シスコシステムズ(ティッカー:$CSCO)の2026年度第2四半期決算についてまとめます
📊 今期実績(予想 vs 結果)
| 項目 | コンセンサス | 実績 | Surprise |
|---|---|---|---|
| EPS(Non-GAAP) | 1.02 (YoY +8.5%) | 1.04 (YoY +10.6%) | 🟢 +2.0% |
| 売上高 | $15.12B (YoY +8.1%) | $15.35B (YoY +9.7%) | 🟢 +1.5% |
🚀 ガイダンス(予想 vs 会社見通し)
| 項目 | コンセンサス | 会社ガイダンス |
|---|---|---|
| 次期EPS(Non-GAAP) | 1.02 | 1.02–1.04 (YoY +7.3%/⚪ +1.0%) |
| 次期売上高 | $15.18B | $15.4–$15.6B (YoY +9.6%/🟢 +2.1%) |
| 通年EPS(Non-GAAP) | 4.11 | 4.13–4.17 (YoY +8.9%/⚪ +1.0%) |
| 通年売上高 | $60.64B | $61.2–$61.7B (YoY +8.4%/🟢 +1.3%) |
※Surpriseはレンジの中央値で計算。YoYは次期=FY25 Q3実績、通年=FY25実績から算出。
業績ハイライト
全体サマリー
- 売上・EPSは小幅ビート。ただし最大論点は粗利率の悪化。
- Non-GAAP売上総利益率は**67.5%(前年 68.7%)へ低下。次期ガイドは65.5–66.5%**とさらに低い。
セグメント動向
- Networking +21%
- Security -4%
- Collaboration +6%
- Observability 横ばい
ガイダンス論点
- 売上ガイドは強気だが、EPSは据え置きに近い(= ミックス・原価上昇の織り込み)。
- 粗利圧迫の中心はメモリ価格上昇。価格改定・契約条件変更で吸収するが、効くまでタイムラグがある。
✅ ポジティブ
- 受注は強い(ただし四半期ごとの偏りが出やすい)。
- 売上ガイダンスが市場予想を上回る。
⚠️ ネガティブ
- 粗利率の下振れと次期粗利ガイドが重い。
- Securityは(Splunk要因を含め)見栄えが悪く、評価されにくい局面。
質疑応答ハイライト
(※質問は省略せずに列挙。発言は要点を崩さず日本語で整理)
トピック:受注ミックス(システム/光学)と粗利率(メモリ)
Q: 受注のミックスは(システム/光学)どうなっている?新製品の寄与は?粗利率悪化はメモリ要因で底打ちするのか。
A: ミックスは概ねシステム約60%:光学約40%。目標として示す受注額に一部新製品は未算入で、上振れ余地は残す。粗利はミックスとメモリ高の影響。価格改定・契約条件変更・先行調達で吸収するが、反映は遅れる。
【分析】
・本音:原価上昇を“今すぐ取り返せない”。次期粗利ガイドがそれを示す。
・ポジ:新製品未算入=数字を保守的に置いた余地。
・ネガ:売上が伸びても粗利が崩れると評価は付かない。
・潜在リスク:原価高が長引けば、粗利の谷が長期化。
✅ 上振れ余地
⚠️ 粗利のタイムラグ
トピック:Networkingの強さと季節性の読みづらさ
Q: Networkingの伸びの内訳は?Q3→Q4の伸びが季節性より弱く見える理由は。
A: Campus〜DC〜IoTまで広く強い。大口案件は四半期ごとの偏りがあり、従来の季節性モデルが当てにくい。
【分析】
・本音:会社としても短期のブレを完全に読み切れない。
・ポジ:企業向け更新が進むなら土台は強い。
・ネガ:ブレが増えると市場は不確実性を理由に倍率を下げる。
✅ 広範囲で堅調
⚠️ 四半期の見通し難
トピック:粗利は底打ちするのか(ガイド逆算)
Q: ガイドを逆算すると粗利は改善するのか、それとも費用で調整しているのか。
A: メモリ高の一部はタイミング要因で、今後の改善余地はある。中期ではソフト寄与の改善がミックス面で追い風になり得る。追加質問は宿題対応。
【分析】
・本音:底打ちを断言できない。
・ネガ:追加質問を“後で”に回すのは、投資家心理を冷やしやすい。
