クラウドストライク(ティッカー:$CRWD)の2025年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.03 | $0.86 | 〇 |
売上高 | $1.06B (YoY +25.4%) | $1.04B | 〇 |
ガイダンス 2026Q1EPS | $0.65 ($0.64~$0.66) | $0.96 | × |
ガイダンス 2026Q1売上高 | $1.1035 ($1.1006B~$1.1064B) | $1.10B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $3.39 ($3.33~$3.45) | $4.43 | × |
ガイダンス 通年売上高 | $4.775B ($4.7435B~$4.8066B) | $4.78B | × |
業績ハイライト
総評
CrowdStrikeは2025年度第4四半期(Q4)および通期決算で、売上高・ARR(年間経常収益)・キャッシュフローの全指標が予想を上回る好調な結果を示しました。AIを活用したFalconプラットフォームの進化と、エンタープライズ市場での存在感の拡大が引き続き成長を牽引しています。
財務ハイライト
指標 | Q4 FY2025 | FY2025(通期) |
---|---|---|
売上高 | $1.06B(前年比+25%) | $4.24B(前年比+23%) |
期末ARR | $4.24B(前年比+23%) | – |
クラウド、ID、SIEMのARR | $1.3B(前年比+50%) | – |
粗利益率 | 78% | – |
サブスクリプション粗利益率 | 80% | – |
営業利益(非GAAP) | $217.3M(前年比+27%) | $837.7M(前年比+27%) |
営業利益率(非GAAP) | 21% | – |
純利益(非GAAP) | $261.0M(前年比+10%) | $987.6M(前年比+31%) |
フリーキャッシュフロー | $239.8M(売上高の23%) | $1.07B(売上高の27%) |
主要ポイント
- Falcon Flexの急成長
- Q4だけで$1B以上のFalcon Flex契約を獲得し、通期では$2.5B(前年比10倍成長)
- 顧客のプラットフォーム採用が加速し、契約の平均モジュール数が9以上に増加
- CCP(カスタマー・コミットメント・パッケージ)の影響でARRの成長を一時的に押し上げるが、2026年後半からの純増ARR再加速を見込む
- クラウドセキュリティ事業の拡大
- クラウドセキュリティのARRは**$600M(前年比+45%)**を突破
- AIインフラを含むクラウドワークロードのセキュリティ需要が急拡大
- AWS Marketplaceでの爆発的成長
- 2025年の1年間でAWS Marketplace経由の売上が**$1Bを突破**
- Google Cloud Marketplaceでも$150Mの取引を達成し、マルチクラウド戦略を強化
- AIの活用強化
- SOCアナリスト支援AI「Charlotte AI」の導入企業が増加し、調査時間を20~30分から10~15秒に短縮
- AI自動化による業務効率化で年間24,000週間分の業務時間削減
質疑応答ハイライト
Falcon Flexの成長戦略について
質問(Barclays・Saket Kalia): Falcon Flexが顧客にどのような価値をもたらし、どのように既存顧客の契約を拡大しているか具体例を教えてください。
回答(CEO George Kurtz): Falcon Flexは、顧客が必要なモジュールを自由に追加できる柔軟な契約モデルです。例えば、Q4において大手運輸企業で3つの競合製品を排除し、Falcon Flexに移行することでARRを67%増加させました。多くの顧客が予定より早く利用枠を消化しており、更新契約の拡大が期待できます。
クラウドおよびIDビジネスの成長について
質問(JPMorgan・Brian Essex): クラウドおよびIDビジネスの成長率が、Next-Gen SIEMと比べてやや鈍化したように見えますが、その要因は?
回答(CEO George Kurtz): IDおよびクラウドセキュリティは、CCPの影響で早期導入が進んだ分、成長率が一時的に低下しました。ただし、**IDセキュリティの脅威が急増(非マルウェア攻撃が79%に達する)**しており、今後の需要は引き続き堅調です。
AWS Marketplaceの成長継続性について
質問(Mizuho・Gregg Moskowitz): AWS Marketplaceでの売上が爆発的に成長していますが、今後2~3年の成長見通しは?
回答(CEO George Kurtz): AWS Marketplaceは今後も主要な販売チャネルの1つとして成長を続けると確信しています。特に北米以外の国際市場の開拓が大きな成長機会になります。また、企業のクラウド投資拡大に伴い、クラウド経由でのセキュリティ購入の傾向が強まっているため、今後も加速が期待できます。
コメント