ラムリサーチ(ティッカー:$LRCX)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $7.79 | $7.30 | 〇 |
売上高 | $3.79B (YoY -2%) | $3.72B | 〇 |
ガイダンス 2024Q4EPS | $7.20 ($6.75~$8.25) | $7.30 | × |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $3.80B ($3.5B~$4.1B) | $3.77B | 〇 |
業績ハイライト
売上高・利益率
- 2024年3月期の売上高は前期比横ばいの37.9億ドル。売上総利益率は48.7%と高水準を維持。
- 顧客・製品ミックスの改善や工場の効率化が売上総利益率の押し上げ要因に。
キャッシュフロー
- フリーキャッシュフローは13億ドルと売上高の34%を創出。キャッシュリターンに注力。
- 8.6億ドルを自社株買いに、2.63億ドルを配当金の支払いに充当。
地域別売上高
- 中国が売上高の42%を占め最大。ただし今後は比率が低下する見通し。
- 韓国が24%、日本と台湾がそれに続く。
カスタマーサポート事業
- カスタマーサポート事業の売上高は14億ドル。前期比4%減、前年同期比13%減。
- 成熟ノード向け投資の低迷が影響。一方でスペアパーツ販売は2022年以来の高水準。
研究開発費
- 費用全体の71%をR&Dに投じる。先端技術への投資を拡大し、競争力の維持・強化を図る。
- ゲートオールアラウンドなど先端技術向けの出荷額は拡大傾向。技術革新を通じた差別化を追求。
質疑応答ハイライト
NANDの回復の兆し
- スペアパーツの売上が前四半期比で二桁の伸びを示したことは、顧客の工場稼働率が上昇し始めていることを示唆。
- NANDの投資は2025年により本格化する見通し。アップグレード需要が中心となるため、Lamにとっては新規の製造設備投資の場合よりも売上の取り込み率が高くなる。
- NANDではタングステンからモリブデンへの材料変更が進行中。Lamにとって新たなビジネス機会となる。
中国市場の動向
- 中国の売上比率は42%だったが、今後は徐々に低下していく見通し。ただし、2024年の中国市場全体の投資額は前年より増加する見込み。
- 中国市場の需要は上半期に偏重しており、下半期は減速すると予想。
先端技術への投資加速
- HBMやゲートオールアラウンドなど先端技術への投資が活発化。
- HBM向けの出荷額は今年3倍以上に拡大する見通し。ゲートオールアラウンド向けの出荷額は10億ドル超の見込み。
- AIサーバーの普及拡大により、DRAM、NAND、ファウンドリロジックへの投資が加速すると予想。
収益性とR&D投資
- 3月期の売上総利益率は48.7%と高水準。製品・顧客ミックスの改善や工場の効率化が寄与。
- 中国の小規模顧客向けの売上比率が高いことが売上総利益率の押し上げ要因。
- 先端技術への投資を拡大するため、費用の71%をR&Dに投じている。収益性を維持しながら、差別化のためのR&D投資を継続する方針。
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