マイクロソフト(ティッカー:$MSFT)の2025年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $3.23 | $3.10 | 〇 |
売上高 | $69.6B (YoY +12.2%) | $68.81B | 〇 |
ガイダンス 2025Q3売上高 | $68.2B ($67.7B~$68.7B) | $69.81B | × |
業績ハイライト
クラウド・AI事業の成長
- Microsoft Cloudの収益が初めて400億ドルを突破し、前年比21%成長
- AI事業の年間収益が130億ドルを超え、前年比175%成長
- Azureの収益は31%成長(うちAIサービスによる貢献は13ポイント、AIサービス自体は157%成長)
- データセンターの容量を過去3年間で2倍以上に拡大
- 昨年は過去最大の容量を追加
データプラットフォームの成長
- Microsoft Fabricの有料顧客が19,000社を突破
- Power BIの月間アクティブユーザーが3,000万人を超え、前年比40%増
- Azure OpenAIアプリケーションのAzureデータベース/Appサービス利用が前年比2倍以上
Copilotとエージェントの展開
- 新規・既存顧客ともにシート数が拡大
- 初期採用企業は18ヶ月で座席数を10倍以上に拡大
- Novartisは過去1年で4万シートまで拡大
- Barclays、Carrier Group、Pearson、University of Miamiは各1万シート以上を購入
- 日次アクティブユーザー数は前四半期比で2倍以上に
- 利用強度は前四半期比60%増加
- Copilot Studioを16万以上の組織が利用
- 過去3ヶ月間で40万以上のカスタムエージェントを作成(前四半期比2倍以上)
開発者向けプラットフォーム
- GitHub Copilotの採用がASOSやSpotify、HP、HSBC、KPMGなどに拡大
- GitHub CopilotとVS Codeの発売1週間で100万以上のサインアップを達成
- GitHubの開発者数が1億5,000万人に到達(2年間で50%増)
ヘルスケア分野
- DAX Copilotの月間医師・患者エンカウンター数が200万件を突破(前四半期比54%増)
- Mass General Brigham、Michigan Medicine、Vanderbilt University Medical Centerなどで採用
PC・Windows事業
- 米国の高価格帯ノートPCの15%がCopilot+ PC
- 今後数年間で販売されるPCの過半数がCopilot+ PCになる見込み
その他の事業実績
- LinkedInのコメント数は前年比37%増加
- LinkedInプレミアムが年間収益20億ドルを初めて突破
- EdgeのWindowsでの米国シェアが30%を超え、15四半期連続でシェア拡大
- Game Passの収益が四半期記録を更新、PCユーザー数は30%以上増加
- Xbox Cloud Gamingのストリーミング時間が四半期で1億4,000万時間の記録を達成
財務実績
- 総収益は696億ドル(前年比12%増)
- 営業利益は17%増加
- 1株当たり利益は3.23ドル(10%増)
- 商用予約は67%増(為替の影響を除くと75%増)
- 商用未履行契約残高は2,980億ドルに到達(前年比34%増、為替の影響を除くと36%増)
質疑応答ハイライト
Azure関連の実行課題について
- 非AIサービスのスケールモーションで課題が発生
- パートナー経由の顧客に対して、AIワークロードと既存の移行作業のバランスを取る必要性
- 販売方針の調整を夏に実施し、その影響が表面化
- AIキャパシティは2025年度末までに需要とほぼ一致する見込み
- エンタープライズワークロード(SAP、VMware移行など)は堅調
AI収益の成長要因
- Azure AIが期待を上回る性能を実現
- Microsoft Copilotが新規シート数、拡張シート数ともに好調
- シートあたりの価格も良好な水準を維持
- AIの効率性が向上し、アクセシビリティも改善
OpenAIとの関係性について
- OpenAIはAzureに対する大規模なコミットメントを新たに実施
- 両社の成長は相互に利益をもたらす関係を維持
- インフラは柔軟性を持たせ、トレーニングと推論の適切なバランスを確保
- インフラの地理的分散も重視
Copilotの展開と採用状況
- 部門レベルでの導入から開始し、コラボレーションのネットワーク効果により全社展開へ
- セールス、財務、サプライチェーンなどで即時の生産性向上が見られる
- Copilot Chatを導入し、より広範な導入を促進
- ITによる管理のもと、エンタープライズコントロールを確保
- コンシューマー向けにはThink Deeper機能をグローバルで無料提供開始
設備投資について
- Q3とQ4は第2四半期と同程度の支出レベルを維持
- 2026年度も強い需要に応じて投資を継続するが、成長率は2025年度より低下
- 短期資産への投資にシフトし、収益成長とより直接的な相関関係に
コメント