e.l.f. Beauty(ティッカー:$ELF)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.74 | $0.56 | 〇 |
売上高 | $270.9M (YoY +84.9%) | $238.91M | 〇 |
ガイダンス 2024通年EPS | $2.855 ($2.84~$2.87) | $2.74 | 〇 |
ガイダンス 2024通年売上高 | $985M ($980M~$990M) | $927M | 〇 |
業績ハイライト
上方修正されたガイダンスとモメンタムを牽引するトレンド(トラックチャネルと非トラックチャネルの比較)
- トップラインガイダンスを57%成長に上方修正したのは、e.l.f.ブランドの勢いと需要を反映したため
- 最も好調なのは、インターナショナル、デジタル、Ultaなどの非トラックチャネル
- トラックチャネルでは、第3四半期が上限、第4四半期が下限となる20~50%の成長を見込んでいる(タフな比較対象のため)
好調なパフォーマンスと市場シェア獲得の継続を支えるドライバー
- 重要な指標は、市場シェア、調整後の純売上高の伸び、調整後のEBITDAの伸びで、いずれも非常に堅調
- 2024年度は大幅な棚卸スペースを確保しており、SuperdrugとBootsでさらにスペースを拡大することでモメンタムを維持
- 消費者に響く「ホーリーグレイル」製品により、イノベーションのパイプラインは かつてないほど充実している
国際展開戦略とマージン構造
- 最初の2つの進出市場であるカナダとイギリスで力強さを発揮しており、e.l.f.はカテゴリーの成長を大きく上回っている
- 自社ウェブサイトと各国の有力小売業者と提携して展開するという規律あるロールアウト戦略
- 米国と海外のマージンは同等だが、海外への出荷には関税がかからないというメリットがある
マーケティング、インフラ、キャパシティへの投資
- マーケティング投資は高いROIを生み出しブランド認知度を高めている。第3四半期と第4四半期の支出は年間レンジを上回る見込み
- SAPの導入と流通能力への継続的な投資はガイダンスに織り込み済み
- 同社は毎年一貫して技術とインフラに投資しているため、今回の投資は規模が大きいものではない
価格、ミックス、市場シェアNo.1獲得の機会
- 価格/ミックスが成長の約20%に寄与したが、主に値上げではなくイノベーション主導のミックスシフトによるもの
- 市場シェアNo.1を獲得するには、スペースの拡大、店舗内でのディスラプションの強化、小売パートナーシップの深化によってTargetでの成功を再現することに注力
- 今後数年で再び市場シェアを倍増させる道筋が見えている
質疑応答ハイライト
ガイダンス引き上げの理由と今月の業績トレンド
- 第2四半期の好調さと、ブランドの勢いと需要を踏まえ、トップラインガイダンスを57%まで引き上げた
- 非トラックチャネル(インターナショナル、デジタル、ウルタ)が特に好調
- 全体的なビジネスが順調で、今後の成長余地も大きいと感じている
トラックチャネルのモメンタムと棚卸スペース拡大、イノベーションの見通し
- 第3・四半期のトラックチャネル成長率は20~50%の範囲となる可能性があるが、2年間の累積では90%以上を維持すると予想
- 市場シェア、調整後純売上高成長率、調整後EBITDA成長率の3つの指標が事業の強さを示しており、今後も勢いが続くと確信している
- 2024年春にSuperdrug、Bootsでスペースを拡大。イノベーションパイプラインも過去最高の充実ぶりで、消費者の需要に応えられる製品を揃えている
トレードダウンの影響とe.l.f. SKINの棚卸スペース配分
- マスからプレステージへの大規模なトレードダウンは見られず、ブランド認知度の向上がe.l.f.の成長を後押ししている
- e.l.f. SKINの棚卸スペースは、小売業者によってカラーコスメティクスと一緒に置かれたり、別置されたりしているが、成長機会は大きい
- Naturiumの買収により、スキンケアの売上高構成比が18%に倍増する
米国市場とインターナショナル市場への投資配分
- 米国市場では認知度と製品ラインの強化に引き続き投資し、好調な業績を維持
- 一方、カナダ、英国での認知度向上やイタリア進出など、主要な成長分野にも投資を行っている
- マーケティングと デジタルへの投資範囲内で、コア事業と新規分野の両方を追求できる
国際市場のマージン構造とNaturiumから得られる学び
- 国際市場と米国のマージンは同等だが、国際市場向け出荷には関税がかからないため若干有利
- Naturiumのスキンケアの専門知識やエンゲージメントモデルは、e.l.f. SKINにも応用できる可能性がある
- 両ブランドの強みを組み合わせることで、シナジー効果が期待できる
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