✅ 改善可能性は示唆
⚠️ 断言回避
トピック:scale-up領域とNVIDIA連携の広がり
Q: scale-up領域はどう見ている?NVIDIA連携はハイパースケーラー外でも効いているか。
A: scale-upは未発表で続報待ち。Sovereign/NeocloudはFY26で大きく織り込まず。NVIDIA関連の現場連携は増加。
【分析】
・本音:scale-upは競争が厳しく、現段階で具体化できていない。
・ネガ:短期の収益寄与が読みにくい。
✅ 連携の裾野は拡大
⚠️ 収益化の時間軸不透明
トピック:企業投資の立ち上がりと値上げの需要前倒し
Q: 企業側の投資はどの段階?値上げで需要前倒しは起きたか。
A: 主要業種で初期案件が進んでいる。需要前倒しは大きく見られない。
【分析】
・ポジ:前倒しがないのは実需寄り。
・ネガ:値上げ効果が利益に出るまで時間がかかる。
✅ 実需の可能性
⚠️ 反映の遅れ
トピック:受注目標の保守性と売上認識のタイミング
Q: 受注目標は保守的すぎないか。売上認識が後ろにずれないか。
A: 少数顧客の大型案件は偏りやすい。見えているパイプラインに基づく現実的な置き方。FY27の見通しは高まりつつある。
【分析】
・本音:外すリスクを強く嫌う。
・ネガ:短期は「受注があっても計上が遅い」になり得る。
✅ 中期可視性の改善
⚠️ 短期の評価は付きにくい
トピック:CPOとキャンパス刷新
Q: CPOへの対応方針は?キャンパス需要はどうか。
A: CPOは起きるが直近ではない。顧客は選択肢を重視。キャンパスは刷新ペースが上がり、Wi-Fi 7が伸びている。
【分析】
・ポジ:刷新が本物なら長期追い風。
・ネガ:CPOで遅れると競合に主導権を取られる懸念。
✅ 刷新の追い風
⚠️ 光学の時間軸
トピック:Securityの回復と需給(供給制約)
Q: Securityは回復できるか。DCスイッチ需要はどうか。
A: Splunk要因で短期逆風。ただし新製品の採用が増え、Firewall刷新も継続。DCスイッチは需要が強いが供給が制約。
【分析】
・本音:需要はあるが供給が上限。
・ネガ:需給制約は“伸びしろ”を“取りこぼし”に変える。
✅ 採用の具体進展
⚠️ 供給制約
トピック:利益率の上振れと原価高の回収
Q: 利益率が上振れた要因は?原価高はどう回収するのか。
A: 支出管理で利益率を守った。価格改定・契約条件変更は浸透に時間がかかる。
【分析】
・ポジ:コスト規律は強い。
・ネガ:競争環境次第で値上げが崩れると回収が遅れる。
✅ 規律
⚠️ 価格決定力の試練
トピック:競争上の勝ち筋と企業向け拡張
Q: 競合にどう勝つのか。企業向けでも第一選択になれるか。
A: 差別化は柔軟性・電力効率・既存関係。企業向けはネットワークにセキュリティを組み合わせて取りに行く。
【分析】
・ネガ:供給と価格が崩れると、差別化の説得力が落ちる。
✅ 提案の筋は通る
⚠️ 供給・価格がボトルネック
トピック:キャンパス更新が前倒しの理由
Q: なぜ更新が想定より早いのか。値上げで買い急ぎは起きないか。
A: 低遅延・セキュリティ要件の上昇、EoL機器のリスクが更新を後押し。大規模な買い急ぎは起きにくい。
【分析】
・ポジ:更新が“必要投資”なら継続性がある。
・ネガ:投資家が見ているのは説明より、次期粗利65%台という現実。
✅ 構造要因の需要
⚠️ 粗利の重さ
総括
- 売上は堅調でも、粗利率の悪化と次期粗利ガイドの低さが足を引っ張る。
- 受注の強さは評価できるが、四半期ごとの偏りが大きく、短期の見通しに不確実性が残る。
- Securityは中身の改善が進んでも、統合・会計要因で数字の見栄えが悪く、評価が付くまで時間がかかる。
最終整理
✅ 強み
- 需要は広く、更新サイクルも追い風
- 受注は強く、中期の材料はある
⚠️ 弱み・重大リスク
- 粗利率の谷が深い(次期ガイドが重い)
- 四半期ブレで市場評価が上がりにくい
- 供給制約が続くと機会損失が発生する

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