フォード(ティッカー:$F)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.49 | $0.47 | 〇 |
売上高 | $43.07B (YoY +4.6%) | $41.95B | 〇 |
業績ハイライト
財務実績
- 売上高は前年比5%増の460億ドル超、10四半期連続の増収
- 調整後EBITは26億ドル、利益率5.5%(前年比+50bps)
- 調整後フリーキャッシュフローは32億ドル(第3四半期)、59億ドル(年初来)
- 現金及び流動性は280億ドル、460億ドルを維持
セグメント別業績
- Ford Pro:売上高160億ドル(+13%)、EBIT18億ドル、利益率11.6%
- Model e:12億ドルの損失、コスト削減5億ドルを達成するも価格圧力で相殺
- Ford Blue:売上高3%増、EBIT16億ドル、利益率6.2%
- Ford Credit:税引前利益5.44億ドル(+1.86億ドル)
2024年通期見通し
- 調整後EBIT見通しを約100億ドルに下方修正
- フリーキャッシュフロー見通しは75-85億ドルを維持
- 設備投資は80-85億ドルを計画
質疑応答ハイライト
Ford Proの利益率低下について
- Q3の利益率11.6%への低下は季節性が主因
- レンタル事業は第1四半期がピークで、Q3はほぼゼロ
- 工場の定期シャットダウンの影響
- Super DutyとTransitの需要は引き続き堅調
- 2025年モデルで価格圧力見られるも、懸念するレベルではない
Model eの今後の見通しについて
- 欧州でのEV事業の拡大により収益性改善
- 第一世代製品のコスト削減が進展、特にMustang Mach-Eで進捗
- 生産税額控除の活用により2024年半ば以降のコスト削減を見込む
- バッテリー調達の再構築により、PTCの最大活用を図る
- 市場での価格競争は懸念材料として継続
保証費用の改善見通しについて
- 3ヶ月使用品質データは2021-22年比で30%以上改善
- ExplorerとKugaの新モデル立ち上げでの品質問題は発生せず
- OTAアップデートにより修理時間短縮、コスト削減に寄与
- ただし、旧モデルのFSA(フィールドサービスアクション)の影響は予測困難
- コストへの反映には時間を要する見込み
コスト削減の進捗と今後について
- 2024年の20億ドルコスト削減は主に第1-3四半期で達成
- 競合他社とのコストギャップは依然として存在
- 材料費では進展あるも、保証費用で後退
- 構造改革コストは競合比で改善も、トルコでのインフレ影響で相殺
- コスト削減のペースを加速する必要性を認識
次世代EVの開発状況について
- BOMの60%について既に見積もりを取得
- 競争力のあるLFPバッテリーの採用
- 部品点数の大幅な削減による簡素化を実現
- 新しいキッティング戦略とユニットキャスティング戦略を導入
- サプライヤーとの早期段階からの協業を強化
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