マイクロソフト(ティッカー:$MSFT)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.95 | $2.94 | 〇 |
売上高 | $64.73B (YoY +15.2%) | $64.38B | 〇 |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $64.3B ($63.8B~$64.8B) | $65.45B | × |
業績ハイライト
財務実績
- 第4四半期の売上高は647億ドルで、15%増(一定為替レートで16%増)
- 1株当たり利益は2.95ドルで、10%増(一定為替レートで11%増)
- 年間売上高は2,450億ドル超で、15%増
- Microsoft Cloud収益は1,350億ドル超で、23%増
セグメント別業績
- Productivity and Business Processes: 売上高203億ドル、11%増
- Intelligent Cloud: 売上高285億ドル、19%増
- More Personal Computing: 売上高159億ドル、14%増
主要製品・サービスの動向
- Azure売上高は29%増(一定為替レートで30%増)
- Office 365 Commercial売上高は13%増(一定為替レートで14%増)
- LinkedIn売上高は10%増(一定為替レートで9%増)
- Xbox content and services売上高は61%増(Activision買収の影響を含む)
AIへの投資と成果
- Azure AIの顧客数は60,000社以上で、前年比60%増
- GitHub Copilotの採用組織は77,000社以上で、前年比180%増
- Copilot for Microsoft 365の顧客数は前四半期比60%以上増加
設備投資
- 第4四半期の設備投資(ファイナンスリースを含む)は190億ドル
- クラウドとAI関連の支出が設備投資のほぼ全てを占める
- 設備投資の約半分はインフラ需要に対応するもので、今後15年以上にわたる収益化を支える
- 2025年度の設備投資は2024年度を上回る見込み
質疑応答ハイライト
AIに関する資本支出とその収益化について
- 需要に基づいて資本支出を管理
- 約半分は土地やデータセンター建設など長期資産に投資
- 残りの60%以上は需要に応じて機器を購入
- 製品ポートフォリオの幅広さが重要で、インフラ、SaaSアプリケーション、消費ベースのメーターなど多様な提供形態がある
- 一貫したアーキテクチャにより、柔軟性のある長期的な資産を構築
- 土地、ネットワーク、建設、システム、継続的なコストなど、各項目の割合や期間を考慮して資本支出を調整
設備投資の効率性と収益成長の関係
- 設備投資の約半分は長期的な建設投資で、残りはCPUやGPUなどの機器
- 需要に応じて機器への投資を調整可能
- 収益成長と資本支出の増加は必ずしも一致しない
- リースの活用により、資本支出と実際のキャッシュ支出にずれが生じる可能性がある
- 一貫したプラットフォーム(Azure AI stack)の構築により、複数のインフラ投資が不要になり、マージン改善が早期に実現
- 2025年度の設備投資は2024年度を上回る見込みだが、需要シグナルに応じて管理される
GenAIの実用化と収益への貢献
- M365 CopilotはSaaS製品として急速に成長
- Copilotの席数は四半期ごとに60%増加
- 1万席以上の顧客数は四半期で2倍に
- Dynamicsでは、特にコンタクトセンター分野でAIが変革をもたらす
- Azure AIの利用企業の50%がデータ関連サービスも利用しており、エンタープライズワークロードの獲得につながっている
Azure成長率と容量制約
- AI容量の制約は第4四半期と上半期も継続
- 下半期には容量増強により成長が加速する見込み
- 一部の欧州地域で非AI消費に若干の軟化が見られた
- 第三者パートナーとの提携により、短期的な容量不足に対応
ゲーミング事業の長期的成長ポテンシャル
- Activision買収によりコンソール、PC、モバイルの全プラットフォームをカバー
- 新しいアクセス方法(例:Amazon TVへのxCloudの拡大)を通じて新規ゲーマーにリーチ
- ソフトウェア+サービス、取引収益が長期的なKPI
- 幅広いコンテンツを多くのユーザーに提供し、ソフトウェアの年間収益とサブスクリプションビジネスを構築することが目標
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