エンフェーズエナジー(ティッカー:$ENPH)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.35 | $0.39 | × |
売上高 | $263.34M (YoY -63.7%) | $277.57M | × |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $310M ($290M~$330M) | $346.86M | × |
業績ハイライト
売上高と利益率
- 第1四半期(Q1)の売上高は$2.633億、マイクロインバーター出荷量は約140万台、バッテリー出荷量は75.5MWh
- 非GAAPベースのグロスマージンは46.2%、営業費用は31%、営業利益率は15%
バッテリー事業の好調
- 第2四半期(Q2)は100~120MWhのバッテリー出荷を見込む
- セルパックコスト低下、米国製造によるIRA税額控除、第4世代バッテリーの改良設計でグロスマージン改善見通し
- 新規市場参入を進め、第1四半期(Q1)ではイタリアでバッテリー販売を開始
米国市場の状況
- カリフォルニア州以外は季節性から第2四半期(Q2)に需要回復の兆し
- カリフォルニア州は下期(H2)に安定化・増加の見通し。NEM 3.0への対応が進展
- カリフォルニア州の新規住宅には太陽光発電の設置が義務付けられ、NEM 3.0ではバッテリー併設の経済性が高い
ヨーロッパ市場の進展
- ヨーロッパ全体の第1四半期(Q1)の販売は前四半期(Q4)比7%増
- オランダは純メータリング制度の継続により需要回復見通し。フランスは高い電力料金を背景に市場が堅調に推移
- ドイツは販売が第1四半期(Q1)に前四半期(Q4)比28%増と力強く、今年後半に三相バッテリーソリューションを投入予定
質疑応答ハイライト
一時的な需要減退の管理
- Q1は需要減退による底入れ
- ヨーロッパは回復しつつあり、カリフォルニア以外の州は第2四半期(Q2)に回復期待、カリフォルニアは下期(H2)に安定化・増加見込み
- チャネルは第2四半期末までにマイクロインバーターは正常化見通し
バッテリービジネスの勢い
- バッテリーの販売が好調、チャネルがほぼ正常化
- 第1四半期(Q1)のバッテリー販売は前四半期(Q4)比8%減の128MWhと季節性影響が軽微
- バッテリーのグロスマージンは継続的に改善見込み
次世代製品の計画
- ガリウムナイトライド(GaN)ベースのIQ9マイクロインバーターを2025年前半に発売予定
- 第4世代バッテリーは大幅なコスト削減を実現予定
市場シェア獲得の要因
- インストーラーとの良好な関係がシェア獲得の主因
- 太陽光発電とバッテリーの組み合わせがもたらす差別化された価値提案がインストーラーに評価
需要の見通しと在庫管理
- 第2四半期(Q2)の販売見込み(sell-through)は$4億で、そのうち約半分ずつを北米とヨーロッパ、60%をマイクロインバーター、40%をバッテリーと予想
- 第1四半期(Q1)と第2四半期(Q2)の販売不足(undership)額はそれぞれ約$1.13億、$0.9億で、その2/3が米国、1/3がヨーロッパ
- 8-10週間分の在庫を正常とみなしているが、需要増加局面では実質在庫週数はそれを下回る可能性
自家消費とバーチャルパワープラント(VPP)の需要を牽引
- 欧州では電力の買取価格が小売価格を大幅に下回る逆ざやが自家消費を後押し
- VPPプログラムへの参加でさらなるインセンティブ獲得が可能
- EVや温水器などの制御可能な需要機器の増加で、最適化とVPP参加の余地が拡大
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