ノルウェージャンクルーズ(ティッカー:$NCLH)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.07 | $0.09 | × |
売上高 | $2.13B (YoY -2.7%) | $2.15B | × |
ガイダンス 通年EPS | $2.05 | $2.08 | × |
📊 業績ハイライト
売上・利益・成長率
項目 | 実績(Q1 2025) | 前年同期比 | ガイダンス比 | コメント |
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売上(Net Yield) | +1.2% | 前年比 +1.2% | ガイダンス比 +0.7pt 上振れ | カリブ、バハマ、ハワイ航路の好調が寄与 |
Net Per Diem | +4.3% | 前年比 +4.3% | – | 高価格帯商品と船内消費拡大が押し上げ要因 |
調整後EBITDA | $453百万 | 前年比 増加 | ガイダンス($435M)を上回る | 収益増加とコスト抑制の成果 |
調整後EPS | $0.07 | 前年比 減少(前年はFX益あり) | $0.05の為替差損により若干の未達 | |
搭乗率(Occupancy) | 101.5% | 前年比 減少 | – | ドライドックと再配置の影響 |
ガイダンス(業績見通し)
項目 | Q2 2025 見通し | 通期 2025 見通し | コメント |
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搭乗率 | 約103.2% | 約102.5% | アジア・アフリカ航路の増加で構造的に低下 |
Net Yield 成長率 | +2.5% | +2〜3% | 欧州Q3の不確実性を踏まえ下方修正 |
Net Per Diem 成長率 | +5.2% | +4.3〜5.4% | 高価格維持の戦略が継続中 |
調整後EBITDA | $670M | $2.72B(維持) | コスト削減でトップラインの弱さを相殺 |
調整後EPS | $0.51 | $2.05(維持) | 株式数減と為替の逆風が相殺 |
Net Cruise Cost(燃料除く) | +1%(Q2) | +0〜1.25%(通期) | コスト削減策が順調に進行中 |
戦略的施策とハイライト
- 新造船「Norwegian Aqua」就航
- Prima/Vivaより10%大型化
- スペース効率化のためレーストラックを「Aquaスライコースター」に置換
- SNSで2.7億回以上の閲覧を記録し話題に
- グレート・スターラップ・ケイ(GSC)の施設強化
- 2026年より年間100万人超の受け入れ体制へ
- 新桟橋、プール、家族向けゾーン、大人専用ビーチクラブなどを整備
- 滞在中の消費拡大と体験価値向上に期待
- NCL公式アプリの刷新
- 利用者:四半期で80万人超
- 乗船前予約の拡大(ショアエクスカーション、レストラン等)により事前収益増
- 船隊最適化
- 旧船4隻を2026〜2027年にチャーター契約(インド市場・住宅型クルーズ向け)
- 船齢の若返りとキャッシュ創出、運用の簡素化を実現
- 容量CAGR(2023〜2028年)を6% → 4%に修正
財務状況・資本政策
指標 | 数値・状況 | コメント |
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トレーリングEBITDAマージン | 35.5%(前年比+2.8pt) | コスト管理が奏功 |
通期EBITDAマージン見通し | 約37% | 「Charting the Course」の目標(39%)に向け順調 |
純レバレッジ比率 | Q1: 5.7倍 → Q4見込み: 5.0倍 | 新造船の一時的影響だが年内に回復見通し |
2025年償還予定 | 約$640M | 自己キャッシュフローで賄える水準 |
株式数削減 | 1550万株減少(社債リファイナンス) | EPS押し上げに寄与 |
💬 質疑応答ハイライト
欧州航路の予約動向と消費者心理
Q: 欧州Q3の「チョピネス(不安定)」の背景は?
A(CEO):
- 主に米国からの長距離旅行への慎重姿勢が影響。
- 特に欧州航路の残席消化でやや弱さが見られたが、4月末には回復。
- 価格維持を重視しており、大幅なディスカウントは実施していない。
コスト削減とゲスト体験の両立
Q: コスト効率の中で、ゲスト体験は損なわれていないか?
A(CFO):
- コスト削減は「無駄の排除」に集中。食品の質や体験価値はむしろ向上。
- ゲスト満足度指標(再予約率やCruiseNextの販売率)は過去最高。
- サプライチェーン、テクノロジー導入など、運営面での効率化が主軸。
グレート・スターラップ・ケイ(GSC)投資の収益性
Q: GSCへの投資はどの程度のROIを見込んでいるか?
A:
- 年間受け入れ人数が2.5倍に増える見通し(100万人以上)。
- 島内での消費額が増加し、航路単価にも良い影響。
- 長期的にはCharting the Courseの収益目標を上回るリターンを見込む。
2026年見通しと予約傾向
Q: 2026年の欧州航路の予約は順調か?
A:
- 現時点では例年より前倒しで予約が入っており、価格も上昇傾向。
- 9〜10日航路から7日航路に短縮することで価格帯と柔軟性を改善。
- 旅行前後のホテル滞在を組み込むことで収益機会も拡大。
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