina): 現段階で更新せず。Q3実績で大きくレバレッジ拡大中。必要に応じて成長投資を優先しつつ、長期的には拡張可能。

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