マスターカード(ティッカー:$MA)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $3.59 | $3.51 | 〇 |
売上高 | $7.0B (YoY +11.1%) | $6.85B | 〇 |
業績ハイライト
第2四半期の業績概要
- 純収益は前年同期比13%増加(通貨中立ベース、非GAAP)
- 調整後純利益は24%増加
- 調整後EPSは27%増の$3.59
主要指標
- 世界のGDV(総決済高)は9%増加
- クロスボーダー取引高は17%増加
- スイッチ取引件数は11%増加
- カード発行枚数は7%増加
セグメント別業績
- 決済ネットワーク純収益は9%増加
- 付加価値サービスおよびソリューション純収益は19%増加
通期見通し
- 純収益は低ダブルディジット成長率の上限で成長する見込み
- 営業費用は低ダブルディジット成長率の下限で増加する見込み
質疑応答ハイライト
米国の加盟店訴訟について
- 和解案が裁判所に却下されたことは残念
- 裁判前に解決策を見出すよう努力する
- 結果を予測するのは難しいが、関係者と対話を続ける
リベートとインセンティブについて
- 第2四半期は予想を下回ったが、これは主に案件のタイミングによるもの
- 第3四半期は決済ネットワーク手数料に対する比率が上昇する見込み
- 案件パイプラインは豊富で、年内に実現すると予想
組織再編について
- 成長を加速し、戦略的優先事項への投資を可能にすることが目的
- 新興市場での事業拡大や、AIを活用したデータ分析・セキュリティソリューションの強化などに注力
- 第3四半期に約1億9000万ドルの一時的な構造改革費用を計上予定
欧州市場について
- 引き続き強い成長が見込まれる重要市場
- キャッシュレス化の進展により、さらなる成長機会がある
- フィンテック企業との提携も積極的に推進
クロスボーダー取引について
- 収益と取引高の乖離は主に地域ミックスによるもの
- 欧州域内取引よりも域外取引の方が高い利益率
- 為替変動の影響も受ける
付加価値サービスの成長について
- サイバーセキュリティや詐欺対策関連サービスが引き続き成長をけん引
- データ分析サービスへの需要も高い
- AIの活用により、製品の拡張性と効果を向上
オープンバンキングの展望
- 米国では口座開設、口座連携、データ集約などのサービスで好調
- 決済面では、カード決済システムの価値(チャージバックや詐欺対策など)がまだ優位
- 将来的な機会に備えて投資を継続
AIと詐欺対策
- デジタル化の進展に伴い、詐欺リスクも高まっている
- 機械学習技術を長年活用してきたが、最近は生成AIも導入
- Decision Intelligenceなどの新製品で20%の効果向上を実現
- 今後もAIを活用した詐欺対策・サイバーセキュリティ製品の拡充を予定
マクロ経済環境と消費動向
- 労働市場の堅調さが消費を下支え
- 高所得層と低所得層で消費行動に差はあるが、デジタル経済の恩恵は広く行き渡っている
- 地域や決済手段の多様性が、マスターカードの事業モデルの強みとなっている
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