イーライリリー(ティッカー:$LLY)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $3.92 | $2.6 | 〇 |
売上高 | $11.302B (YoY +36%) | $9.92B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $16.35 ($16.10~$16.60) | $13.76 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $46.0B ($45.4B~$46.6B) | $43.01B | 〇 |
業績ハイライト
第2四半期の財務実績
- 売上高は前年同期比36%増加
- 新製品の売上高は前年同期比約35億ドル増加
- 純利益は前年同期比90%増加
- 1株当たり利益は3.92ドル(前年同期比86%増加)
主要製品の業績
- Mounjaro(糖尿病治療薬)の売上高は31億ドル
- Zepbound(肥満治療薬)の売上高は12億ドル超
- Verzenio(乳がん治療薬)の売上高は44%増加
研究開発の進捗
- Kisunla(アルツハイマー病治療薬)が米国で承認取得
- Tirzepatideが閉塞性睡眠時無呼吸症の治療薬として米国とEUで申請
- 心不全治療におけるTirzepatideの第III相試験で良好な結果
生産能力の拡大
- インディアナ州の製造施設に53億ドルの追加投資を発表
- 2024年下半期のインクレチン製剤の生産量は2023年上半期の1.5倍以上になる見込み
質疑応答ハイライト
製品の平均販売価格(ASP)の動向
- Mounjarodriveのコペイプログラムが基準期間から外れるため、上半期の価格面での初期有利性は下半期には消失する
- 2024年の四半期ごとの価格は安定的に推移する見込み
- 下半期の価格は前年同期とほぼ同水準になる見通し
製造能力の拡大と供給状況
- Zepboundの単回投与バイアルを米国で導入予定
- Research Triangle Park(RTP)の生産拠点は計画通りに稼働を拡大中
- Concord拠点は2024年末から2025年初めに製品出荷開始予定
- 供給ネットワーク全体のパフォーマンス向上により、卸売業者の在庫水準が回復
肥満治療薬市場の競争環境
- 競合他社の参入は予想されていたが、市場を確立するには多くの障壁がある
- Lillyは幅広い適応症や剤形で包括的に肥満に取り組む戦略を採用
- 製造の拡大には時間とコストがかかるため、先行する企業には優位性がある
GLP-1製剤の調剤に関する懸念
- 調剤されたGLP-1製剤の多くは純度や安全性に問題がある可能性がある
- Lillyは患者の安全性リスクを懸念し、規制当局や法的措置を通じて対応を検討中
- 長期的には保険適用の拡大と供給増加が根本的な解決策になる
利益率の見通し
- 下半期は販促活動の強化やR&D投資の拡大により利益率は低下する見通し
- 2024年は営業利益率が30%台後半になる見込み
- 上半期は宣伝費用が抑えられていたため利益率が高めだった
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