ウォルトディズニー(ティッカー:$DIS)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.21 | $1.11 | 〇 |
売上高 | $22.1B (YoY +1.3%) | $22.15B | × |
業績ハイライト
業績ハイライト
- 第2四半期の調整後EPS(1株当たり利益)は前年同期比30%増の$1.21
- 通期の調整後EPS成長率見通しを25%に上方修正
- エンターテインメント事業の第2四半期営業利益が前年同期比70%以上増加、ストリーミング事業が黒字化を達成
- 第4四半期にはストリーミング事業全体で収益性達成見込み
事業別概況
- テーマパーク事業は第2四半期の売上高が10%増、営業利益が12%増と引き続き好調
- スポーツ事業のESPNは視聴者数で記録的な数字を達成
- 映画スタジオは今後数ヶ月で注目作品を多数公開予定
- ディズニー+の有料会員数は630万人増加、国内で約800万人の純増
今後の見通し
- 通期のフリーキャッシュフローは80億ドル以上を見込む
- コスト効率化施策で年間75億ドル以上の効果を目指す
- 株主還元は引き続き実施、第2四半期は10億ドルの自社株買いを実施
- 長期的な成長と収益性を重視し、継続的な利益とフリーキャッシュフローの成長を目指す
質疑応答ハイライト
テーマパーク事業の需要見通しとDTC事業の利益率目標について
- テーマパーク事業は、ポストコロナの需要のピークから正常化しつつあるが、予約状況から判断すると引き続き健全な成長が見込まれる
- 第3四半期は一時的な費用により前年並みの営業利益となる見通しだが、一時要因を除けば第3四半期は中〜高一桁台、第4四半期は二桁台の営業利益成長を見込む
- DTC事業は、優れたコンテンツ、バンドリングによるエンゲージメント向上、パスワードシェアリング対策、流通コスト削減、マーケティングや推奨エンジンの活用など、収益性向上の施策が多数ある
- DTC事業の利益率目標は競合他社に対して公表したくないが、コスト管理と事業成長の両面から二桁台の利益率達成を目指す
ESPNの展望とIPコンテンツのスレートについて
- ESPNは高視聴率を維持しており、スポーツコンテンツの価値は高まっている
- 年末にESPNのタイルをディズニー+に追加し、デジタルシフトに向けた布石とする
- ESPNは長期的にデジタルへの移行を進めるが、リニアテレビも併存する
- 今後の映画スレートは充実しており、マーベル作品も控えている
- マーベル作品はクオリティを重視し、TVシリーズは年2本、映画は年2〜3本に絞る方針
アドバタイジング市況とNBAの放映権交渉について
- アドバタイジング市場は現在は比較的健全。ライブコンテンツとスポーツが好調
- 一部の競合他社がアドタイアを導入したことで供給過多な状況だが、来年にかけて改善する見通し
- パスワードシェアリング対策を9月から本格的に開始。Netflixの好事例を参考にしている
- NBAの放映権交渉は長期的な成長が見込めるプレミアムスポーツコンテンツとして前向きに交渉中
スポーツコンテンツへの投資とCEO交代について
- スポーツコンテンツへの投資は、高い利益率と顧客満足度を背景に高いリターンが期待できる
- クルーズ事業にも大きな成長機会があり、積極的に投資する
- 取締役会がCEOの後継者選定プロセスに深く関与しており、適切なタイミングで適切な人物を選定する
- 後継者との円滑な引継ぎにも尽力する
ディズニー+のエンゲージメント向上とライセンス供与について
- ディズニー+のエンゲージメント向上には、優れたコンテンツ、レコメンデーションエンジン、バンドリングなどが寄与する
- ESPNフラッグシップのサービス開始後もESPN+は存続し、ディズニー+のESPNタイルからもアクセス可能とする
- Netflixへのライセンス供与は一部で実施中。他社へのライセンス供与も選択的に検討
- 自社コンテンツの独占にはメリットもあるが、他社へのライセンス供与で認知度向上などのメリットもある
- 現時点で大規模なライセンス供与は想定していないが、柔軟に検討する
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