ドクシミティー(ティッカー:$DOCS)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.25 | $0.20 | 〇 |
売上高 | $118.1M (YoY +6.4%) | $116.4M | 〇 |
ガイダンス 2025Q1売上高 | $120.0M ($119.5M~$120.5M) | $119.1M | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $512M ($506M~$518M) | $520.2M | × |
業績ハイライト
財務状況
- 2024年度第4四半期の売上高は1億1,800万ドルで、ガイダンスレンジの上限を上回った
- 2024年度通期の売上高は4億7,500万ドルで、前年同期比13%増
- 上位20社の顧客の売上高は22%増で最も高い伸び率
- 第4四半期の調整後EBITDAマージンは48%、5,600万ドルでガイダンスを10%上回った
- フリーキャッシュフローは6,200万ドルで前年同期比37%増
- 通期の調整後EBITDAは1億8,400万ドルから2億3,000万ドルに25%増加
- 調整後EBITDAマージンは48%で前年度の44%から上昇
ネットワークの成長とエンゲージメント
- 登録医療従事者数が40万人以上増加し、2021年に次ぐ2番目に大きな伸び
- 米国のナースプラクティショナー(NP)とフィジシャンアシスタント(PA)の60%以上が参加
- 四半期、月次、週次、日次のアクティブユーザー数が二桁の伸び率
- ニュースフィードの利用者が90万人以上、ワークフローツールの利用者が58万人以上で過去最高
- Appleのアプリストアでの評価が4.8と高評価
顧客サミット
- 第12回年次医師テックサミットを開催し、新しいソフトウェアをテスト
- HIPAA準拠の医療ライティングアシスタント「Doximity GPT」が高評価
- Perplexityとの統合により、最新のガイドライン変更などをすぐに確認可能に
- 年次製薬会社顧客サミットを開催し、AIによる最適化や時間削減について議論
- クライアントポータルでROI分析を124件完了。中央値は11:1以上で高ROIを実現
- クライアントポータルの提供先を前四半期の10%から20%に拡大
質疑応答ハイライト
年間売上50万ドル以上の顧客について
- 年間売上50万ドル以上の顧客数は98社で、前年比23%増加
- これらの顧客が全売上の81%を占める
- 10万ドル以上50万ドル未満の顧客層から50万ドル以上の顧客層への移行が進んでいる
- 50万ドル以上の顧客の割合は前年の76%から81%に増加
- 今後も10万ドル以上50万ドル未満の顧客を50万ドル以上の顧客に育成していく余地がある
医療システム顧客の状況と見通し
- 新規事業と拡大は減少しているが、更新率は引き続き高い
- パンデミック後の収益性回復に注力していることが近年の逆風要因
- McKinseyの調査によると、医療システムの利益は今後4年間で年平均成長率11%と回復する見通し
- 今年の成長率は5%未満だが、これは一時的な影響と考えられる
2025年度のガイダンスについて
- 契約済み売上高の割合は65%から70%以上に上昇
- 製薬会社顧客の成長率を10%以上、医療システム顧客の成長率をほぼ横ばいと想定
- 製薬会社のデジタルマーケティング支出は全体で5-7%の成長だが、当社は業界平均を上回る
- 顧客ポータルによる追加売上は2025年度のガイダンスには織り込んでいない
- 売上1億ドル未満のブランドは製薬会社売上の8%だが、長期的には大幅に拡大する可能性
医師以外の医療従事者の取り込みについて
- ナースプラクティショナー(NP)とフィジシャンアシスタント(PA)の60%以上が当社のネットワークに参加
- NPとPAは処方権を持ち、製薬会社のターゲットとしても重要
- 当社のダイアラー、テレヘルス、カレンダー、メッセージなどのツールの利用が拡大
- 今年はNPとPAにより注力し、NP Navigatorなどの新サービスを提供予定
顧客ポータルの状況と見通し
- レポーティング機能は好評で、最適化のための知見を提供
- 大手顧客ではROI分析のためのデータ統合や分析手法の理解に時間を要する
- 価格設定機能の追加により、メディア購入予算の議論にも対応可能に
- 現在は売上の20%の顧客に提供。段階的に拡大し、将来的には売上構成比を大幅に高める
- コンテンツ作成と最適化機能は今年後半に追加予定
企業買収の考え方
- 当面は自社のR&Dと商業化に投資することが最優先
- 将来的には、当社のプラットフォームを補完するような企業買収の可能性はある
- ただし、買収価格が割高になりすぎないよう、規律を持って臨む方針
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