クラウドフレア(ティッカー:$NET)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.20 | $0.14 | 〇 |
売上高 | $401M (YoY +30%) | $394.5M | 〇 |
ガイダンス 2024Q3EPS | $0.18 | $0.15 | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $423.5M ($423M~$424M) | $423.3M | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $0.705 ($0.70~$0.71) | $0.62 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $1.658B ($1.657B~$1.659B) | $1.65B | 〇 |
業績ハイライト
財務実績
- 第2四半期の収益は前年同期比30%増の4億100万ドル
- 年間換算の収益が16億ドルを突破
- 営業利益は5,700万ドル、営業利益率は14.2%
- フリーキャッシュフローは3,830万ドル
顧客メトリクス
- 有料顧客数は約210,200社で前年同期比21%増
- 大口顧客(年間10万ドル以上)は3,046社で前年同期比30%増
- ドルベースの正味定着率は112%
製品・開発
- Cloudflare Workersのアクティブ開発者数が240万人を突破
- Workers AIのインファレンスリクエストが四半期で700%増加
- AIインファレンス用GPUを167都市でリリース
売上見通し
- 第3四半期の収益見通しは4億2,300万~4億2,400万ドル(前年同期比26%増)
- 通期の収益見通しを16億5,700万~16億5,900万ドル(前年同期比28%増)に上方修正
質疑応答ハイライト
売上生産性の改善について
- 過去2四半期連続で二桁の前年同期比改善を達成
- 主な要因:
- 運用指標の改善
- トレーニングの強化
- チームのレベルアップ
- パフォーマンス管理の徹底
- マーク・アンダーソンCRO就任後の取り組み:
- 優秀な幹部・リーダーの採用
- 営業組織全体のアップグレード
- 既存チームの生産性向上支援
ドルベースの正味定着率(DNR)の低下について
- DNRは112%で前四半期比3ポイント低下
- 主な要因:
- 大口顧客の純拡大ペース鈍化
- プール・オブ・ファンズ契約の増加による収益認識への影響
- 前年のPro/Businessプラン価格引き上げの影響一巡
- 今後数四半期は、新規顧客からの寄与が前年同期比成長の大きな部分を占める見込み
エッジAIとOHTTPの活用について
- OHTTPはプライバシー保護のための新技術
- 主な特徴:
- IPアドレスから個人を特定できないようにする
- 2段階のプロキシを使用して通信を匿名化
- 想定以上に多くのユースケースで採用が進む
- AI企業を中心に、プライバシー保護のニーズが高まっている
AIインファレンスの機会について
- インファレンスは主に2つの場所で行われる:
- デバイス上 (約50%)
- エッジネットワーク (約50%)
- Cloudflareの強み:
- グローバルなエッジネットワーク
- プライバシーとコンプライアンスへの対応
- パフォーマンスの高さ
- 地域ごとの対応が容易
- 従来型のクラウドへの依存度は低下する見込み
パブリックセクターの動向について
- 米国連邦政府ビジネスが引き続き好調
- 選挙関連:
- Athenian Projectを通じて無償で選挙管理サポートを提供
- 民主主義の機能を支える取り組みが評価されている
- 公務員の使命感と合致した姿勢が大型案件獲得につながっている
SASEとWorkersの組み合わせについて
- 包括的なソリューションを提供できることが強み
- 現状:
- SASEの選定基準としてWorkersが決め手になるケースはまだ少ない
- セキュリティと信頼性が主な選定基準
- 将来的な展望:
- プログラマビリティの重要性が高まる
- 「セキュア、信頼性、高速、プログラマブル」な組み合わせが競争力の源泉に
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