モデルナ(ティッカー:$MRNA)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$3.07 | -$3.35 | 〇 |
売上高 | $167M (YoY -91%) | $91M | 〇 |
業績ハイライト
2024年第1四半期の業績ハイライト
- 売上高は1億6,700万ドル。前年同期比91%減少したが、これは主に米国以外の地域でのCOVID-19ワクチンの販売量が減少したため
- 研究開発費は11億ドルで、前年同期比6%減少。これは主に提携に伴うアップフロントの支払いがなかったため
- 販売管理費は2億7,400万ドルで、前年同期比10%減少。コスト規律と戦略的投資に注力した結果
- 四半期末の現金および投資は122億ドル
パイプラインの進捗
- EBV、VZV、ノロウイルスのワクチンで有望なデータを発表
- パートナーのMerckと共に、個別化ネオアンチゲン療法(INT)の3つの新適応症の試験を拡大
- メラノーマおよび非小細胞肺がんの術後補助療法のフェーズ3試験を継続中
- 皮膚扁平上皮がんの術前・術後補助療法のフェーズ2/3試験を開始
- 膀胱がんおよび腎臓がんの術後補助療法のフェーズ2試験を開始
2024年の商業的優先事項
- 米国でCOVID-19ワクチンの接種率向上に注力
- 欧州でCOVID-19ワクチンの2024年入札に参加
- その他の地域で商業的影響の大きな市場を優先
- RSVワクチンの承認取得と上市に向けて準備
質疑応答ハイライト
RSVワクチンの販売戦略について
- 承認前のため直接的な契約はできないが、小売薬局やIV/病院ネットワークと、製品の有効性・安全性・PFSのメリットについて医療チームが積極的に協議中
- RSVワクチンの推奨についてはACIPに委ねるが、持続性や他の集団での免疫原性などの追加データを提示し、同等の推奨を期待
- PFSは医療提供者にとって理想的で有用な提示形態。準備時間が3~4倍効率的という研究結果もある
個別化ネオアンチゲン療法(INT)の新適応症について
- 新たな3適応症はすべて術後補助療法。メラノーマのフェーズ2で良好な結果が得られた領域で、KEYTRUDAの効果が知られており、INTによる特異的なT細胞応答の誘導でさらなる改善の余地がある
- フェーズ1では転移性の様々な適応症を検討したが、メラノーマのフェーズ2陽性結果以降、免疫療法が承認されている術後補助療法の適応症を積極的に追求している
サイトメガロウイルス(CMV)ワクチンの追加接種と血清陽性者への効果について
- 現時点では追加接種の必要性のエビデンスはない。免疫原性の持続性データから、3回接種で長期的に防御できる可能性
- 母体の血清陽性者でも垂直感染のリスクはあるため、ワクチンの潜在的なベネフィットはある
- 主要評価項目は血清陰性者に焦点を当てているが、血清陽性者の安全性も検討。16歳以上の若年層をターゲットに、血清陽性率がまだ高くない集団で感染予防の大きな機会を見出したい
インフルエンザワクチンの申請に向けた議論とmRNA-1083の役割について
- mRNA-1010(インフルエンザ)とmRNA-1083(インフルエンザ・COVIDコンボ)は独立して申請予定だが、一部の規制当局では同時申請はできない
- mRNA-1083のデータを見て、規制戦略とデータの提出準備を評価し、どちらを先に申請するか決定する
- mRNA-1083のデータは今四半期中に共有予定。昨秋にmRNA-1083とmRNA-1010第2世代の試験参加者募集が完了しているため、提出に向けて順調に進んでいる
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