イートン(ティッカー:$ETN)の2024年第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.40 | $2.29 | 〇 |
売上高 | $5.9B (YoY +7.7%) | $5.9B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2EPS | $2.57 ($2.52~$2.62) | $2.50 | 〇 |
ガイダンス 2024通年EPS | $10.40 ($10.20~$10.60) | $10.27 | 〇 |
業績ハイライト
Q1の業績ハイライト
- 調整後EPSは$2.40で前年同期比28%増、ガイダンスを上回る
- 電機部門の受注が予想を上回り、堅調に推移
- 過去12ヶ月の電機部門全体の受注は7%増、航空宇宙部門は2%増
- 受注と受注残高の増加により、電機部門は27%、航空宇宙部門は11%の記録的な受注残を達成
- Q1の好調な業績を受け、通期の売上高成長率、セグメント利益率、調整後EPS見通しを上方修正
同社の成長を牽引する6つのトレンド
- インフラ支出の増加
- 産業の国内回帰
- 電力会社とデータセンター市場の拡大
- これらのトレンドにより、同社のほとんどの事業で今後数年間は市場主導の成長機会が加速すると見込まれる
- 超大型プロジェクト(10億ドル以上)は415件に達し、昨年同期の2倍、通常の3倍のペースとなっている
- 10億ドル未満の中小規模プロジェクトも大きな伸びを示しており、超大型プロジェクトと合わせて同社の成長を後押しする見通し
データセンター市場の見通し
- AI、ビッグデータ、エッジコンピューティングの台頭により、データセンター市場は大きな勢いを持続
- AIデータセンターの需要が特に強く、受注と交渉案件が急増
- 北米におけるデータセンター関連の交渉は4倍以上に増加
- 2022年から2025年の年平均成長率は25%に上方修正
- 同社はデータセンター市場で強固なポジションを確立しており、2023年の売上高の14%を占める
質疑応答ハイライト
メガプロジェクトのパイプラインとボトルネックについて
- 発表済みのメガプロジェクトは1兆ドルを超え、昨年同期の2倍、通常の3倍に達している
- 人手不足が制約要因となっているが、建設業の労働参加率は全体の経済より速いペースで伸びている
- 電気設備の不足も制約要因だが、同社は生産能力拡大に10億ドルの投資を行い、ボトルネックの解消を図っている
- 長期供給契約を顧客と結ぶことで、需要に見合った設備投資を行える
データセンター需要の拡大について
- AIの台頭により、データセンターの需要が急拡大。北米での交渉案件が4倍以上に増加
- 2022年から2025年のデータセンター市場の年平均成長率を25%に上方修正
- 電気設備の供給が需要に追い付いておらず、一部の機器は2年以上の納期がかかる状況
- 電機大手との長期供給契約締結などにより、需要拡大に対応していく方針
電機部門のマージン改善の見通しについて
- 北米の電機事業は、データセンター需要の拡大などを背景に、マージンが大きく改善
- 一方、欧州の電機事業は市場低迷の影響を受けており、グローバル全体では伸び悩み
- グローバル事業のマージン改善に向け、3億7500万ドルのコスト削減を実施中
- 下期は欧州の需要回復が見込まれ、グローバル事業のマージンは改善に向かう見通し
生産能力増強投資について
- 10億ドルの追加投資を実施中。労働力や資材不足などのボトルネックにより、投資額はさらに増える可能性がある
- データセンターなど高成長市場向けの生産能力増強を最優先
- 主にアセンブリラインの増設や工場の増設などを実施。比較的資本集約度は低い
- 投資による償却費増などが足元のマージンを押し下げるが、需要拡大を確実に取り込むために必要な投資と認識
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