ギリアド(ティッカー:$GILD)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.02 | $1.55 | 〇 |
売上高 | $7.5B (YoY +7%) | $7.0B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $4.35 ($4.25~$4.45) | $3.79 | 〇 |
業績ハイライト
売上高・収益
- ベース事業の売上高は前年同期比7%増の68億ドル
- HIV事業は前年同期比9%増、オンコロジー事業は6%増
- Vekluryを含む総売上高は前年同期比7%増の75億ドル
- 通期売上高ガイダンスを引き上げ(278-281億ドル)
利益・マージン
- 製品総利益率は87%(前年同期比84ベーシスポイント改善)
- 研究開発費は前年同期比5%減
- 営業利益率は43%(Janssenへのロイヤリティ買収費用除くと47%)
- 非GAAPベースの1株当たり利益は2.02ドル
事業・開発の進捗
- PurposE 2試験でlenacapavirのHIV予防効果を確認
- 8月にPBC治療薬Livdelziが承認取得、順調な立ち上がり
- HIV事業の通期成長見通しを4%から5%に引き上げ
- 株主還元は第3四半期に13億ドル実施
質疑応答ハイライト
CAR-T事業について
- 競合影響は2つの要因:
- 濾胞性リンパ腫とマントル細胞リンパ腫での新規適応症
- 製造能力の増強
- バイスペシフィック抗体との競合も影響
- コミュニティ戦略を継続、最初の患者治療にも成功
Lenacapavir(HIV予防)の展開について
- 市場拡大の機会:
- より多くの消費者によるPrEPの使用
- より多くの医師による処方
- 他国への展開
- 主要なターゲット:
- 黒人・ラテン系個人
- 若年成人
- シスジェンダー女性
- トランスジェンダー
- 現行のDescovyユーザーからの切り替えも期待
Anito-celの開発状況について
- 遅発性神経毒性が見られない理由:
- コンパクトなDD領域を持つ構造が要因と考えられる
- 100例以上のデータで安全性を確認
- 製造について:
- YescartaとTecartusの知見を活用
- メリーランド施設での製造も順調
- FDAから特別な制限なく製造スケールアップが可能
HIV市場戦略について
- 経口剤とサブキュー注射の両方で開発を推進
- 経口剤:週1回から月1回投与を目指す
- 注射剤:3ヶ月から6ヶ月間隔投与を目指す
- 患者ニーズに応じた選択肢を提供する方針
- Biktarvyの特許満了(2033年)までに4つの新規モダリティを導入予定
PrEP市場の見通しについて
- 2030年までに60万人以上の使用を見込む
- 現在の35-40万人から大幅な拡大を期待
- 成長要因:
- 新規層の取り込み(従来は白人MSMが中心)
- 教育・啓発活動の強化
- Lenacapavirの差別化された特長
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