IBM(ティッカー:$IBM)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.68 | $1.59 | 〇 |
売上高 | $14.46B (YoY +1.5%) | $14.54B | × |
業績ハイライト
売上高は為替変動の影響を除くと3%増加
- ソフトウェア事業は6%増と高い伸び。ハイブリッドプラットフォームとソリューション、トランザクション処理が共に好調
- コンサルティング事業は2%増。自社の力のみによる成長
- インフラ事業はZ、Power、ストレージ全てが堅調で予想以上の業績
利益率は改善
- 売上総利益率は前年比1.0ポイント改善
- 事業利益率は前年比1.3ポイント改善。為替変動の影響が1ポイント程度含まれる
- ウェザーカンパニー売却益とリストラ費用を除くと、事業利益率は0.5ポイント改善
フリーキャッシュフローは6億ドル増加の19億ドル
- 事業利益(EBITDA)の増加と運転資本の改善が寄与
- 過去12カ月間のフリーキャッシュフローは118億ドル
質疑応答ハイライト
コンサルティング事業の見通し
- 需要は堅調だが、一部の裁量的プロジェクトで支出抑制の圧力あり
- 第1四半期の売上高は前年比2%増の全て自社の力による成長
- 注文残高は前年比7%増で健全。会計期間の長期化と一部プロジェクトの遅延を見込む
- 年間の売上高成長率予想は従来の6-8%から5%に下方修正。第2四半期以降は加速の見込み
ハッシュコープ買収の財務的影響
- ハッシュコープの買収により、売上高成長率が中長期的に加速する見込み
- 買収後12カ月以内にEBITDA向上効果、2年以内にフリーキャッシュフロー増加効果を見込む
- 大幅なコストシナジーを見込むが、製品シナジーによるアップサイド余地もある
- 数年以内にハッシュコープの利益率(FCFマージン)は30-40%に上昇の見通し
AIビジネスの進捗
- AIビジネス(ワトソンX、ジェネレーティブAI)の受注残高は四半期ごとに増加し、累計10億ドル超に
- ソフトウェアとコンサルティングの両面でAIビジネスが好調
- Red Hatとのシナジーでさらなる成長を見込む
レッドハットの成長加速
- 第1四半期の売上高成長率は前期の7%から9%に加速
- サブスクリプションビジネス(全体の80%)は2桁台の売上高成長。消費型ビジネスは安定化
- 四半期の予約受注高は3四半期連続で2桁台の成長を記録し、通年の2桁台成長に自信
ジェネレーティブAIに対する顧客の関心の変化
- 1年前は実験的な導入が中心だったが、最近はROIや経済性、人材育成などの課題解決にシフト
- 業務プロセス改革やコスト削減、生産性向上に直結する本格導入の動きが進む
- IBMのグラナイトシリーズのモデルが経済性に優れ、ROIの実現に貢献
- 小規模な実験ではなく、従業員や顧客への大きなインパクトが期待できる用途に注力するよう助言
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