フェデックス(ティッカー:$FDX)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $5.41 | $5.37 | 〇 |
売上高 | $22.1B (YoY +1%) | $22.06B | 〇 |
ガイダンス 2025通年EPS | $21.0 ($20.0~$22.0) | $21.14 | 〇 |
ガイダンス 2025通年売上高 | $89.9B ($87.8B~$92.0B) | $87.72B | 〇 |
業績ハイライト
2024会計年度第4四半期の業績
- 2024年度は、全ての四半期で前年比の営業利益成長とマージン拡大を達成
- 当初の成長予想と比較して収益は減少したものの、当初のガイダンス範囲の上限に近い調整後EPS成長率19%を達成
- 資本集約度を下げ、2025年度の目標である6.5%未満を1年前倒しで達成
- 資本支出を減らし、フリーキャッシュフローを増やすことで、約40億ドルを株主に還元
2025年度の見通し
- 調整後EPSは12%から24%の成長を見込む
- 収益は低~中一桁台の成長を予想。国内の小包と国際輸出需要の改善傾向が牽引
- 欧州のコスト削減を含む構造的なコスト削減の取り組みを継続
- 資本集約度をさらに引き下げ、投下資本利益率(ROIC)の改善、フリーキャッシュフローの拡大、株主還元の拡大を目指す
- 1000億ドルの収益に対して10%の調整後営業利益率達成への明確な道筋
質疑応答ハイライト
Expressセグメントのマージン改善の見通し
- Expressサービスの収益性改善は最優先事項。需要に合わせたキャパシティ調整、ネットワーク再編によるTricolorイニシアチブの推進、欧州事業の収益性改善、グローバルな販管費の合理化などの施策を推進
- 第4四半期は前四半期比でマージンが改善。年間を通じてマージン拡大を見込む
LTL事業の戦略的評価
- FedEx Freightのポートフォリオにおける位置づけと、株主価値向上のための施策を検討中
- 年内に慎重かつ迅速に評価を完了する予定だが、現時点では詳細なコメントは控える
ネットワーク統合とNetwork 2.0の進捗
- One FedExへの移行を完了。コスト削減と効率化、スピード向上、従業員のキャリア管理の改善などのメリット
- Network 2.0は順調に進展。カナダでの展開を完了し、2026年度にかけて導入ペースを大幅に加速させる予定
- サービスレベルの維持と顧客体験の向上に注力しながら、着実に実行していく
欧州事業の収益性改善
- 欧州事業の収益性改善は最優先事項の一つ。2023年度比で6億ドルのコスト削減を目指す
- 欧州の陸送ネットワークの最適化が最大の機会。米国のノウハウを活用
- リーダーシップ交代を含む体制強化とKPI管理の徹底で、改善を加速
貿易摩擦と供給網の変化への対応
- 貿易のGDP比率は2016年以降、横這い圏で推移
- FedExのグローバルネットワークは市場の最前線でインテリジェンスを収集しており、製造業の移転よりも迅速に対応可能
- 新興国の製造拠点シフトにも、現地のプレゼンスを活かして柔軟に対応できる
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