コカ・コーラ(ティッカー:$KO)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.73 | $0.72 | 〇 |
売上高 | $11.1B (YoY -2.0%) | $11.17B | × |
ガイダンス 通年EPS | $2.945 ($2.93~$2.96) | $2.96 | × |
ガイダンス 通年売上高 | $48.26B ($48.04B~$48.49B) | $47.52B | 〇 |
業績ハイライト
業績ハイライト
売上・成長
項目 | Q1 2025 | 前年同期比 |
---|---|---|
ユニットケース販売量 | +2% | 増加 |
オーガニック売上高(為替影響除く) | +6% | 長期成長目標の上限近く |
価格/ミックス | +5% | 価格上昇が主因(物価上昇影響あり) |
濃縮液販売量 | ユニットケース比 -1pt | カレンダー日数の影響あり |
収益性・利益率
項目 | Q1 2025 | 前年同期比 |
---|---|---|
調整後売上総利益率 | +30bps | 改善 |
調整後営業利益率 | +130bps | 明確に改善 |
調整後EPS | $0.73 | +1%(為替の逆風-5ptを克服) |
フリーキャッシュフロー(Fairlife買収除く) | $560M | 増加 |
地域別業績概要
- 北米:売上・利益は増加も、販売量が伸び悩み。Hispanic層の消費鈍化や誤情報動画の拡散(特に南部州)などが影響。Coke ZeroやFairlifeは引き続き好調。
- ラテンアメリカ:ボリュームは横ばいも、ブラジル・アルゼンチンは堅調。メキシコは前年の高成長との比較で軟調。現地ではリフィルボトルなどで価格訴求を強化中。
- EMEA(欧州・中東・アフリカ):売上・利益ともに増加。欧州では一部市場でボリュームが減少も、マーケティング施策が功を奏す。中東・アフリカでは価格訴求が効果的。
- アジア太平洋:販売量+6%。中国は旧正月向けキャンペーン成功、インドでは35万店舗追加。Fairlife、Fuze Tea、新製品のSimply Popなど革新が継続。
ガイダンス(2025年通期)
項目 | 内容 |
---|---|
オーガニック売上成長率 | +5〜6% |
為替中立EPS成長率 | +7〜9%(長期目標に整合) |
通貨影響後EPS成長率 | +2〜3%(基準:2024年 $2.88) |
通貨影響(ガイダンス反映) | 売上高:▲2〜3pt、EPS:▲5〜6pt |
実効税率見込み | 20.8%(前年比+2pt) |
質疑応答ハイライト
Q1: EPSガイダンス据え置きの理由と通期見通し
A(CFO Murphy):
- 通貨ヘッジは主要通貨で済んでいるが、新興国は依然として変動性が高く、慎重姿勢を維持。
- 各四半期は「個性」があり、1Qの好調をそのまま通期に反映させる段階にはない。
Q2: メキシコ市場の不調と今後の対策
A(CEO Quincey):
- 昨年の高成長と祝祭日移動の影響で前年比比較は厳しい。
- 地政学的な影響やHispanic層のセンチメント低下も要因。
- 値ごろ感を訴求するパッケージやローカル雇用・貢献キャンペーンで巻き返しを図る。
Q3: 米国市場の反発策とブランド毀損への対応
A(CEO Quincey):
- 誤情報によるブランド毀損(特にCoca-Cola Original)への影響が顕著。
- Coke Zero、Fairlifeなど好調ブランドは成長持続。
- 今後はHispanic層の巻き返し、オリジナル商品の信頼回復、価格訴求強化に注力。
Q4: グローバルブランドとローカル感の両立
A(CEO Quincey):
- Coca-Colaは「グローバルなローカル企業」。
- 各国の製造・雇用・流通は現地に根差しており、「地元ブランドとしての信頼感」が重要。
- グローバルブランドの「地元らしさ」の訴求に注力していく。
Q5: Fairlifeの今後と供給能力
A(CEO Quincey):
- 成長率(%)は鈍化も、絶対額は引き続き業界トップクラス。
- 年末に新しい供給能力を投入予定で、成長再加速へ。
- 長期的には革新・投資を継続し、「無制限な成長」に備える。
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