ガートナー(ティッカー:$IT)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.93 | $2.54 | 〇 |
売上高 | $1.47B (YoY +4.3%) | $1.48B | × |
ガイダンス 2024通年EPS | $10.90 | $11.38 | × |
ガイダンス 2024通年売上高 | $6.2B | $6.36B | × |
業績ハイライト
Q1の業績は予想を上回る
- 第1四半期の業績は予想を上回り、収益性とフリーキャッシュフロー創出において特に好調だった
- EBITDAは予想を上回る3億8200万ドル、前年同期比で若干増加
- 調整後EPSは2.93ドルで前年同期比2%増
- フリーキャッシュフローは1億6600万ドル
エンタープライズ機能リーダー向けのCV成長率は10%
- エンタープライズ機能リーダーとの取引額(CV)は10%成長
- GTSとGBSにおけるエンタープライズ機能リーダーのCV成長率は幅広い分野で二桁またはハイシングルの伸び
- 企業規模別では、中小企業以外の全てのセグメントで二桁またはハイシングルの成長
- 主要国上位10カ国のうち、大半で二桁またはハイシングルの成長
2024年の業績ガイダンスを引き上げ
- 為替中立ベースで2024年の業績ガイダンスを上方修正
- 為替変動の影響を織り込み、売上高、EBITDA、EPS、フリーキャッシュフローの見通しを引き上げ
- 為替中立ベースの中期的な二桁成長の見通しに変更なし
- マージンは中長期的に緩やかに拡大する見込み
質疑応答ハイライト
テックベンダー向けビジネスの動向
- 第1四半期は2〜3年前の契約が多く更新時期を迎えたが、現在のテック業界の環境は当時と大きく異なる
- 特に中堅・大手のテックベンダー顧客は契約を継続しているものの、更新時の追加シート購入が通常より少ない
- 中長期的にはテックベンダー向けビジネスは年12〜16%成長を見込むが、足元の事業環境は依然厳しい
- テックベンダー向けのコントラクトバリュー(CV)は、全体の25%弱で直近数四半期と同水準
CVの再加速の見通し
- 第1四半期のエンタープライズ機能リーダー向けCVは厳しい経済環境下でも10%成長
- テックベンダー向けの契約更新のピークは年後半に終了する見込み
- 先行指標となる営業パイプラインは堅調に推移
- 営業担当者の経験値向上に伴い、生産性の改善を見込む
AIの影響と社内活用
- IT、マーケティング、営業、財務、法務など全ての機能領域でAIへの関心は高い
- 2〜3年前のクラウドコンピューティングのように、AIは顧客の関心テーマとして浮上
- 現時点では需要の大幅な増加というよりは、過去のトピックに取って代わる形
- 中長期的にはプラスの影響が見込まれるが、大幅な変化ではない
- 社内では主にデータ分析においてAIを活用。高度な機械学習アルゴリズムやニューラルネットワークを用いてビジネスの理解を深めている
マージンの見通し
- 2024年のEBITDAマージンの見通しを23%から23.5%に引き上げ
- 通常は売上高の増加がマージン改善の主因だが、今回は費用面での想定より良い結果が寄与
- 四半期ベースや通期で様々な要因が影響するが、2016年や2019年と比べて構造的にマージンは改善
- 中長期的には事業に営業レバレッジが効くため、マージンは毎年緩やかに拡大する見通し
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