マイクロソフト(ティッカー:$MSFT)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $3.30 | $3.11 | 〇 |
売上高 | $65.59B (YoY +16.1%) | $64.56B | 〇 |
ガイダンス 2025Q2売上高 | $68.6B ($68.1B~$69.1B) | $69.82B | × |
業績ハイライト
全体業績
- 売上高は656億ドル(前年同期比16%増)
- EPSは3.30ドル(前年同期比10%増)
- Microsoft Cloudの売上高は389億ドル(前年同期比22%増)
- Activisionの買収により売上高に約3%のプラス影響、営業利益に2%のマイナス影響
- EPSには0.05ドルのマイナス影響
セグメント別業績
- Productivity and Business Processes部門
- 売上高283億ドル(前年同期比12%増)
- M365商用クラウド収益は15%増
- LinkedIn収益は10%増
- Dynamics収益は14%増
- Intelligent Cloud部門
- 売上高241億ドル(前年同期比20%増)
- Azureの収益は33%増(AIサービスによる貢献は約12ポイント)
- More Personal Computing部門
- 売上高132億ドル(前年同期比17%増、Activisionの影響15ポイント含む)
- ゲーム収益は43%増(Activisionの影響43ポイント含む)
設備投資の状況
- 設備投資総額(ファイナンスリース含む)は200億ドル
- 有形固定資産への支払いは149億ドル
- クラウドとAI関連支出の約半分は15年以上の長期資産
- 残りの半分はCPUやGPUなど需要に基づくサーバー投資
- フリーキャッシュフローは193億ドル(前年同期比7%減)
質疑応答ハイライト
AIへの投資と制約について
- 内部制約について:
- トレーニングへの資本投資は推論による収益化に基づいて制限される
- ムーアの法則に従って毎年フリートを更新し、ライフサイクルで償却
- 推論需要が最終的にトレーニング投資をカバー
- 外部制約について:
- データセンター建設に時間がかかる
- 電力供給の制約
- 2025年度後半には需給バランスが改善する見込み
設備投資の今後の見通し
- クラウド移行期と同様のパターンを想定:
- 需要に応じた先行投資が必要
- クラウド移行期と異なり、グローバルで並行して展開
- 時間とともに収益成長と設備投資成長のギャップは縮小
- 採用ペースは需要の伸びに依存
Azureの成長見通し
- Q2のガイダンス:
- constant currencyベースで31-32%の成長を予想
- 消費成長はQ1と同様に安定的
- AIサービスの貢献は前四半期と同様
- サプライの一部がQ2から後ろにずれ込む影響あり
- 2025年度後半は成長加速を予想(AI容量の増加による)
OpenAIとの関係について
- パートナーシップの状況:
- 両社にとって有益な関係を維持
- Microsoftはインフラを提供、OpenAIはモデル開発に注力
- GitHub Copilot、DAX Copilot、M365 Copilotなどの製品開発で成功
- 投資としても良好な結果
- 財務的影響:
- Azure需要増加に対応するための設備投資を継続
- 持分法会計により損失の一定割合を計上
- 投資総額130億ドルが損失計上の上限
Copilotの展開状況
- 商用Copilotの進捗:
- M365の新スイートとして最速の成長を記録
- Fortune 500企業の約70%が導入
- 追加シート購入の動きも活発
- 消費者向け展開:
- 法人向けと同じ投資を活用
- 検索・広告事業での成長
- LinkedInでの活用拡大
- ゲーミング、Windows(Copilot+ PC)への展開も推進
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