ファーストソーラー(ティッカー:$FSLR)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.20 | $1.98 | 〇 |
売上高 | $794M (YoY +44.8%) | $722M | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $13.50 ($13.00~$14.00) | $13.6 | × |
ガイダンス 通年売上高 | $4.5B ($4.4B~$4.6B) | $4.51B | × |
業績ハイライト
2024年第1四半期の業績ハイライト
- 売上高は7億9,400万ドル
- 売上総利益率は44%(前期比1ポイント増)
- 希薄化後1株当たり利益は2.20ドル
- 期末のキャッシュ及び同等物は20億ドル(前期末比1億ドル減)
- 期末の純キャッシュは14億ドル(前期末比2億ドル減)
- 営業キャッシュフローは2億6,800万ドル
受注動向
- 第1四半期の新規受注は8.54ギガワット(調整前平均販売価格は0.301ドル/ワット)
- 2024年通期の新規受注は年初来で2.7ギガワット(調整前平均販売価格は0.313ドル/ワット)
- 受注残高は78.3ギガワット、23.4十億ドル相当(調整前平均販売価格は0.299ドル/ワット)
設備投資計画
- アラバマ工場とルイジアナ工場の建設は予定通り進捗中
- オハイオ州の研究開発センターとペロブスカイト開発ラインは2024年後半に稼働予定
- ベトナム工場とオハイオ州の第3工場におけるCuRe技術への移行を前倒しするため、2024年の設備投資予算を1億ドル増額
2024年通期の業績見通し
- 販売数量とP&Lガイダンスは据え置き
- 設備投資予算を1億ドル引き上げ
- 期末の純キャッシュ残高見通しを6億~9億ドルに引き下げ(顧客の納期調整要請などが主因)
- 希薄化後1株当たり利益は13~14ドルを予想(据え置き)
質疑応答ハイライト
インド市場の動向と価格
- ALMM(Approved List of Module and Manufacturers)の導入により、価格は5~10%上昇
- インドの価格水準は米国よりも低いが、ALMMにより今後も価格上昇の可能性あり
- 今年インドで2.6ギガワットを生産し、約1ギガワットを米国に輸出予定
- 25~26ギガワットまでの生産能力拡大により、インドと米国への最適な供給配分を検討中
新規受注の見通しと価格動向
- 4月以降、新たな貿易措置の発表を受けて市場価格が0.03~0.04ドル/ワット上昇
- 今回発表した第1四半期の新規受注(8.54ギガワット、0.30ドル/ワット)は、価格上昇前の水準
- 価格上昇と供給制約を背景に、顧客からの引き合いが増加
- 魅力的な販売価格での新規受注獲得を目指し、慎重に対応していく方針
次世代技術の開発状況
- 薄膜CIGSタンデム、薄膜結晶シリコンタンデム、ペロブスカイトの3つの技術を並行して開発中
- 今年後半に稼働予定の研究開発センターとペロブスカイト開発ラインに約5,000万ドルを投資
- 実験室レベルの効率だけでなく、実用規模での生産性と信頼性の検証が重要
- 今年末までに次世代技術の商用化の見通しについて、より明確になる見込み
工場新設の判断基準
- 今後の需要の持続性と政策環境の安定性が重要
- データセンター向けなど、需要の拡大が見込まれる分野の動向を注視
- ガラス、テルル、立地などのサプライチェーンの準備を進め、機動的に対応できる体制を整備中
- 需要見通しと政策環境が整えば、スピード感を持って新たな投資判断ができる見込み
在庫水準と販売機会
- 米国の在庫水準は30~40ギガワット規模との見方もあるが、正確な把握は困難
- 輸入記録を見ると、需要を大幅に上回る水準で在庫が積み上がっている可能性
- スポット的な販売機会は限定的だが、顧客の都合による受注のキャンセルなどに対しては柔軟に対応
- 2026年までは累積で販売超過の状態が続く見通しで、需給バランスを注視しながら対応する方針
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