イントゥイット(ティッカー:$INTU)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $9.88 | $9.38 | 〇 |
売上高 | $6.74B (YoY +12%) | $6.64B | 〇 |
ガイダンス 2024Q4EPS | $1.825 ($1.80~$1.85) | $1.92 | × |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $3.081B ($3.063B~$3.099B) | $3.05B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $16.815 ($16.79~$16.84) | $16.42 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $16.181B ($16.164B~$16.200B) | $16.05B | 〇 |
業績ハイライト
第3四半期決算のハイライト
- 全社的に好調な四半期となり、売上高は前年同期比12%増
- スモールビジネス&セルフエンプロイド事業の売上高は、不透明なマクロ環境下でも18%増加
- コンシューマー事業の売上高は9%増、クレジットカルマの売上高は8%増
タックス事業の進展
- タックス事業は消費者と中小企業向けに大きな成長機会
- TurboTax Liveの顧客数は12%増、売上高は17%増の見込み
- TurboTax Liveの売上高は14億ドルに達し、コンシューマー事業全体の約30%を占める
- 高ARPR層でTurboTaxのシェアが拡大
- Intuit Assistを2,400万人の顧客が利用
戦略的な投資領域
- 5つの重点領域に投資を加速
- GenAIによる自動化の推進
- TurboTax LiveとQuickBooks Liveの営業・マーケティング
- 中小企業向けマネーソリューション
- 中堅企業向けプラットフォームと営業
- MailchimpとQuickBooksによる海外展開
質疑応答ハイライト
TurboTax事業の戦略と今後の成長見通し
- クレジットカルマとの連携によって大きな機会がある
- クレジットカルマの4,000万人以上の月間アクティブユーザーの多くがTurboTaxのアシスト対象
- TurboTaxの機能をクレジットカルマに組み込んだことで、クレジットカルマ経由のTurboTax利用者が76%増加
- シームレスなログインとアプリのパフォーマンス改善で、さらなる顧客拡大の余地あり
- アシスト型の顧客セグメントと高ARPR顧客に注力
- プラットフォーム間を移動する単純申告者層には注力しない
- 長期的にはIRS全体に占めるシェア拡大を目指す
- TurboTax Liveが全体の70%を占めるようになれば、IRS全体でのシェア拡大につながる
小規模企業の状況とQuickBooks事業の見通し
- プラットフォーム上の小規模事業者の収益性は改善しつつある
- 業種によって状況は異なるが、全体的には前年同期比で改善
- ただしキャッシュリザーブは前年同期比8%減だがコロナ前と比べると16%高い水準
- QuickBooksのオンラインエコシステムが成長を牽引
- デスクトップからオンラインへの移行を促進
- QuickBooks Advancedの機能強化で大企業の取り込みにも注力
- デスクトップ事業は今後サブスクリプションモデルへの移行が完了し安定成長へ
- QuickBooks Desktop Enterpriseは高いシングルディジット成長を見込む
人工知能(AI)の活用について
- TurboTaxでは2,400万人の顧客がIntuit Assistを利用
- 税金還付の説明や質問対応に活用され、エキスパートの効率化にも寄与
- クレジットカルマでは2,000万人近くのユーザーにIntuit Assistを提供開始
- 最適なクレジットカードの提案、金融に関する意思決定のサポートなどに活用
- Mailchimpでは30万社近くの顧客がマーケティングキャンペーンの作成にIntuit Assistを活用
- QuickBooksでは3万社程度の顧客向けに提供開始
- 非構造化データの変換による請求書作成の自動化などに活用
TurboTax Liveの進捗と学び
- マーケティング強化によって大きな需要を創出できることが判明
- 価格の透明性が重要であることが判明
- ローカルの専門家検索機能によって大幅なコンバージョン向上を実現
- 専門家のおすすめ機能も好影響
- ショッピング体験の改善が必要
- 専門家を前面に打ち出し、価格表を提示しない方が良い
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